生きて候(下) (集英社文庫)

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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460056

感想・レビュー・書評

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  • ここまで真っ直ぐな気性かつ強い忠誠心を持つ武士なのにあまり有名でない以上は、きっと途中で無念の死を遂げるに違いないと思っていましたが、タイトルに相応しく最後まで平和を目指して生き続けたようですね。
    少し長過ぎるきらいはあり、また本多、前田、島津などの姓を持つ人の識別が混乱しがちだったものの、とても面白く読めました。
    竹蔵がまさか、、、まあこれは別の説の方が有力みたいですが。

  • 関ヶ原の戦いの後宇喜多秀家の助命の為に奔走する正重。関ヶ原の戦いの時秀頼や毛利輝元が大坂城から動かなかったのは豊臣家の中での三成と家康の内紛と朝廷が位置付け豊臣家に類が及ぶのを恐れ援軍が送れなかった。

  • やはり安部龍太郎はおもしろい。筋を通して生きていかねばと考えさせられる。焦点を当てる人物が素晴らしかった。

  • 安倍龍太郎の登場人物は、不器用で己の生き様を貫く。この作品は本田正信の養子に出された次男、倉橋政重が武辺者の生き様を通しながらも、為政者への目覚めが描かれている。
    無益な慶長の役の不毛さや、徳川政権へ移行期のせめぎ合いに読み応えがある。
    兵站のロジスティック面や、武家や朝廷の駆け引き、派閥争いのディテールもよい。

  • 後編、圧巻は関ヶ原の戦い。敗色の濃い西軍にあって奮戦する政重の姿がリアルに描かれている。絹江との一時の恋、豪姫への秘めた恋情なども、武辺者政重のキャラクターに彩りを加えている。本多正信の次男に産まれ、殺傷沙汰のために徳川家を出奔、弘安の役で朝鮮に渡り、関ヶ原では西軍、宇喜多秀家の侍大将、その後、前田家の筆頭家老に迎えられ、敗軍の将秀家の助命に奔走し、一時、会津の上杉家の直江兼続の養子となる(この部分は本書では描かれていない)。政重が戦国時代にこれだけ様々に主を変えつつも活躍する事が出来たのは、本書が描いている様に、人間的な魅力に溢れた人物だったからなのだろうか。それとも、家康や正信の密命をおびた行動だったのだろうか。

  • 実力で活躍する自由人、本多政重。しかし、生き方のどこかに悲しみをたたえているように思う。自分の力を信じて活躍するする姿には憧れる。

  • また、この先生の本を読んでみたいと思いました!

  • 著者らしからぬ近代的ヒューマニティあふれる展開が期待ハズレ。

  • 本多政重が主人公。安部さんは可愛い人書くんですよね。若利政とか掃部とか。塩結び…!

  • 新規購入ではなく、積読状態のもの。
    2010/7/26~7/29

    宇喜多秀家の新参衆として関ヶ原の戦いに挑む政重。戦の後は、秀家の助命、豊臣家の再興を願って、己を捨てて奔走する。義に生きる男の生き様は素晴らしい。タイトルは父・正信の書き付けの裏表紙にある「花ありて熱き時代は過ぎにけり ただゆくりなく生きて候」による。

     本多といえば正信、正純親子が有名だが、こんな次男が居たとは。金沢には、本作で登場する大槍、敦盛のモデルとなった槍が「藩老本多蔵品館」にあるという。金沢を訪れるチャンスがあれば是非、行ってみたい。

     しかし、最後の竹蔵のその後にはびっくりした。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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