サムシングブルー (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468489

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  • 浅川梨香
    二十七歳。広告会社の事務員。

    智久
    梨香と二年付き合って別れた。マキの友達。

    由衣謙治
    梨香の高校の時の彼氏。東京で商社勤務。地元で英会話教室の講師。

    町田沙希
    梨香が高校三年生の時の同級生。クラスで一番仲が良かった。

    中谷
    広告会社の一年後輩の営業社員。梨香と一番歳が近い。

    マキ
    理科の会社で作っている情報誌で挿絵を描いているイラストレーター。梨香の九つ年上。

    野島和人
    沙希の高校の時の彼氏。実家の花屋で働いている。

    田原法子
    高校の時の体育祭の実行委員の一人だったクラスメイト。大手の証券会社に勤めている。

    渡部昇
    梨香が今も縁が切れてない高校の同級生。サッカー部の部長。謙治の親友。スポーツメーカーの営業マン。

    阿部芳信
    成績が学年トップで生徒会長もしていて、おまけにメガネ君で優等生の見本みたいな子だった。製薬会社の研究職。

    澤田繭子
    長身でくっきりした顔立ちの美人だった。モデル。

    絵梨
    梨香の五つ年下の妹。

    正彦
    梨香の弟。都内のハウスメーカーに勤めている。

    里美
    正彦の妻。家政科出身。

    愛ちゃん
    高校の時の梨香と同じクラスの友達。

  • 彼氏と別れた翌日に、高校時代の元彼謙治と元親友沙希ちゃんからの結婚式の招待状が届く、という最悪な状況から物語は始まる。
    元彼に執着していたわけでもないのになんとなくショックを受けつつ、何に対してショックを受けているのか理解しきれていない梨香。
    高校の体育祭で青春を過ごした実行委員のメンバーに招待状が届いたことから、実行委員でプレゼントを準備することをきっかけに、過去と向き合い始めていく。

    ストーリー自体は難しくなく、スムーズに読むことができる。
    物語は”10年”という単位がポイントになっているように思える。特に、年の差の恋愛に関する記載にハッとさせられた。
    梨香の職場の後輩中谷くんは、10個上の梨香の友達マキちゃんに恋心を抱く。年なんて関係ないと励ます梨香だが、それは10年間をマキちゃんなりに歩んできたことを否定するようだ、と言う。たしかに、と思った。お互いに好意を持つことと、年の差があることは全く別の話で、お互いがお互いの人生を歩んできた結果、年の差がある状態で道が交わっただけなのだろうなと感じた。

    また謙治、沙希ちゃん、さらに直近の元彼智久のセリフがあまりないこと、昇くんや阿部くんとも最終的に恋愛感情が多く語られず、物語としてもいわゆる”蛇足”にならなかったのも良かった。梨香は梨香として、自分で過去に向き合って生きていこうとしている様子が伝わった。

    私自身、なかったことにしたい過去もある。でもその過去でも確かに私は一生懸命生きていて、その自分を否定するのは自分にとって失礼だ。過去に向き合って、そして今の自分、未来の自分のために日々過ごそうと思えた.

  • とても読みやすかったです。

    共感するかどうかは別として、感情移入はしやすかったと個人的には思いました。
    悩みを明るくまとめてくれるようなきっかけが欲しかったのでよかったです。

  • 友達の恋バナ聞いてるくらいの軽い気持ちで読めるので、息抜きにちょうど良いです。
    元カレと元?友達が結婚するのってそんなにショックなものなのか、私にはわかりませんでした。

  • 背中を優しく押されるようなお話で、とても好きです。

  • なんとなく一つ一つの描写が長いような。飽きつつも読み終えました。
    過去も今も未来も私は私というメッセージだけ。ちょっと薄っぺらく感じてしまった割に泣けました。

  • 恋人と別れた翌日に、高校の頃の彼氏と親友の結婚式の招待状が届くお話

    何か障害や問題があったわけでもなく、ただ二人でいることが不自然になってきた恋人たち
    もう彼が自宅に来ることはなくなったのに、彼にまつわるアイテムがいくつか残っている部屋
    その中に届いた結婚式の招待状
    梨香は過去の苦い思い出である彼と、不義理で会っていない親友が付き合っていた事を知らなかった

    招待されたのは体育祭の実行委員だった面々で、皆で結婚祝いを贈ろうという話が進むが、梨香の気持ちは優れず……

    梨香の中で起こる感情は何に起因するものなのか?
    今の恋人と別れた事か、高校の頃の彼への執着か、親友への不信感か


    だめだ、登場人物のどいつもこいつも好きになれない
    ま、梨香のフィルタがかかった状態であるからこそなのかもしれないけど、誰に対しても不快感を感じる部分がある

    謙二は梨香が妄想してたみたいに、当時から沙希への気持ちがあったように思えるし
    そもそも恋人を誰かと比べるのはなしじゃないかな

    沙希に関しては人となりがよくわからないけど、いくら高校のときに親友だったからって没交渉だった相手にいきなり結婚式の招待状送るか?
    まずは別途知らせて出席の確認をしてから招待状を送るのが常識じゃね?
    ま、この辺は本文でもツッコミ入れてるけどさ

    そもそも、元カレ元カノを結婚式に呼ぶか?
    別れた後も良き友人関係が続いているのなら無きにしもあらずだけど、前述の通り二人とも没交渉で付き合ってる事すら知らせてなかったのにってのはないわー

    昇に関しては悪い感情はないけど、若干の打算的なところを感じるしなぁ
    ってか、最後の展開が昇かわいそう
    なのに同情心が沸かないのもそこが原因なんだろうなぁ

    野島の無神経さに関しては結婚する二人と同じようなものを感じる


    梨香に関しては最も共感できない
    どっちの元恋人も自分の気持ちで別れたのにグチグチと思い悩んでいて悲劇のヒロイン気取りかよと思ってしまう

    僕向けの恋愛小説ではなかったかな

  • 再読

  • 結婚を意識していた彼氏と別れた翌日に、元彼と元親友からの結婚式の招待状が届く。

    なかなか凹む状況だけど、なんとか持ちこたえようとする様子が痛々しい。
    色々頑張ろうとしてるけど、なんかイライラしながら読んでしまった。
    最後まで読んで、無理に無かった事にしようとしたり、丸ごと忘れようとしてる姿が気に入らなかったのかもしれません。
    前向きさが感じられなかったというか。

    少しずつ分かる当時の状況も、大きく予想を外れる事もなく、割とありふれた付き合いと別れで、こんなに拘るものかな?もっと痛々しい出来事が実はあったのではと勘ぐったりもしたけど、その普通さが誰しもが共感出来るポイントなのかなと思ったり。
    そういう大げさなネタが無くても読ませるところがすごいのかな。

    マキちゃんと中谷君がどうなったのが気になる。

  • ナツイチ。壁

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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