たいのおかしら (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475517

作品紹介・あらすじ

虫歯治療用の笑気ガスがもたらした、とんでもない幻想。朝から晩まで台所の床に寝そべり続けて、親を泣かせた中学生時代。はじめて明かされる、たよりなく取り柄もないが憎めない男・父ヒロシの半生…。日常のなかで出会うトホホな出来事や懐かしい思い出がつまった、爆笑エッセイ。ある生理現象について、真摯な議論が交わされる、三谷幸喜さんとの巻末お楽しみ対談つき。

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりどうしたって面白い。
    ありふれた日常なのに、どうしてこう面白可笑しく書けちゃうんだろう。
    なんだか自分が悩んでいることなんてバカバカしく思えちゃうよ。
    人生楽しんだもん勝ちだよね。好きなことや興味のあることがあったらとりあえずやってみよう。失敗しても話のネタにもなるしね。このエッセイみたいに。
    どんな経験も心の中で磨けば自分の引き出しとして増えていく。
    そして"好き"を極めて、かつ努力ができる人って強い。
    "好き"がいっぱいあると、それだけで人生が楽しくより豊かになる。
    だから子どもの頃は、いっぱい"好き"探しをしたらいいと思う。
    本書で一番心に残ったのは、「二十歳になるあの日の、あの時間の感覚を、私は一生忘れない。」という一文。
    忘れたくない感覚ってある。あった。いっぱい。でも、こんなに細かな描写で記憶できているだろうか。
    さくらももこさんのエッセイを読むと毎回思う。よくこんな小さなときの記憶が鮮明に残っているなぁと。
    私も自分の心に正直に、心が動いた瞬間を忘れずにいきたいな。

    • 1Q84O1さん
      ひろさん♪
      自分の心に正直に、心が動いた瞬間を忘れずにいきたい
      いいですね〜!
      素敵っ!(о´∀`о)
      ひろさん♪
      自分の心に正直に、心が動いた瞬間を忘れずにいきたい
      いいですね〜!
      素敵っ!(о´∀`о)
      2023/06/27
    • ひろさん
      1Qさん♪
      さくらももこさん素敵ですよね!こんな風に生きたいなぁって思いました~!
      何でも笑い話に昇華できちゃうとこも憧れます(´∀`*)♡
      1Qさん♪
      さくらももこさん素敵ですよね!こんな風に生きたいなぁって思いました~!
      何でも笑い話に昇華できちゃうとこも憧れます(´∀`*)♡
      2023/06/28
  • 最初の三部作はもう何度も読んでいるが、なんというか、「ちょうどいい」というのがしっくりくる あらためて読むと、ひろしのような男というのはこれから先は絶滅危惧種だろうな 女がもう許してくれない時代になってきている気がする

  • 私も筋金入りの怠け者なので、子供の時このエッセイに収録された「グッピーの惨劇」「怠け者の日々」を読んで、怠けが引き起こす悲劇が心底恐ろしかったのを思い出した。再読した今でも、くだらないことでとんでもない結果になるのは面白いけども、他人事じゃないと思う自分がいる。
    日本の怠け文学のベスト2なのではなかろうか。

    「小杉のばばあ」「ミーコの事」の切ないノスタルジーも胸にきた。

  • 高校まで静岡で育ち、現在も静岡に住んでいますが、これまでさくらももこさんのエッセイを一度も読んだことがありませんでした。
    2019年の訃報をきっかけに満を持して読んでみることにしました。

    理想のタンスを探す話や、英会話教材の登場人物にツッコミを入れる話などなど、口元に浮かんでしまうにやにやを止められなくて困りました。
    読者をすぐにストーリーに引き込んで、畳みかけるように笑いの要素を散りばめてくる語り口のセンスに脱帽です。
    かと思えば、小杉のばばあ、猫のミーコ、そして父ヒロシのことなど、ふいに差し挟まれる切ない余韻を残すエッセイが、また心に響くのです。

    巻末の三谷幸喜さんとの対談もすごかったです。
    本当はどうだったのかわかりませんが、文字に起こされたお二人のやり取りは、二人とも真顔で話しているように感じられるのです。
    だけど、話している内容が内容なので、その話題を真顔で話している情景を想像するだけで笑えてくるからずるい。

    これを機に、さくらさんのほかのエッセイもぼちぼち読んでいこうと思います。

  • 「もものかんづめ」、「さるのこしかけ」に続き読んださくらももこさん3作目のエッセイ。

    いやーーー、やっぱりさくらももこさんのエッセイ最高…( ̄∇ ̄)
    もう笑いが止まんなさ過ぎて…

    色んな人のエッセイも読んだけど、やっぱりこの人は別格。
    「エッセイ」というジャンルにもプロがいるんだなぁと。

    なんかこう、一発一発の面白さもさることながら、絶対的なボケの総数が多い気がする。
    ボディーブロー的に、気付けば脚に効いてて沸々と笑える、みたいな(笑)
    漫才で言うと、ナイツさんみたい感じ?

