サムシングブルー (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468489

感想・レビュー・書評

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  •  想像していた内容と違い、主人公に感情移入できるか心配だったが、最後には満足できた。理解できなくても良いのだが、他人事ならありえないと思うことも、いざ自分の身に起きると判断力を失い意味不明な行動を取ることもあるよな、と納得。元彼はともかくなぜ親友といきなり疎遠に?と疑問だったが、些細な言葉やその日の気分・心理状態に影響されるのが人間関係だと思う。こんなに落ち込むことだろうか、と余計に悩んでしまうのは大いに共感。感情をありのまま受け入れる、って大事。
     久しぶりにグレープフルーツを食べたくなった。

  • アラサー女性ならヒリヒリするんじゃないか。。
    昔の彼氏と昔の元親友の結婚のニュース。
    その恋自体には未練はないけど、なんだかうまく表されない気持ちのモヤモヤが。
    しかも自分は前日に彼氏と別れている。

    悲しみには底があって、それを越えるとなんだかふっきれる。

    所々にあーわかるわーって言うのが。
    女性ならどっかに共感すると思う。
    複雑な気持ちの揺れ動きは描かれてるけど、最後はうまく落ち着かせた。
    完全なハッピーエンドではないかもしれないけど、未来に向けて、でハッピーエンドなのだろう。

  • 普通の人たちの普通を、普通に描いてるだけなのに。人間観察がすごい。

  • 彼氏と別れた翌日に、高校時代の元彼謙治と元親友沙希ちゃんからの結婚式の招待状が届く、という最悪な状況から物語は始まる。
    元彼に執着していたわけでもないのになんとなくショックを受けつつ、何に対してショックを受けているのか理解しきれていない梨香。
    高校の体育祭で青春を過ごした実行委員のメンバーに招待状が届いたことから、実行委員でプレゼントを準備することをきっかけに、過去と向き合い始めていく。

    ストーリー自体は難しくなく、スムーズに読むことができる。
    物語は”10年”という単位がポイントになっているように思える。特に、年の差の恋愛に関する記載にハッとさせられた。
    梨香の職場の後輩中谷くんは、10個上の梨香の友達マキちゃんに恋心を抱く。年なんて関係ないと励ます梨香だが、それは10年間をマキちゃんなりに歩んできたことを否定するようだ、と言う。たしかに、と思った。お互いに好意を持つことと、年の差があることは全く別の話で、お互いがお互いの人生を歩んできた結果、年の差がある状態で道が交わっただけなのだろうなと感じた。

    また謙治、沙希ちゃん、さらに直近の元彼智久のセリフがあまりないこと、昇くんや阿部くんとも最終的に恋愛感情が多く語られず、物語としてもいわゆる”蛇足”にならなかったのも良かった。梨香は梨香として、自分で過去に向き合って生きていこうとしている様子が伝わった。

    私自身、なかったことにしたい過去もある。でもその過去でも確かに私は一生懸命生きていて、その自分を否定するのは自分にとって失礼だ。過去に向き合って、そして今の自分、未来の自分のために日々過ごそうと思えた.

  • とても読みやすかったです。

    共感するかどうかは別として、感情移入はしやすかったと個人的には思いました。
    悩みを明るくまとめてくれるようなきっかけが欲しかったのでよかったです。

  • 背中を優しく押されるようなお話で、とても好きです。

  • 描写が丁寧で、主人公の気持ちがすごく伝わってきた。
    読む時の自分の状況によって、感じ方が変わるんじゃないかなと思う。
    一気読みしやすい本でした。

  • 浅川梨花の高校時代の彼氏、由比謙治と高校時代の親友町田沙紀の結婚招待状が届きショックを受ける現在の梨花と、高校時代の過去の話が代わる代わる出てくる書き方が切なくて、はがゆかった
    。些細なことですれ違って別れただけで喧嘩別れなわけではなかったからこそ、過去を思い出して悲しくなったり虚しくなる梨花の気持ちがわかったし、疎遠になってたのは自分だけなのかと思い詰めるのもわかるなぁ。
    最後の、高校時代のリレーのシーンがみんなが一生懸命で、みんなが応援して、みんなで頑張って、みんなで笑って、、、青春っていいなとうるっときた。
    飛鳥井さんの描写はいつも綺麗で繊細で優しくて、思いやる気持ちが暖かかくて好き。

  • 飛鳥井千砂さんの本を読んで、これも読みたかったんだ。
    偶然入手。
    面白い。けど、若いなぁ。

  • 結婚を意識してた恋人と別れ、追い討ちのように元彼と親友の結婚式の招待状が届き、どん底の主人公のお話。
    何に悩んでいるのか、落ち込んでいるのか、よくわからずもがいてもがいて前を向く主人公にきっと同年代の主人公なら共感するだろうなって思いました。話の予測はつきやすいけど、でも一気に読み進められるそんなお話でした。

著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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