虹の彼方 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (680ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463149

感想・レビュー・書評

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  • 別に不倫を美化するわけでもないし、肯定する気もないが、本作における志摩子と正臣の、常識や世間体に対して真っ向から抗う「本気」の姿勢には、或る種の潔さが窺え、四十路を過ぎて尚、まるで10代の若者みたいにストレートな気持ちで人を愛せるふたりがとても羨ましく思えた。彼らのベクトルが、死を選ぶといったネガティヴなものではなく、ポジティヴな生のパワーに満ち溢れていたのが特長的で、それを象徴するかのようなラストシーンは印象深い

    密かな関係が段々と露わになり、やがてお互いの家庭へと波及していく様子はとても生々しい。志摩子の存在に惹かれ溺れる正臣の言動が実にリアルで、小池真理子が男のサガを描ける数少ない作家であることを改めて実感させた

  • テーマは不倫というありきたりかもしれないけれど、真理子さんの何とも言えない比喩表現がふんだんに使われていてとても読み応えがある作品でした。
    今この瞬間の持続さえあれば、それでよかった。
    が、追い詰められていることの表れすぎてとても苦しくなった。

  • おもしろかった。ただ、わざわざ逃げなくても、これだけ想いあっているのなら、もう少しスマートな方法でいっしょにいられたのでは。と思ったり。どれだけの困難があってもいっしょにいると決まっているのなら、さいしょからそうした方が良かったのでは。逃げる事を納得できる理由が読んでいて見つからなかったかな。わたしだったらそうするな、と。

  • 読了後、しばらく抜けきらなかった…。

  • 覚悟を涼やかな調和と表しているのが印象的。色々な恋愛のカタチがあって仕方ないと思う。

  • 小池真理子さんの小説は読み応えがある
    不倫であっても主人公の味方になって行く末を応援したくなってしまう

  • こちらもただひたすらに肉体を求め合う話。ダラダラ長い感もある。

  • 恋愛で後先考えずに暴走できる人が羨ましくなる。
    最終的にどのように清算するのか興味津々であったが、そんな事はすっ飛ばされてしまった。
    途中で志摩子のお腹が痛くなり、「ガン?」「余命僅か?」なんて事も勝手に想像しました。
    それとちょっと男の方が情けないのが...。
    今の時代はこう言う設定の方がウケるのだろう。
    600頁を超える長編。
    柴田錬三郎賞受賞作。
    ちょっと自分には合わなかった。

  • 「無伴奏」「恋」「欲望」の3作品を読み、すっかり小池さんにはまってしまいました。
    読了した作品が少し古い時代の作品だったので、最近の作品が読みたくて不倫ものはあまり好きではないけど、読み始めた。
    女優と小説家の恋ということで、現実味がなくて、そこが逆にロマンス小説として美しい情景描写とともに楽しめたのだと思う。
    志摩子、正臣と交互にテンポよく視点も変わるのでぐいぐいと読み進められました。
    よくあるDV夫など出てこないし、お互いの配偶者は全く落ち度もない、だからこそ罪悪感に苛まれたり、馬鹿だと自覚しながら本気の恋に落ち、引き返せなくなっていく2人がいっそ潔いと感じる程だった。

  • こんなに長い話のわりに内容は薄い。
    正臣のどこがそんなにいいのかまったく分からなかった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

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