- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087478877
作品紹介・あらすじ
はるか古代から続く「ヒ」一族は、国が動乱期にさしかかると、特殊な能力を使って危機を救ってきたといわれる。その能力とは、御鏡、依玉、伊吹と呼ばれる三種の神器を使ったテレパシー、テレポーテーションであった。物語は戦国の世、織田信長の比叡山焼き討ちから始まり、関ヶ原、幕末、太平洋戦争、そして戦後の混乱期へと四百年の時を越える。歴史の襞の中で動く「ヒ」一族を圧倒的スケールで描くSF伝奇ロマンの傑作。
感想・レビュー・書評
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先年、集英社より再刊されているのは、気づいていた。出張先の横浜は日吉駅の書店で積み上げられているのが目に留まる。おお、これならば読み返せそう。
頻度は多くなかったが、これまで復刊されるごと、幾度となく読み返してきたもの。今回、そのインターバルは長く、ストーリの詳細は頭から抜けきっていた。今の年齢で再読してみても、やなり超特の面白本との感想に変わりはなし。本能寺の変の意味付けを天皇制の擁護としたのは、本書が嚆矢ではなかったか。そういやあ、只今の大河ドラマも同じだった。
SF小説が現在よりも更にマイナーなジャンルだった頃に、SFの定番的手法を網羅して綴られた時代・伝奇小説であり、尚かつ大衆小説としても成功した希少な例でありました。
(2006年記)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
厨二病時代の1冊を30年ぶりに再読。今でこそありふれたアイデアに思われそうな内容だが、むしろこれが元祖だろう。約40年前に書かれた伝奇SF小説の時代劇。とにかく発想の豊かさとアイデアは当時としては革新的。今現在において似た作品が存在するとしたらそれらは全部これの真似だと思う。
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本能寺の変、関ヶ原、幕末、太平洋戦争と、約400年もの時をまたぐなんとも壮大な伝奇SF。
「ヒ」というサイキック忍者一族が、日本(世界)の歴史を動かしていたという設定が、多くの伏線を回収し、別の意図を浮かび上がらせていくさまは痛快。
下の巻、鼠小僧の「江戸地底城」と坂本龍馬の「幕末怪刀陣」が好み。 -
表紙のイラストを見た時には、一瞬読むのをやめようかと思ったが、諦めてしまわなくてよかった。
章は戦国時代から始まり、以降、江戸、幕末、昭和と下っていく。
中盤辺りまで読み進めるまでは、あまりに奇抜なごった煮感にいささか面喰らい気味だったが、終いまで読めば物語がきちんと一つの連環のなかに収まり、完結していることが分かり、カタルシスを得る。
とにかくスケールの大きな着想によって描き切られた作品だ。
歴史小説、伝奇物としての側面が、SFという輪郭で包まれているような。
また、作品が発表された1973年という当時の時代性も強く映し込まれている。
高度経済成長が終わりを迎えようとしており、その代償として、公害等の様々な問題も広く表面化していた頃。
国外に目を転ずれば、宗教観の対立と石油利権争いに端を発する中東戦争はお馴染みとなり、また完全に泥沼化していたヴェトナム戦争から生まれた厭戦ムードが伝播して、ヒッピーに代表されるライフスタイルが若年層の間に沈殿しつつあったであろう。
そういった時代背景も合わせてこの小説を懐古してみると、より理解は深まるのではないだろうか。 -
好き。 〈ヒ〉一族は凄いねんけど、意外に呆気ないねんなぁ・・・。『仮面の忍者 赤影』的なんを想像してたんやけどなぁ・・・。 実在するのかどうか知らんけど「ヒ」に絡めた地名はオモロイ。希望としては卑弥呼まで遡って欲しかった。 教科書程度の有名な歴史上の人物を知ってて超古代文明とか好きな人にオススメ。 物語に関係無かったけど作中に登場する、名前に『東大寺』が隠れてる『蘭奢待(らんじゃたい)』を検索したら実在してたのでビックリ。 ここで『藤堂』を持ってきたか!と感動した。
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破天荒。痛快。戦国、幕末、昭和に関する基礎知識があれば楽しめます。
文庫一冊に収まるのが残念な気もする。それくらい終わるのが惜しく感じられた。 -
2012/08/28:歴史の裏で暗躍する特殊能力者一族の話。ツッコミ所は多々あるものの戦国時代からアポロ計画まで出てくるスケールの大きさに引き込まれました。