- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087473797
作品紹介・あらすじ
「恋」という魔物にとりつかれた女は、ときに、自分自身でも思いがけないことをしてしまう。七々子の場合がそうだった。好きになった彼にはすでに恋人がいた。あきらめきることができない七々子のとった行動は、彼の恋人、美咲に近づき、友達になることだった。嘘をつき、おとしいれ、そうまでして手に入れた恋。一途に思う心には偽りはなかったはず、だけど…。女心の深淵をえぐる恋愛長編。
感想・レビュー・書評
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あえて誰が悪いかをあげるなら主人公以外にありえないのですが、この時の主人公にはそれ以外の選択肢はなかったんだろうなあ。切ない。
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多分女子なら多少みんなわかるんじゃないだろうか。
理屈よりも直感信じちゃうからやっかいだ。
理屈なしで直感信じれちゃうからやっかいだ。
これが20代前半でよかったねと思う。
30手前じゃ痛いよ、と27の自分は思う。
やってることあんまり変わらないくせに。
大事にされないのは自分も大事にしてないから。誠実じゃないのは自分も誠実じゃないから。 -
好きになった人には彼女がいた。あきらめられない彼女は、彼の彼女と友達になって、陥れる…。女心の深淵をえぐる作品…恐ろしい。
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相手に自分の気持ちを伝えたくて苦しい想いをすることが共感できたから、七々子が相手にしてくれない駿(憧れの人)に我慢できずに、他の男と浮気するのが分かるような気がした。さすがに友だちの彼氏を奪うことまではできないけど…
それとも本気になってしまったら、できちゃうのかな;
いや、私はできないな。片思いでも伝えられないくらいチキンだから(笑) -
駿を巡って女性2人の奪い合い。
女心って怖いなとも思うし、
恋も怖いと思う。
でも結局嘘をついて恋人を引き裂いて自分のものにしてもそれは自分にまた返ってくるし、
心は満たされない。 -
恋に溺れている時はエゴの塊だよなーと思う。
自分の持っていないものに対する対する嫉妬、欲、見たくない己の醜い部分をこれだけ直視して自分に辟易している七々子は、ある意味素直でとても人間らしいなと思う。皆んな誰しも少なからず思い当たる感情が散りばめられているような気がして、苦々しく思いながら読んだ。
大切な恋が実らなかった時も「私がダメだったんだ」じゃなくて、単に縁がなかったんだな、と思えるようになると、尚人のようなありのままを受け入れてくれる人を大切に思えるようになるのではないかなと思います。経験は無駄じゃない。