- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087485677
感想・レビュー・書評
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ふと思い立ち20数年ぶりに再読。ドラマ『監獄のお姫様』が面白くて、龍さんが描くおばさんたちの闘いはどうだったかな、おばさんになった今読み返せば、おばさんとしてどう生きるべきかがわかるのではないか、と思ったわけです。
だが、しかし、ここでのおばさんは想像以上にひどい描かれよう。「中年」「おばさん」とさんざんののしられるけど、まだ30代半ばなのよ、この人たち。今なら全然若い部類だと思う。そして語りの役割語もちょっと古いかな。今ではとても出版できないほど差別的視点、表現にあふれていて驚いたし、おばさんとしては腹も立つ。ただこの作品で醜く描かれるのはおばさんだけではない。短大生の女の子も、20代オタクグループの青年たちも、中年のおっさんも、みな等しくフリークス並みの醜悪さで描かれるのだ。その意味を考えたい。そして、中盤、残されたわずかな可能性に賭け、「寂しさなどとは無関係に自分で自分のグラスに静かに、かつ誇りを持ってビールを注ぎ、飲み干そう」とするおばさんたちの一瞬のかっこよさも忘れたくない。
20数年のときを経て、30代半ばの女性を「おばさん」と呼ぶのがはばかられるようになり、オタクは市民権を得て、小説や映画から差別的表現が消えつつある今の日本。たしかに住みやすくなったけれど、郊外の醜悪な景色も退屈な住人たちも変わってない。龍さんの警告は聞き流されてしまったみたいだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村上龍特有の文章のリズム感と、ナンセンスでとことん巫山戯つつ歪んだ精神性をいかんなく発露する主人公たち若者のやり場のないエネルギーと、醜く退廃した中年女性の性と暴力と血の匂いに溢れるテロリズム。人間と人間の極めて無意味な戦いを描いた小説。素晴らしい。
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これも勉強の合間の逃げで手にした本。痛快痛快☆
単純に面白いものって笑顔になっちゃう! -
若者とおばさんの殺し合い。登場人物にひとりとしてまともな人がいません。以上
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数々の昭和歌謡をBGMに、イカれた若者6人と「ミドリ会」なる6人のおばさん軍団(といっても1名はすぐに物語から脱落するが)が延々と血で血を洗う大抗争を繰り広げるブラックでバイオレンスな物語。
笑いどころでハマれなかった、残念。
読後感はもはや’狂’だが、あとがきに曰く人間が元来持ち合わせていた「サバイバル」を描いた作品、との事。確かに本作は生命力に満ち満ちているように思うし、この作品にハマらなかった私には内心の「サバイバル」が既に深刻なほど欠落しているのだろうか。だとしたら寂しい気もする。
7刷
2021.3.3 -
骨まで愛してを歌ってる最中にバズーカ?でテトラポッドごと吹き飛ばされるシーンは映像を見たことが無いのにシーンが脳裏に焼き付いています
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著者:村上龍(1952-、佐世保市、小説家)
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話がグロい。
ちょっとしたきっかけで殺人が連鎖していく。
なんとも… -
「半島を出よ」読了後、イシハラとノブエが出てくる作品がある聞いて探した一冊。「半島を出よ」と同様にラストはあり得ないというか非現実が過ぎると思ったけど、あとがきにあるように「何かと引き換えに、退屈を選んでしまった人間達」を書いてもしょうがないという考えに基づいているなら納得したし、この非現実感がクセになる理由な気がした。登場人物はみんなおかしなやつだけど、ときどき核心に迫るような発言をしたり、筋の通ったことをいうあたりがやっぱり好き。あとヤノたちがトカレフを買いに行ったときの店主とのやり取りがなんか良かった。
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基本的には娯楽小説だと思うんだけども、
登場人物の色の強さは流石村上龍だなぁと思いました。
小学校のときにクラスにいた、
とんでもない変わり者で何考えてるかよくわからなくて
ちょっと不気味な奴がそのまま大人になったら、
こんな奴になるのかなと思いながら読んだ。
つまるところ、
マイノリティー小説として優れていると思いました。
僕たちの住みやすい東京は、
こういうマイノリティーの声を無視して成り立ってる
欺瞞だらけの都市だよなぁ。ごめんなさい。