HELLO WORLD (集英社文庫)

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本棚登録 : 357
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458862

感想・レビュー・書評

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  • 一般的にSFにおいては、時間旅行により過去の自分と関わりを持つことは、タイムパラドックスを引き起こしかねないため御法度とされているが、本作はある仕掛け、あるシチュエーションによりそれを回避し、あまつさえ、積極的に過去を改変しようとする。

    未来から来た自分(ナオミ)が過去の自分(直実)に恋愛の手ほどきをするなどという何だかラブコメ的展開は、ナオミの真の目的が明らかになったところで急転直下、世界崩壊の危機へと転じる。

    可能な限り冒険を避けてきたような主人公の直実が、彼女である瑠璃のために危険へと身を投ずる展開は、映像にすると手に汗握るものとなっているのだろうことは想像に難くなく、映画の公開に期待感が増す。

    そして、「この物語( セカイ)は、ラスト1秒でひっくり返る」というアニメ映画のCMのとおり、ここまで語られてきた物語がラストでひっくり返る段になって、なるほど、そういうことだったのか!と素直に驚く。

    その小気味よさは野﨑まどの面目躍如といったところだろう。

  • ただ、救って終わるのだろうと思ったら、そういう話じゃなかった。予想外だった。
    誰かのために全てを変えてもいいと思えるところが、本当にすごい。
    主人公の成長の仕方が好き。しかも主人公を変えたきっかけはある意味で、自分で作っているというのがなんだか教訓めいていて、とてもよい。

  • 映画を見る前に読もうと思って買ったけど、忙しくて順番逆になってしまった。
    順番はどちらでも楽しめると思うけど、映画だけだと一回観ただけでは全部を理解しきれない気がするので、映画と本と、両方あると良いと思った。



    量子理論を用いて無限の記憶領域を持つアルタラ。それによって全ての事象を記録する京都クロニクルプロジェクト。量子記録による精神の修復。
    どこまでが直実の「現実」で、どこからが記録の上で改変された世界だったのか?「現実」で直実が意識を失っていた理由は?

  • 読んでみて、なるほど、映像にすると、映える作品だなと思いました。

    舞台である京都の描写が、聖地マップでも作られそうなほど「押さえられて」いますし。
    主人公がヒロインと関わりを持とうとする過程も、最初は強引に思えたのですが、中盤からは良い意味での巻き返しがあって、楽しく読めます。

    本を媒介にして、関係が広がっていくのも、素直に良いですー。

    ただ個人的には、「神の手」の要素が強すぎて、なんか中途半端なアクションになっているような気もしました。

  • 映画とは違って、最後のどんでん返しへの伏線がモロに書かれてしまっているので小説から入ると面白さが半減な気はする
    ツッコミどころはまあ多いけど、それもSFと割り切ってしまえば青春要素とサイエンス要素がいい塩梅で込められていてなかなか楽しめた。


    ツッコミどころと感じた点

    アルタラは現実世界の単なる複写でしかあり得ない(現実世界から分岐=自動修復システムを停止してしまえば、もはや制御も観測も不可能)のであれば、なぜアルタラ内に「堅書直美ではなく一条瑠璃が脳死になった世界」が存在し得たのか?

  • 2019年公開の伊藤智彦監督のアニメ映画「HELLO WORLD」の脚本を担当した野崎まど氏がノベライズ化したもの。新しい自分になりたいと思っている主人公と同級生の女の子のボーイ・ミーツ・ガール的な展開というのが根底にありつつ、SF的な要素を盛り込んだ作品です。あくまで映像化が先にあったと思われるため、小説だけだと分かりにくい描写がちらほらというか、最後のどんでん返しをするためだけに物語が進んでいるという印象を受けました。この辺は映像の派手さに頼らざるを得ないというか…。

  • さすが野崎まどという他ない面白さ。恋人になってからのことがもうちょっとあってもいいかなと思ったけど。ラストの一連の流れは全てが理解できたわけじゃないけれどそれでもなかなかのスッキリ感。

  • とにかく物語としての完成度が高いです。

    読者の共感を誘う導入部から始まり、異物の介入により物語が転がりだし、修行と成長、挫折と挑戦の青春パート、そしてどんでん返しからの大スケールなクライマックス。

    ご都合主義と言われようとハッピーエンドで終わらせる。しかし整合性は可能な限りつける。

    青春SFが好きなら読んで損はないと思います!

  • 映画原作は観てから読むか、読んでから観るか、いつも悩みます。今回は観てから読みました。
    映像と小説ではたいがい小説のほうが情報量が多く感じるものですが、今作は割とイコールに感じました。そういう意味では映画版はよくまとまってますね。深読みすると色々深い作品です。現実の中にクロニクル京都があって、その中にまたクロニクル京都があって・・・みたいになるしね。
    ただ、映画も小説もラストがちょっとわかりづらい。

  • アニメ化されるということで購入。
    作者の野﨑まどさんを最初に知ったきっかけは、ラジオドラマの「know」でした。独特な世界観だったなということは記憶に残っていました。
    この作品も映画「インセプション」のような、アニメ「サマーウォーズ」のような異次元の世界に誘われたような感覚でした。
    この作品の舞台は京都で、地名がふんだんに散りばめられていました。「京都」や「不思議な世界観」というと、森見登美彦さんが思いつくのですが、それとはまったく違った世界観で新鮮味がありました。表現しにくいのですが、森見さんは曲線が多い柔らかい世界に対し、野﨑さんは直線の多いきちっとした固い世界のようなイメージを受けました。

    内容としては、最後の最後まで飽きさせませんでした。一番最後のエピローグが、意外な真実が待っています。ただ、後半になるにつれて、状況について受けず、置いてけぼりになった感じがしました。特に格闘のシーンを文字にすると、イメージしづらいなという印象を受けました。この辺はアニメで見たほうが伝わりやすいかなと思いました。ただ、心理描写は繊細に描かれていて、フッと入り込めました。特に叫ぶシーンは、丁寧に描かれていて、心に響くものがありました。

    個人的ですが、一人の女を助けるのにこんな壮大なことにまで発展するんだとツッコミを入れてしまいました。

    小説だけだとわかりにくいところもあったので、アニメとセットで楽しんだほうが良いかと思います。
    アニメは見てないので、答え合わせをしに見てみようかなと思いました。

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著者プロフィール

『[映]アムリタ』が第16回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》を受賞、同作品にてデビュー。『know』が第34回日本SF大賞にノミネート、『バビロン』がTVアニメ化。ほか、TVアニメ『正解するカド』、劇場アニメ『HELLO WORLD』の脚本も手がけるなど、多方面で活躍中。

「2019年 『舞面真面とお面の女 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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