    最後まで読み切って、気付いたら次作の「あのころ」をAmazonでポチってた…
    次は学生編らしい…それはもう面白いに違いない…(´∀`)

    <印象に残った言葉>
    ・ミッシェルさんだかという人(P21)

    ・私ときたらもう、とんだズッコケ野郎のこんこんちきである。(P80)

    ・母は怒っていた。私の顔を見るたびに「将来バカになっておわりだよ」という恐ろしいセリフを吐いていた。(P122)

    ・ところがテストのプリントが配られ、問題を見たとたんその日常性は崩壊した。全然分からないのである。どこをどう見ても徹底的にわからないのである。(P140)

    ・落ちている一円玉を拾うエネルギーの方が一円以上かかる(P157)

    ・父ヒロシは、昭和九年に清水市で生まれ、それから何十年もその地で育ってきた。子供の頃から呑気者で、別に何のとりえもなく、他人からも憎まれもせず褒められもせず、また他人を特に憎みもせず絶賛もせず、ただただ酒と魚を食べて生きている男である。(P226)

    <内容(「Amazon」より)>
    虫歯治療用の笑気ガスがもたらした、とんでもない幻想。朝から晩まで台所の床に寝そべり続けて、親を泣かせた中学生時代。はじめて明かされる、たよりなく取り柄もないが憎めない男・父ヒロシの半生…。日常のなかで出会うトホホな出来事や懐かしい思い出がつまった、爆笑エッセイ。ある生理現象について、真摯な議論が交わされる、三谷幸喜さんとの巻末お楽しみ対談つき。

    • 駱駝さん
      ここがお気に入りです笑。四度も『野球狂の詩』を聴く私は『’野球狂の詩'狂』という'狂²'の状態になっていた。~グッピーの惨劇~
      ここがお気に入りです笑。四度も『野球狂の詩』を聴く私は『’野球狂の詩'狂』という'狂²'の状態になっていた。~グッピーの惨劇~
      2022/01/14
    • ksk84さん
      >駱駝さん
      コメント頂きまして、ありがとうございます(^^)
      自分もそこ好きでした(笑)
      「二乗」を使うあたりとか、もう文章のセンスが良過ぎ...
      >駱駝さん
      コメント頂きまして、ありがとうございます(^^)
      自分もそこ好きでした(笑)
      「二乗」を使うあたりとか、もう文章のセンスが良過ぎて…(´∀`)
      2022/01/18
  • とにかく笑う。(まる子のおじいちゃん、実はアニメとは違い超怖かったらしいとかなんとか・・・)

  • 「たいのおかしら」はエッセイ三部作の完結編。本作も笑ったりウルっときたりで非常に楽しませてもらいました。

    特に『お金を拾う』と『ひろ子の揉め事』、『二十歳になった日』が好きです。
    『お金を拾う』に出てきた、ご主人の一円玉の話になぜか感激しました。一円玉を拾う行為だけでここまで考えを巡らせられるのかと。
    さくらさんご自身も周りにいる人たちも面白い人ばかりなんだな〜と感じました。

  • 再読。
    なんだかんだで面白くおかしくいきてきましたよ~、というエッセイ。
    こんな風に生きたい、暮らしたい、と思えます。
    自虐的かもしれない漫画を描き、お茶の間に幸せを与え、結果として成功したんだと思う。時折出てくる、一般人からしてみるとあり得ない人との対談。凄いです。
    ありがとう。

  • さくらももこさんの漫画ではない作品を初めて読んだ。
    やっぱりちびまる子ちゃんご本人だなぁと随所随所に感じさせてくれて、昭和生まれの私はほのぼのと親近感が湧きました。
    大事件が起こるわけでもないのに、捉え方と表し方にさくらももこさんマジックがかかると、読者を楽しませてくれる素晴らしい作品になるんだなぁと、その才能が羨ましくなりました。
    さくらさんの他のエッセイも読んでみたくなりました。

  • 父ヒロシの話が好き!呑気な性格だけど憎めない(^^)

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著者プロフィール

1986年からマンガ雑誌『りぼん』(集英社)で連載がスタートした「ちびまる子ちゃん」の作者。1990年からはフジTVでアニメ化され、超人気番組となる。『まるむし帳』(集英社)は唯一の詩集。

「2019年 『さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集 ぜんぶ ここに2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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