パワー・オフ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087470789

作品紹介・あらすじ

高校の実習の授業中、コンピュータ制御されたドリルの刃が生徒の掌を貫いた。モニター画面には、「おきのどくさま…」というメッセージが表示されていた。次々と事件を起こすこの新型ウィルスをめぐって、プログラマ、人工生命研究者、パソコン通信の事務局スタッフなど、さまざまな人びとが動き始める。進化する人工生命をめぐる「今」を描く。

感想・レビュー・書評

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  • かなりチマチマと読んでしまい時間がかかってしまった。
    30年前に書かれた作品だとか。
    パソコン知識が余り無い私は、その凄さがイマイチ分かりにくかったのが残念…

  • やっぱり井上夢人さんは筆力がある。
    序盤20ページほどで既に物語に引きずり込まれ、そこからはノンストップで、スピード感が半端ない。
    小刻みな視点の変化が中弛みを防いでいるのかもしれない。

    内容はミステリーとしては面白いわけではないが、それは井上さん自身が"元岡嶋二人"の看板を下ろしたかったそうなので当然と言うこともでき、これはミステリーではなくSF要素が入ったサスペンスと呼ぶべきだろう。

    機械オンチで人工生命など聞いたこともなかったが、それでも十分楽しめた。
    例などを用いて分かりやすく説明してくれるのがありがたい。

  • 高校の自習の授業中にドリルの刃が生徒の手を貫いた。
    板金加工機械をコンピューターで制御する授業をしてた時、突然止まった機械を直すために色々と調べていた生徒がドリルの下に手を誤って置いたのだった。
    しかし、パソコンの画面には「おきのどくさま・・・」の表示がされていた・・・。
    コンピューター・ウィルスに感染していたのだ。

    インターネットを通じてウィルスがばら撒かれた可能性がある。
    パソコン通信の会社のJAM−NET事務局。ここのZAKCのソフトの感染が原因なのか?
    この新型ウィルスは、あるソフト会社がワクチンソフトを発表したがあまりにも期間が短すぎる。
    疑いを持つ通信会社のスタッフ。
    このソフト会社には、一人のプログラマーが居て彼が作り上げたのだった。しかし彼は、罪悪感にさいなまれてワクチンソフトの発売の時に無料ソフトを作り上げて匿名でワクチンの入ったソフトをメールに出す。

    いったん収まったウィルスだったが、再びインターネットを使って猛威を振るう。同じように見えたのだが、インターネットを使うほとんどののパソコンが被害を受ける。

    この新型ウィルスを巡りプログラマー、人工生命研究所者、パソコン通信社のスタッフなどが動き始める。

    コンピューター・ウィルスに翻弄される人々。
    人々がたどりついた結末とは?
    進化する人工生命を書いた作品です。

    井上夢人が奇をてらわずに書いた作品です。(ん〜珍しい〜)
    出版当初は、タイムリーな内容だったのでは?
    文庫化してから読むとちょっと古いのかな?と感じます。
    でも、そこは井上さんですからとっても面白かったです。
    パソコンに弱い人でも読める作品になってます。(例えば俺)
    コンピューター・ウィルスをちょと知りたいな〜と思う人は読んでみるといいかもです

  • 2021.5/23〜6/5。

  • 命、なんなんだろうなぁ。
    突き詰めるとなんだかよくわからなくなります。

  • システムについての解説が多く、合わなかった

  • 90年代に書かれたものとしては出色の出来。
    今まさにALはリアルに存在している。
    そのスピード感は凄い。
    ただし、ストーリーにもうひとひねりあれば良かった。

  • この探偵がどうも好きになれない

  • この手の最新技術者はすぐに陳腐化するけど、この作品は10年以上前なのに今でも十分通用する。専門的な記述も正確(僕がわかっている範囲では)。面白い。

  • おもしろかった

    コンピューターウィルスが生物になる?ような話しで、フロッピーディスクやパソコン通信など、ちょっと時代背景は古いが、今の時代に置き換えても十分通用すると思う。
    今後、そんなウィルスが出てくるんじゃないかと思えた。

    ウィルスがアプリを改良するという発想は新鮮だった。

  • 生命体として繁殖し次世代を産み進化するプログラム、ってこれだけ書くと夢があるけれど、ちょっと間違えるとこんなに怖いことになるのか、と……。井上節炸裂。

  • ちょと古いが、ありがちな題材だが、なかなか楽しかった!

