なつのひかり (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 4086
感想 : 323
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087470482

感想・レビュー・書評

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  • 学生の頃、江國香織が好きでよく読んでいた
    久しぶりに読んだらファンタジー要素が強い作品だった

    夏の終わりにうとうとしながら読むにはちょうどいい

  • 読んでいると雲のなかを歩いたみたいな気持ちになった ここは雲のなかだ、とははっきりと分かるのに私がいつどうやってここにきたのか なぜ雲のなかにいるのか 重要なことはほとんど分からないままただ雲のなかに包まれている そういう気持ちになる小説だった

  • 10年くらい前、飛行機の中でこの本を読んでいた。
    機内食のパンにつけるバターを使わなかったので、せっかくだからと鞄にしまって。
    着陸するときに、読みさしのこの本を鞄にしまって。
    気づいたときには、本にバターが溶けていて、バターの香りになった本は読まれることなくクローゼットにしまわれた。
    今年の夏、ふと思い出してクローゼットの奥から取り出してみた。
    匂いを嗅いでみた。バターの香りは消えていた。

  • 夏の昼寝でみた夢みたいな小説。心地いい夢だった。

  • モヤモヤモヤモヤ…
    ファンタジーは好きだが、登場人物が嫌い。
    自己中で罪悪感のない感じがまったく受け付けない。
    江國香織が合わないんだろうな。

  • 「いつだってそうだ。現実というのはうけいれる他につきあいようがない。(本文より抜粋) 」__とても現実とは思えないような世界観で、遠ざかったはずの心がはっと引き戻されます。男と女あるいは人と人であるかぎりは、私たちはどうしたって他人だから、しばしば想像していなかったような別れとか寂しさに見舞われる。ほんのり感じる別れの気配とか、本能的に"自分とこの人は違う"と気付く寂しさとか… もちろん極めて健全なことだと思う。ただ、それに対して人間らしさとか男女らしさとか、極端に言えば生を感じてしまう。だって愛も恋も感覚的なものだ。感覚的な、言葉にできないような感情が、後半になってたたみかけるように言葉にされていく。幻想的な始まりから現実的な中盤、そして入り混じってしまう終盤… 波のような揺れにラストはハイペースで進んでいく、それも解決も答えもないままに終わる。解説さえも想像のところでしかないので、しっかり結末とか解決とかが欲しい人にはお勧めできません。一種の謎解きみたいなところにぞっとしてしまうような感覚をお求めであれば、日をまたがず読むことをお勧めします。

  • ウェイトレスとバーの歌手というふたつのアルバイトをしている、来週二十一歳になる栞の出会う、現実と奇妙さが混ざったシュールで蜃気楼みたいな出来事や人物たちが不思議で幻想的。隣の男の子のやどかりが脱走し、兄の幸裕は裕幸に変わり、キャラメルの箱が電話になる。海で洗われたくすんだ硝子片みたいだった。

  • 遙子さんが好き。
    遙子さんを表現した描写が好き。

  • 江國さんの作品の中ではおそらく一番好きです。
    なつにふさわしい不思議とミステリーと哀しさでした。

  • 夏休みに歩いた道の眩しさ、夕方の懐かしい風、マンションの外階段の日陰でお菓子を食べた時の涼しさ、夏の特別が全部詰まってる大大大好きな本。内容も寓話的で読み手側が色々な解釈をする余白があって好き。逆に起承転結がハッキリした本が好きな人にはつまらないだろうな。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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