- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087472707
感想・レビュー・書評
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これこそ最大の屈辱。こんなにも手酷い扱いを受けた主人公は類稀。上巻からして、下巻に期待が高まる。
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貧しい家に生まれるが法家を学び立身する事を夢見る范雎の物語。病気の友の妹の薬代を捻出する為に魏の文官須賀に仕えそのお供として斉国に行く。しかしそこで魏の秘密を漏洩したと嫌疑を受け宰相魏斉から笞打ちをうけ尚且つ厠へ落とされる屈辱にあう。范雎は逃げる為に行く先々で美しい女性たちに助けられる。
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宮城谷さんの中では随分ダイナミックな部分の多く、私の好みに会った作品です。
この作品で描かれる主人公の范雎と言う人は、自分の力を生かす為に敵国の宰相となり、また復讐の為に故国を圧迫する人間ですが、悪人ではありません。自分を助けてくれた人には十分すぎる礼をし、何においても公明正大で有ろうとしています。
ただ、そうした精神的な面が少なく、むしろ戦闘シーンの多さが宮城谷作品の中ではダイナミックさを感じさせる部分だと思います。
後半に白起というとんでもない(40万人の捕虜虐殺)常勝将軍が出てくるのですが、ある意味なかなか魅力的で、出番が少なかったのが残念です。
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春秋時代の秦の宰相・范雎(はんしょ)の生涯。宮城谷さんの語り口は、作品によって読みやすさ読みにくさが個人的にあるんだけど、これはとても読みやすい!范雎なりの哲学や思想、葛藤の推移が多く描かれていて、感情移入しやすく、あまり史実を知らなくてもすいすい読めた。表現とか、色々勉強になるなー。
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2016/7/21
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面白い!一気に読み終えました(^^)v
范雎の復讐劇で、色気もある。
ドラマにするとヒットするのでは?
「やられたらやり返す。倍返しだ!」なんてね。。。 -
秦がなぜ天下を統一できたのか、という疑問に答えてくれる。始皇帝が一気に天下を統一したわけではない。
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常に自分の頭上には天がある。それだけを考えて行けば良い。
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この作者得意の上品な文体でお話は進んでいく。
復讐劇なのだが、さわやかにまとまっているのは、さすが。
下巻に続く。 -
男らしい生きざま的な要素を他の宮城谷作品よりも感じますが、もっと言うと多少色っぽさも持ち合わせているように感じられました。