赤いダイヤ 下 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087481273

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  • 如何にもマーケットらしい投資対象である商品先物「小豆」。この小豆を取り巻く面々の人間模様が細かく描写されている。妙に運のある者、金に目が眩み人を平気で裏切る者、リスクを取らず算盤だけを弾く者などなど。

    簡単に翻弄されそうな小豆を前にしても、一切揺らがず歩む森玄や押田のように生きたい。

  • 赤いダイヤ(上)参照。

  • 今まで未読でいたことを激しく後悔。昭和29・30年に展開された小豆の先物取引における未曾有の仕手戦。主人公は、300万円の借金に自殺を考えていた木塚という小男。彼が森玄こと森玄一郎と知り合う事により外貨特割カードの商売で持ち直す。もう一人の主人公がその森玄。小豆相場において買い大手「買いの森玄」と呼ばれる男。それは、ただ金儲けのためじゃない、小豆農家を守るために相場を買い支えている男だった。敵対する売り大手は伝説の相場師とも呼ばれる「松辰」こと松崎辰治。取引所の理事長職を傘にきて買い方を潰そうとする。「仕手戦を舞台にした○○小説」と言った生易しいものではなく「仕手戦小説」そのもの!

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著者プロフィール

梶山 季之(かじやま・としゆき):1930-1975年。小説家、ジャーナリスト。現在のソウルに生まれる。広島高等師範学校(現・広島大学)卒業。53年上京、国語教師、喫茶店経営などを経ながら、「新思潮」の同人となり作品を発表。58年より「週刊明星」のトップ記事を担当。59年「週刊文春」の創刊に参画。71年月刊「噂」を創刊。作家としては62年「黒の試走車」を発表後、話題作を続々刊行する。75年取材先の香港で客死。産業スパイ小説、経済小説、時代小説、風俗小説など数多くの著作を発表した。ちくま文庫では『せどり男爵数奇譚』がロングセラーになっている。

「2024年 『犯罪日誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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