水滸伝 18 乾坤の章 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462722

作品紹介・あらすじ

童貫軍の猛攻撃が始まった。呼延灼は秘策をもってそれを迎え撃つ。梁山湖では李俊ひきいる水軍が、巨大な海鰍船と対峙していた。梁山泊に上陸される危険を背負いながら、幾百の船群に挑む。一方、二竜山も陥落の危機を迎えていた。趙安の進攻を一年以上耐え抜いた秦明は、総攻撃を決意する。楊春、解宝が出撃、そして、青面獣の名を継ぐ楊令が初めて騎馬隊の指揮を取る。北方水滸、死戦の十八巻。

感想・レビュー・書評

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  • 。゚(゚´Д`゚)゚。

    楊令が遂に梁山泊に帰ってきました!
    待ってたぜ!
    待ちに待ってたぜ!の巻の十八
    いよいよ残り二巻でさーねー

    子午山の王進の元での修行でとんでもなくでかい漢となって帰ってきた楊令

    そして父の青面獣楊志の名前が書かれた札を
    楊志の死によって赤字にひっくり返されていた札を表に返すのです

    そうなんだよ!
    青面獣楊志が梁山泊に帰ってきたんだよ〜!!

    名場面来た!

    。゚(゚´Д`゚)゚。

    重立った面々に挨拶してまわる楊令
    大人たちが楊令大好きすぎてほっこり
    だがな!天閑星の明倫(てんかんせいのめいろん)さんとこに挨拶きてないぞ!(誰やねん)

    そして笑っちゃうくらい万能
    なにをやらしても一級品、で性格の方は超一級品
    もう好き

    そしてそして最後にあの人の部隊継ぐのよ
    もう泣く、泣く以外の選択肢は全部北方謙三アニキに封じられてます

    。゚(゚´Д`゚)゚。

    はい、一〇八星そんなに違わないじゃん!のコーナー!

    今回はもちろんこの人!梁山泊第六位の好漢、天雄星の豹子頭(ひょうしとう)林冲です!

    豹子頭は豹のような顔という意味です
    『三国志』の張飛に似た顔とされているので、本来ちょっとぷっくりしてひげもじゃもじゃなんですが、あまりの人気の高さにちょっとずつ美男子になっていきましたw

    そして得物は槍で元禁軍の師範、梁山泊でも屈指の使い手というところはほぼオリジナル通りです

    また、梁山泊に加わるまでの流れもほぼ一緒で、友だちだと思ってた人に裏切られまくっていてかなり性格がひねくれちゃったのも一緒です
    奥さんが自殺しちゃうのも、騎馬隊の指揮官として常に第一線で活躍し続けるところもオリジナル通りです

    つまりオリジナル『水滸伝』には珍しくかなり出来上がっていたキャラクターといえますね

    『北方水滸伝』では影のある漢でいちいちかっこいいんですが、オリジナルでもかなり上位のかっこよさでした

    • ひまわりめろんさん
      ♪~(´ε` )
      ♪~(´ε` )
      2023/11/04
    • kuma0504さん
      真面目なんで、林冲好きなんです。
      最期も「せめて最後くらいは女を助けた男にさせてくれ」なんて、ちょっと一生に一回くらいは言ってみたい。
      真面目なんで、林冲好きなんです。
      最期も「せめて最後くらいは女を助けた男にさせてくれ」なんて、ちょっと一生に一回くらいは言ってみたい。
      2023/11/06
    • ひまわりめろんさん
      そして私が好きなのは同じくツンデレの公孫勝です
      最後の最後まで林冲を罵倒し、ただ一筋の涙を流し酒壺を抱えたまま眠る公孫勝にこそ漢を感じるひね...
      そして私が好きなのは同じくツンデレの公孫勝です
      最後の最後まで林冲を罵倒し、ただ一筋の涙を流し酒壺を抱えたまま眠る公孫勝にこそ漢を感じるひねくれ者なのです
      2023/11/06
  • もう新シリーズ?と思ってしまいそうになる楊令のいきなりの存在感が半端なく凄いなと思っていたら…唖然呆然、衝撃のラストへの伏線に過ぎなかった。

  • 林冲死す。扈三娘を守って死ぬことでちょうらんを守れなかった自分にけりをつけることができたのだと思う。彼の壮絶な過去を思い返して涙。そして呉用の部屋で酔って眠る公孫勝の目から出た一筋の涙でまた涙。もうこの二人の言い合いが見られないのかと思うと悲しくて堪らない。
    私が林冲に惹かれたのは、やはり幼い楊令を訓練で打ち据えたあとに、かたく抱きしめている姿を秦明の目を通して目撃したときだった。林冲、ほんとかっこよかったし梁山泊の希望だったなぁ。でもその希望は確実に、成長した楊令に受け継がれている。
    さて、いよいよ最終巻。どんな幕引きが待っているのか。絶対泣いちゃうだろうな。

  • 茫然自失。死戦という言葉がふさわしすぎる18巻。
    巻頭の死者の書き方も変わった。戦ももう終わりか。

    楊令と再会した郭盛と同期して泣いちゃった。楊令を守りたいから戦に出たくないと思ってたのに、大きくなって自分より強くなった楊令を見たら嬉しくて泣いちゃうよ。

    毒蛇で死ぬなんてことある?丁徳孫。命令が全てとは思わないけど……これが彼の天命か。

    二竜山。
    死ぬ人にも生きる人にも空は平等に青い、けれど私の足元は濡れているみたい。
    山に残る父を助けられるかもしれない希望、戦いの才能を持つ人物を迎えいれる希望、華々しく散るという希望、大好きな人の下で戦って死ぬという希望、二竜山そのものが、希望。強く望んでも全てが叶うことはないと分かっていた。それでも叶えられるよう全力を尽くすのが絆で愛だ。
    大好きな人たちが本当にたくさんいたの、二竜山には。死んでほしくなかったの。架空の人物だと笑われても私は豪傑たちのために涙を流したい。

