8年 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476583

作品紹介・あらすじ

オリンピックで華々しい活躍をし、当然プロ入りを期待されたが、ある理由から野球を捨ててしまった投手・藤原雄大。8年後、30歳を過ぎた彼は、突然、ニューヨークのメジャー球団に入団する。あの男ともう一度対戦したい!その悲願のためだけに…。一度は諦めた夢を実現するため、チャレンジする男の生き様を描くスポーツ小説の白眉。第13回小説すばる新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 読み進めるうちに、泥臭く夢に向かっていく姿に引き込まれる
    最後にはもっと彼らの先を見たいと思うサクセスストーリーだった

    ただ『スポーツ作品』が好みでは無いための評価

    8年間彼の夢である1人の選手との対戦は胸に秘め、家族のために生きた藤原
    彼の娘が亡くなった事を機に夢への挑戦が始まる

    彼が自分の人生、やりたい事を選択できたのがよかった
    彼は優しい
    こんなはっきりとした描写は全く無いが
    彼の優しさは家族に捧げた8年だけでなく、同時期に渡米した常盤とのやりとりにもあり
    そんな彼が夢に挑戦できる事を嬉しく思う

    現在の日本の野球しか知らないため、作品舞台の時代やメジャーの雰囲気は明確にはわからないが
    描写が細かく想像しながら読めた

  •  堂場瞬一のスポーツ小説最高ですね。ハッピーエンドのベースボールストーリーで、藤原投手、常盤捕手のメジャーリーグでの活躍が痛快でした。
     2001年の小説ですが、現在の大谷翔平選手の活躍と相まって新鮮で色褪せない感じがします。
     ホームから読み始めましたが、著者の多くのスポーツ小説を読んでいくのが今後も楽しみです。
     大谷選手を主人公にした現代版小説も読みたいものです。

  • やっぱり、サクセスストーリーは読んでいて気持ちがいいね。(^_^)v

  • こんな挑戦が出来たら楽しいだろうなぁと思わせて頂きました!

  • 人って、ひとつの感情や想いを、
    どれくらい持ち続けられるものなんだろうか。

    8年は結構長い。

    哀しみ・喜び・愛・憎しみ・・・
    どの感情もそんなに長くもたないんじゃないかと思う。
    日々の出来事や生活に紛れ、忘れちゃうんじゃないかな。
    持ち続けられるとしたら、
    毎日の行動に落とし込まれて習慣化してる場合かも。
    毎朝祈りの言葉を述べるなんてのは、それに近い。
    それでも最初と変わらぬ熱量でいられるかっていうと、
    難しいと思う。

    だから8年前、自分の渾身の一投を完璧に打たれた相手と、
    もう一度対戦したい。今度は完璧に抑えたい。
    その想いだけで大リーガーになる男の姿は、
    ひとつの夢物語だ。

    夢といえばもうひとつ。
    彼が入団する球団のオーナーは日本企業。
    エクスパンションで新たに誕生する球団に、
    日本企業が手を挙げたという設定だ。
    かつてソニーがアメリカの映画会社を買ったように、
    いつかアメリカの4大スポーツの球団を、
    日本企業が保有することもあり得るのかな。

    その舞台で日本人が大活躍する。
    大リーガーたちをきりきり舞いさせる。
    想像が止まらない。

  • いろんな材料を詰めこんだけど、ちゃんと纏めきれていないように思う。部分部分で著者の力量が判るだけに、消化不良に感じられて勿体ないね。もう少しこれという何かに集中した方が良かったと思います。

  • 登場人物の性格設定が興味深く、物語を膨らませてくれました。
    8年のブランクを経てアメリカのマイナーリーグで投げ出した主人公の藤原、ボール恐怖症のキャッチャー常盤、其々の夢を追いかける姿を通して野球の面白さが伝わってきました。

  • ストーリーに気持ちが抑圧されることもなく、一直線な展開。

    主人公の藤原はかっこよすぎるし、熱い気持ちを持つことは大切。

    清々しい読了感。
    気持ちが落ち込む時によみたい。

  • 舞台はメジャーリーグ、かつて「コミックバンチ」で連載していた「ワイルドリーガー」をなんとなく彷彿とさせるような匂いに象徴される設定など、非常に私が好む類の作品で、現に中盤過ぎに至るまではとても面白くスイスイ読んでいったわけだが、それ以降の流れがあまりに雑、やっつけ感満載でバタバタと閉じられていることをとても残念に思う。
    賞レースのために紙幅が決まっていたため、慌てて収めたのではないか? とともすれば疑ってしまうぐらいだ。
    藤原夫妻のこと、ヘルナンデスとの因縁、香苗と河合、大越新社長の今後、水谷記者との関係…、とにかくすべてが中途半端なまま、性急に物語は切れてしまった。
    なんだか始めの頃は面白くて人気もあった連載マンガが、末期にガタガタになっていって、ことごとく伏線を回収しないまま打ち切りになってしまったような、そんな事例みたいだ、まるで。

  • いつだったか、誰かが日本の小説には《天才》が多く登場する、て言ってたけどこれはまさにその典型。
    まぁ、小説だからね。
    リアリティがないのも小説のある種の特徴であるとは思いますが。
    特異な、劇的な背景をもった天才ピッチャーをはじめ登場人物全てが特徴的すぎて誰にも肩入れできなかった。
    ストーリーもあまり丁寧であったとは思えず、ぶつ切りなイメージがあり、読んでいても終わってほしくないという余韻は感じませんでした。

    時々出てくるアメリカの記事。
    それはとてもらしい、んだけど翻訳感が出過ぎていて読んでいて不快でした。
    元々翻訳本苦手ですので、そこは仕方ないかと思いますが。。

    個人的には、期待外れです。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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