ゆらゆら橋から (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462555

感想・レビュー・書評

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  • 古本屋でみつけて購入 15年以上前の作品
    健司は自分とは10歳くらい年上かな?年代的にも地理的にも生活感が想像できた。

    全体的にエロティックな雰囲気。池永さんの心理描写ってすごく好きなんだけど、こんなに官能的だったっけ?って思いながら読み進めていきました。

    知佐子、いいよね!こんな先輩に出会っていたらって妄想して楽しんでみます。
    敦子もすきだな!嘔吐物はありえないけど、じっくり舐めさせてほしいよ。
    佐和子もそそられるよね!たぶん、包帯気になるし平凡な人妻ってのもいいよ。
    A子ってどんでん返しを考えてしまった。誰かの血縁者ってあるのかなって?

    郁江は怖いな!結婚するとは思わなかった。同僚との関係もダメだし、駆け落ちの流れも疑惑だらけだし、でも流されてしまうものなんだろうか?

  • ある男性の小学生から52歳までを描いたストーリー。


    池永さんの作品はどれも本当に引き込まれる。


    全体を通して、女性からしてみると、
    なんだかたよりなくてもろく見えてしまいがちだが、
    どの女性も当時は真剣に愛していた健司の素直さや単純さがどこか
    かわいらしくて読む手がとまらなかった。



    さいごに、また故郷に戻ってきてからの
    あの終わり方もよかったし、何年後かにまた読みたいと思える作品。

  • 健司の通う小学校に、東京から美しい先生が赴任してくる。昔の恋人を引きずる彼女に健司は心を奪われて――(「ゆらゆら橋」)。中学に入った健司は結核の少女に恋した。だが彼女は感染を心配し、近づかせてくれない。やがて容態が急変し……(「林檎色の血」)。大人の女性への憧れ、身を焦がす嫉妬、そして永遠の別れ。少年期から熟年期まで、一人の男性が人生で出会った切ない恋を描く連作短編小説。

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    表紙買いしました。
    エムズってイラストサイト。まさか表紙描いてたなんて知らなくて、衝動買い。水彩で描かれた表紙の少年は、狐のお面持っている。

    そして、恋愛小説は苦手でした。

  • この作品の中の『林檎色の血』、泣いた。

    恋愛小説というものを読んだことがなかったから新鮮だったのかもしれない。

    少年の恋が無骨ながらストレートで純粋で、忘れていたものを思い出した感じ。

  • 女性に幻想を抱きすぎるのはよくないですよね。そう思います。筆者も強くそう思っているようです。でもやっぱり夢みているんだと思います。そう読めます。

  • なかなか面白い作品だった。
    1人の男の小学校時代から、50過ぎの壮年になるまで・・その中で出会う様々な女性たち。
    いずれも彼の人生において忘れられない存在となる。

    特に最初の話(小学生時代)で、田舎にふと現れた都会の匂いを感じさせる女性教師。
    このエピソードには、少なからず興味を抱いた。
    確かオレも中1の時に、大学を出たばかりの科学の女性教師に、大人の女性を感じたなあ(笑)
    いつも白衣を着て、清潔感にあふれていて・・話をするだけで緊張感があった気がする。
    結局、その先生は2年くらいで辞めてしまうのだが、辞めるときにノートに何か書いてくれとお願いした。
    先生のメッセージは・・「○○くん、男の子は内面の充実が大切ですよ。」ということだった。
    このことが、その時からずっと忘れられずにいるのでした・・^_^;
    (あまり本書の感想とはかけ離れてしまったが)

    物語の彼は、その後中学で出会う少女が結核により亡くなってしまってから、なかなかその想い出を断ち切れない。
    そんな中で登場してくる女性たちは、それぞれに魅力があるのだがやはり男性よりはドライな感じ。
    やっぱり男のほうが、結構過去を引きずっているんだよなあ。

    まあしかし、主人公の健司はある意味では優柔不断な男・・
    男性の目から見た作品であって、女性読者にはあまり受け入れられないかも・・。

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著者プロフィール

1998 年「走るジイサン」で第11 回小説すばる新人賞受賞。2002 年「コンビニ・ララバイ」で注目を集める。06 年「雲を斬る」で第12 回中山義秀文学賞受賞。その他著書多数。

「2021年 『おっさんたちの黄昏商店街 それぞれの恋路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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