ベルサイユのばら 3 (集英社文庫(コミック版))

著者 :
  • 集英社 (1994年12月1日発売)
3.82
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087482225

感想・レビュー・書評

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  • 「宮廷中の貴婦人たちの憧れの的、オスカルの初めての恋、王妃の恋人フェルゼンへの想いは叶うことがなかった。彼女の悲しみをそっと見守る、オスカルの乳母の孫、アンドレ・グランディエ。二人は幼い時から兄弟以上に魂を寄せ合い、青春のすべてを分かち合って生きてきた。そして何時しかアンドレはオスカルを深く愛していた。その頃、貴族の屋敷を襲う“黒い騎士”と名乗る盗賊を捕えたオスカルは、その男から民衆の不満の高まりを思い知らされる。不穏な社会情勢は次第に緊迫してきていた。」

  • 記録

  • 1巻2巻と感想は同じ。
    どっぷり昭和的だが、それも「ベルばら」ならば仕方ないだろう。
    3巻でも登場人物達は相変わらずよく泣いている。

    実は1巻から所々「あれ?」と思うシーンは有ったのだが、どうも当時の読者達も気づいていたようで、3巻のあとがきに、そのような記述があった。
    ただ、あとがきに書かれていたような「怪我をしたはずの右手と左手の違い」などの絵の不都合には私は気付いておらず、私の場合は小説読みの長年の癖からだろうかシーン展開の矛盾の方が気になってしまう。
    「さっきとっくに馬車で去ったはずなのに何故この場面に急に居合わせているの?」(1巻)といった具合だ。

    もちろんそんなことにケチをつける気はさらさらなく、単純に楽しく読ませてもらっている。

  • 前半がマリーアントワネットによるベルサイユ宮殿の中での権力闘争と恋愛に主軸を置いているのであれば、この巻から後半はフランス革命という戦いと恋愛という部分に主軸がうつったように思います。
    前半部分はフランス版源氏物語的な要素があるというか、それはそれで面白いのですが、後半は完全にレ・ミゼラブルというか、それに恋愛要素を色濃くした感じがしました。
    貧困・革命・そして身分違いの恋愛と様々なテーマを描き、アンドレの献身的な愛がここぞとばかりに散りばめられていて、少し涙が出てきました。
    比べては申し訳ないけれど、フェルゼンの不倫とはやっぱ重みが違うなぁと思ってしまうのですよね…。
    もちろんフェルゼンも命がけでマリーアントワネットを守っていたとは思いますが…。

  • この巻ではオスカルが女としてのアイデンティティに目覚め、衛兵としての自らの立場や言葉にできない愛に悩み始める。

    「黒い騎士」の正体を暴く場面では、貴族社会の矛盾を思い知り、騎兵隊の部下、アラン・ド・ソワソンとの闘いでは、男女の体力的な違いを思い知る。フェルゼンはオスカルが女だと気づき、アンドレの恋心はますます明確になる。

    しかし、そんなオスカルの内面の混乱を尻目に、状況は革命に向けて雪崩を打って進んでいく。宮廷の積み上げた借金はもはや小手先の再建策ではどうしようもないところにまで達しており、政局は不安定さを増していく。

    この状況にオスカルに父はジェローデルとの結婚を薦め、家の跡取りづくりに乗り出す。ジェンダーの混乱へと迷い込むオスカル。アンドレの失明、アントワネットの息子モンセニュールの死。

  • オスカルのかっこよさ、強さがさらに感じられる巻です。
    温室育ちで世間知らずだったオスカルが様々な立場の人と関わることでフランスの現状を知り、その心には信念が芽生えはじめているのが読んでいてもよくわかります。
    また、この巻からアンドレにもフォーカスが当たり、どんどん男らしく、人間臭く、かっこよくなっていきます。オスカルとの関係性も見どころです。

  •  

  • 母となったアントワネット。母とは強いものですね…
    これまで、物事の意味合いをしっかり考えずにしてきた事で、取り返せない状況に追い込まれていく。
    革命の足音が聞こえてくる中、1人の人間として、苦しみ成長していくオスカル。同時に、男としての自分と女としての自分の間で苦しんでいく。
    さらに、オスカルを近くで見つめ続けるアンドレの苦悩。
    物語も中盤を過ぎ、盛り上がってきている。

  •  ①オスカルは、近衛隊を離れ、平民・貧乏貴族の属する衛兵隊へ。女であることを否応なしに思い知らされる描写が彼方此方に描かれる。アンドレとの契りへの絶妙な伏線だ。
     ②一方、恋しいフェルゼンとは永遠の別離。アントワネットを愛する人を愛せないのは当然だが、それは男として振舞うことを家のために強いられてきた帰結である。
     ところが、これを強要してきた父の豹変。子を産む機械の如き扱いは父権的社会による女性の圧殺そのものだが、愛を捨てたオスカルの狂犬とも見紛うばかりの反発と抵抗を招くのは当然である。
     明確に描かれないが、ここが後のオスカルの行動を決定づけた印象が強い。
     ③また、受け入れて貰えない愛に懊悩するのはアンドレだが、もう一人、眩しい女性に身を竦ませるのがルイ16世。なんとも絶妙な立ち居地と塩梅である。

     このように、キャラクターらの愛憎とそのすれ違いを描きつつ、歴史の大きな流れは、民衆の王室への憤怒のマグマは正に爆発せんと。

  • わたしの
    知っている
    唇は…
    わたしの
    知っている
    唇は……

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著者プロフィール

1947年12月18日大阪市生まれ。
東京教育大学(現・筑波大学)文学部哲学科在学中より漫画を描き始め、1972年から連載を始めた代表作『ベルサイユのばら』は空前のヒットを記録し、宝塚歌劇団の舞台でも上演されるなど、漫画の枠を超え幅広い層に永く愛される。
現在は活動の幅を広げ、劇画家、声楽家としても活躍の幅を広げている。

主な作品
『ベルサイユのばら』
『オルフェイスの窓』
『女帝エカテリーナ』
『天の涯まで-ポーランド秘話-』
『栄光のナポレオン-エロイカ-』
『おにいさまへ…』

「2013年 『聖徳太子(7) <完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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