これが「週刊こどもニュース」だ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472448

作品紹介・あらすじ

「全てのニュースはこどもにわかる」。今や人気番組となったNHK「週刊こどもニュース」のスタッフである著者が、ニュースの選択から伝達まで実例を挙げて楽しく語る裏話。政治、金融、世界情勢など込み入った話題をこどもにも充分に判るようにするための努力と苦労。基本の基本にまで遡ることで、大人にとっても新たな発見ができる。すらすら読めて、なるほどと納得。家族みんなで楽しめる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 子供に自分で考えさせる。ここがポイントだろう。

  • 考える力は子供の頃から身につけなくてはならない。

  • 「週刊こどもニュース」に携わってきた著者の奮闘記ではある。

    ただし、改めて解説を繰り返しているような印象もあり、
    ニュースの文法から著者が抜け出しきれていない、
    つまり、様々な事象について目配りをするあまり
    本全体を通しての流れが弱くなっている。

    世界各地で起こる、日常に見えている世界とは
    また別の出来事を、自分の理解におくためには
    それなりの努力が必要であり、
    自分の頭で考えることが大事なんだという彼の主張は
    別にいいのだけれど、それをさらに噛み砕くことが
    この本の中では行われなかったように思う。

    ま、話の小ネタとしては面白いものも多かったです。

  • 流石に20年以上前の本であり内容の古さは否めないが、時代を問わず重要なことを教えてくれる本。
    子供は、大人の本音と建前などというものを理解してくれる存在ではない。素朴な疑問を持つ彼らに腹落ちする説明をできるよう腐心する筆者の苦労が伝わってくる。そのような説明を行えるということが、自分が真に理解できているということなのだと思う。
    子育てにおけるヒントも示唆してくれる本だ。子どもからの質問に逃げない。考えを聞いたら、なぜそう考えたか聞いてみる。そもそも聞く前に、自分ではどう思うか聞いてみる。そのような姿勢が、自ら考えることのできる子どもを育てていくのだと思った。

  • 身近な例やよく出てくるニュースを取り上げているのでとても読みやすい。私は1日で読み終わった。この本を読むことで、身の回りのことを色々と学ぼうというきっかけになりそう。

  • 自分がニュースに疎いので、こども向けの解説があるなら分かりやすそうだなと思って読んでみました。

    池上さんが「週刊こどもニュース」で子供にニュースをわかりやすく伝えるために工夫したことがたくさん書いてあって、面白かったのですが、文字で読むとやっぱり難しいので。実際に番組を観てみたかったと思いました。

    子供に分かってもらえなかった失敗談も貴重なエピソードですね。

    大人が子供とちゃんと向き合って、子供の立場で考えて伝えることが必要だと分かりました。自分で考えさせることも重要。そしてそれをやってこなかったから、常識のない・自分の考えを持てない子供が増えたのでしょう。私も自分自身で考える癖がなかったので、今苦労してます^^;

  • 純粋でシンプルな質問ほど核心をつく!

    子どもに難しいニュースを伝える苦労
    ストレートな質問から気づかされる視点

    ただ理解してもらうだけでなく、将来の期待を込めた、素晴らしいニュース番組。

    その舞台裏と狙いが勉強になる。

    "伝える" 喜びより、
    "伝わった" 喜びのほうが格別。

  • わかりやすく伝える工夫やそれにまつわるエピソードが面白い。テーマも教養を身につけられる有用な内容になっている。

  • 「いい質問ですね」などの言葉とともに池上彰さんがブレイクした頃、池上さんを紹介する枕詞として「NHK週刊こどもニュースのお父さん役でお馴染みの」といふフレイズが多用されてゐました。しかしわたくしはその番組を知らなかつたので、何となく疎外感を抱いたものであります。
    で、後で知つてみると、「ああ観たかつた喃」と思ひましたので、せめて書籍でその概要をつかんでをきませう。

    番組誕生のそもそものきつかけは、視聴者からの要望だつたさうです。ニュース番組は多々あれど、こども向けのものが皆無である。是非作つてちよ。それで「家族が茶の間で一週間のニュースを振り返りながら会話する」といふ概念のもと、番組はスタアトしたと。

    こども向けといつても、ニュース自体は大人と同じものであります。それをこどもに如何に理解してもらふかに心を砕くスタッフ。言葉を易しく言ひ換へるだけではなくて、そのニュースの背景を理解してもらはなければいけません。
    しかし一般的な大人は、そもそもさういふニュースを理解してゐるのでせうか。池上さんはジャアナリストですので、自分は当然知つてゐる事柄を、周知のことであると思ひがちであるさうです。ところが、自分の常識が世間では知られてゐない事が多いと述べてゐます。何となく我々一般人が莫迦にされてゐるやうな気もしますが。

    そしてニュースを解説する際に、「正解」を押し付けない。世の中には様々な考へ、主義主張、宗教などがあり、賛同するかは別としてさういふ世界がある事を理解してもらふ。ゴルゴ13も言つてゐたではないか。自国の「正義」を振りかざす某大国の人間に、「それはお前たちだけの正義」ぢやないのかと。

    最終的には、こどもたちが自分の五感で得た事象を自分で判断する力を有する事ができれば言ふことなしでせう。結局、ニュースはひとつの(ふたつでもみつつでも良いが)事実を述べたもの。そこから何を読み解くか、人や世間の意見に惑はされずに如何に判断し、どう行動するのか。考へてみればさういふ事が出来る大人も一握りのやうな気がします。無論わたくしなんぞは大勢に流されふはふはと情けなく漂ふ、ただ生きてゐる年数だけ多いおつさんに過ぎません。

    池上彰さんは、こども向けにニュースを解説しながら、世の大人たちを

  • 週刊こどもニュースを通じて池上彰が感じたことが半分、週刊こどもニュースの内容が半分といった内容の本
    週刊こどもニュースの何がすばらしいかというと、時事問題や社会の仕組みなどについて、小学校5年生にも分かる程度に内容を噛み砕き丁寧に説明していた点にあるだろう。

    自分としても、よくわかっていなかった点や思い込みで考えていた部分が、このような本で解消するできた点は良かった。
    「正しい知識」について、思い込みだけで判断することなく、きちんと身につけていかなければ、と思うばかりである。

    【特になるほどな点】
    ・たった一つの事件で、全体を決めつけないこと。これは、とっても大事な視点だと思います。(P214)
    ・むずかしく言うことは簡単だが、わかりやすく言うことは難しい。(P239)
    ・何事にも興味をもち、自分の頭で考える習慣を身につけると、ごく自然のこととして、他人とは違う考え方をするようになります。(P248)

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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