  • 初めて読んだのが高校生のとき。
    いま読んでもこの世界はたいして進んでないなぁと感じる。

  • 日本版の「未来二つの顔」というところでしょうか。人工生命体については今はまだまだ進化している、イヤ進歩しているだろうから、今から描くとまた違った話になりそうだけど、知らないだけでどこかにいるような気がしないでもない。で、人工生命体だと思ったら、ダダー(天冥の標)だったりして。

  •  
    サイバテロな話
     
    1994年掲載の作品
    だけに
    古臭い感じもする

    20年近く経ち
    ITの
    進化、普及が著しく変化
    した今でも
    結局、まー
    根っこはそんな変わんねーな、と。
    むしろ
    脅威は増したのかも。
     
    システム
    プラグラム


    進化
     
    智之さんのおかげで
    くどいほど
    教えてもらえる。
     

    さーこれから

    思ったあたりは
    残ページ数わずか地点。
    そっからラストまでは
    スカされっぱなし。
    伏線かと思えるエピも人物も
    ほったらかしで
    なんだか急にほのぼのと終息。
    ある意味、予想通りというか
    またこれかよ的に
    放り出されてしまう。
     
     
    読後はまたもや
    えーーーーっ だ。コンチキショウ。
     
     
    ★★★☆☆ お後はご自由にどうぞ

  • 1990年代のコンピュータやネットワークに対する認識ってこんなもんだったっけ?
    今読むと違和感ありまくりだなぁ

  • コンピュータ・ウイルスの話。突然変異型とか人口生命とかって、かなり怖い。
    コンピュータが理解できる人にはおもしろいと思う。

  • 大好きなサイバテロもの。
    「生命体とコンピュータウイルスの共通点」という考えは森博嗣に似ていると思う。

  • ●あらすじ●
    高校の実習の授業中、コンピュータ制御されたドリルの刃が生徒の掌を貫いた。モニター画面には、「おきのどくさま…」というメッセージが表示されていた。次々と事件を起こすこの新型ウィルスをめぐって、プログラマ、人工生命研究者、パソコン通信の事務局スタッフなど、さまざまな人びとが動き始める。進化する人工生命をめぐる「今」を描く。

  • 約十五年前のコンピュータ事情はもちろん、今でもそっち方面にはかなり疎い私ですが、それでもサクサク読めました。もしかすると、書かれている内容と私が想像しているものには、大きな隔たりがあるのかも知れませんが、それはそれ、楽しめたので勝手に良しとします。ただ、刊行当時に読むのと、いま読むのとでは、感想が全く違ってくることは確かだと思います。

  • 登場人物が多いです。
    そして最初の高校生は、最後の出てきて終了ですw

    ちょっと邪魔するだけの被害のないウイルス。
    それを作って、ワクチンを売り出すだけで大儲け! という案に
    知らずに担ぎ出された新入社員。
    一方別の会社で制作中だった、己で成長していくパソコン機能。
    それがウイルスを取りこんでしまった事によって
    ウイルスもどんどんと成長していく。

    たくさんの人達の希望や欲望や絶望が
    巡って混ざって、しっぺ返しを食らって…。
    あの社長だけは、確実に良かった、と思います。
    あれで逃げ切っていたら、ものすごく納得いかない最後だったかとw

  • 私自身がパソコンのシステムだとか
    プラグラムダとかいうものにとんと無知なので、
    ぜんぜん理解できなかったけど、
    わかる人にはものすごく面白いんだと思う。

    わからなくても何だかドキドキハラハラする感覚だけはあって、
    それがあったから読みきることができた気がするので。

    でも、10年以上も前にこんな話書いてる作者って、
    やっぱりスゴイ。

    この人のほかのミステリ作品、
    嫌いじゃないんですよね。

    今回はちょっと、
    お手上げだったけど。

    ☆☆ ホシ2.5つ

  • SF。人口知能<α>に強力だが無害のコンピュータウイルスが感染し、<α>は自己増殖と能力の取り込みを繰り返して進化していく。

    ありがちといえばありがちだが、思わず手に汗握る展開で非常に面白かった。

  • コンピュータウィルスを扱った作品だが、この作品が書かれた当時にこれだけの内容を書いた先見の明に敬意を表したい

  • “国産のハッカー小説の代表作”(エキサイトブックス)だそうです。

  • 7/24

  • 再読。15年前にこの作品を描けるという著者のコンピュータに対する先見性には目を見張るものがある。現在となっては、ラストで提示されるウィルスのイメージも使い古されてしまった感がある。当時であればコンピュータ・ウイルスや人工生命の入門書として良かったと思う。物語としては盛り上がりに欠けていて、やや平板。

  • 10年以上も前にこんな内容を書けるなんてスゴイな〜と思います。
    ウイルスの話と思いきや、最後は人工知能の話まで広がり、面白さはダントツ。
    こんな世界がくると面白いな〜。

  • 高校の実習の授業中、コンピュータ制御されたドリルの刃が生徒の掌を貫いた。モニター画面には、「おきのどくさま…」というメッセージが表示されていた。次々と事件を起こすこの新型ウィルスをめぐって、プログラマ、人工生命研究者、パソコン通信の事務局スタッフなど、さまざまな人びとが動き始める。進化する人工生命をめぐる「今」を描く――――――井上さんの作品なのでコンピューターに弱い自分でも内容は分りました。巨大な怪物が誕生するまでって感じでした。なのでラストが締まってないよ。

  • 2001年読了

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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