    秦明は怒鳴っても、ほんとうはやさしい。本当にその通り。楊令と郝きん(漢字がなかった!)の活躍のおかげで、悲しみだけじゃなくて未来への楽しみが増えて嬉しかった。楊春が楊令を認めて指揮させたことの大きさ。
    ただ、二竜山を出て活躍した楊令、郝きん、解宝、楊春を育てた父親たちは、全員二竜山に残って死んだのよね。息子が自分の志を引き継いでくれることを確信して死んでいった。生きることは戦って死ぬことだけじゃない。夢を託すのも生きることなんだと思うとまた涙が溢れる。

    敵ながらも童貫がとても好き!初めは最後に控えているラスボスの鬼!くらいにしか思ってなかったけど、恐怖や自分の弱さを感じながらも自分の戦を見失わないかっこいい人!この人もまた豪傑。でも違うのは志の有無ってだけかな。童貫はただただ自分のために戦う。それがまた彼を強くさせる。

    林冲がここで死ぬなんて思わなかった。びっくりした。郁保四も最期まで一緒に居てくれてよかった。
    祝家荘の戦いでは扈三娘を叩きつけて死なせかけたのに、今度は助けて死ぬだなんて。この二人も縁深かったんだな。張瀾を助けられなかった林冲の「生涯に一度ぐらい、女を助けた男になりたい」という言葉が彼の全て。そして自分よりも強くなる楊令を見つけた安心と自分への不安。全てが合わさって彼を死に向けた。
    悲しいけど、それ以上に憧憬の念を彼に抱いている。こんなに胸を震わせてくれる漢を林冲以外に私は知らない。
    酒甕を抱えて眠る公孫勝を見ることもこれからはないだろう。

    阿骨打の話も、楊令が林冲を引き継ぐのも、未来に目を向けざるを得ない。次は最終巻。どうなるか見当がつかないけど、夢も志も未来も梁山泊にはある!

    解説コーナー
    夢枕獏の北方謙三へのラブレター、という名の釣りの誘い。可愛い。ちょっと心がホッとなった。

  • 盧達を看取った楊令が子午山を降りて梁山泊に加入。
    同志たちとのふれあいや戦いの中でその才能を開花させていく。
    梁山泊と禁軍の全面対決は激しさを増し、童貫はギリギリの攻防を楽しみながら軍人の魂を奮い立たせる。
    趙安軍に包囲された二竜山が陥され、秦明らが運命を共にする。
    そしてついに林仲が扈三娘を救い愛馬・百里風と共に戦場に散る!
    「女の命も救えない男に、俺をしないでくれ」という林仲の言葉。強さの裏で消えることのない亡き妻への想いが溢れてくる。どこまでもかっこよく人間味のある男だ。
    そして黒騎兵は楊令に受け継がれ童貫との最終決戦に突入していく。

  • ついに来るところまで来たというか。最終盤に至り、もはや待ったなし。と言いながらもなんか地味目のキャラが活躍するので、やや物足りない感があった中での楊令さんである。正直に言えばチート感もあり、気は優しくて力持ち、いわゆるヒーローである。しかしもう9回の裏まで来ていて、ここから持ち直せるのか。
    なんにせよ、しばらくの間はじっと我慢な展開だったので、ここは盛り上げていってほしいわけですよ。

  • 4.4

    楊令、とにかく楊令。子午山でのハイライトを知っている読者でさえも「本当にあの楊令なのか」と思う。そりゃ宋江も涙するわけだ。

    そして林冲。この大群像劇の中でも1巻から主人公級の輝きを放っていた男。公孫勝が言うように、楊令が来たことに焦りと安心を感じて死に場所を選んだんだ。もしかしたらこの部隊を指揮するのは楊令だと分かっていたのかもしれない。

    生きている王進のほか、死んだ楊志、秦明、林冲というそれぞれの英傑からそれぞれの愛情を受けて育った次世代の主人公、楊令。その重圧は宋江にも引けを取らないほどだろうけど、俺たちの希望を乗せて、雷光と共に駆け抜けてくれ。震わせてくれ、俺らの心を…!

  • 林冲が死んであの公孫勝が酔って泣きながら寝るというだけでもう無理…。
    これ以上のクライマックスがあるのか…まだあと1巻あるのが信じられないまだまだ死ぬんだろうなあ。

  • とにかく、全体的に渡って涙がポロポロ出てくる巻でした。(私が涙もろいだけなのですが)
    楊令が梁山泊に入山するシーンで、郭盛が大きくなった楊令に会えて、しかも自分よりもうんと強く成長した楊令に感動というか兄的な嬉しさが溢れたのだと思うのですが、そこで号泣してしまう郭盛が良いやつすぎてちょっと泣けました。
    そして、林冲がこさんじょうを守って死んでいく場面には涙が止まらないというか、涙を流さずにちゃんと読もうと思って堪えても、涙で字がぼやけて読めないというくらい、感動しましたし、熱かったです。疲れた、という林冲の一言になんというかこれまでの林冲の思いがすごく詰まっている気がして震えました。
    それにしても楊令は大人びすぎです!ずっと子供のままでいる気がしてたのですが、遼で女の人を抱いた~の話をしているあたりは、軽く衝撃を受けました。

  • “負けたと思っている兵に、気を取り直させる時も必要だった。 負けた事が無い兵は、しばしば負けながら生き延びた兵より、どこか脆いところもある。 ”

    林冲の騎馬隊を楊令が引き継いで、物語と、戦いは、いよいよクライマックスへ!

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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