- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087488616
感想・レビュー・書評
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人が自分以外の誰かを好きになるのは、
しょせん自分は独りなのだということを知るためでしかないのかもしれない
主人公高瀬俊太郎が最後に悟る・・・。
高瀬はいまの私と同世代。
社会人2年目のまだまだ若輩者と言われる世代の男である。
同級生ピナコとプラトニックな恋愛を維持しつつも
大人な女優鏡に惹かれていく。
ピナコが他の男性と関係をもっているのではないかと思うたび、
焦る俊太郎は人間の醜い部分というか弱い部分を曝け出しているように
思える。
ひとはいろんな人に魅了され、恋をする。
それは、自分と違うからなのかもしれない。
その人を通して、自分という人間を知ることができるから。
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ちょっと甘すぎるかな…。てのが正直な感想。見守る愛情も、キレイだし感動できるけど。
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新米の音声技師、高瀬俊太郎には、夢がある。憧れの人、木島隆文の音を越える凄い音を創りたいという強い思いだ。そんな彼を支えてくれるのは幼なじみのピノコ。仕事が忙しく逢瀬はままならないが、メールがふたりを結んでいる。そんな折、テレビの仕事で遭遇した女優・鏡耀子の妖しい輝きに俊太郎は引かれていく。だが、耀子は不倫の恋に傷つき、心を失いかけていたのだ。二人の間で揺れながら、彼は少しだけ大人になっていく…。
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途中まではとても面白かったです.
しかし,物語終盤のくちゃくちゃな人間関係模様に自分は耐えられなかったです...
読み終わった後,しばらく凹んでしまいました...
浮気とか不倫とかに免疫が無い人は読まない方が良いかと思います. -
一つの関係に二つの思い・・・そういうことですな.
人間関係はどんな時でもそう.
だから・・・
そんな本です. -
最初から最後まで素晴らしく癇にさわる主人公です。本読んでまでこんな気持ちにはなりたくない、って思わせてくれるくらい生々しい。それってちょっとすごいことですよね。
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病院の待合室で読んでいて、涙がブワッと出てきたので、あわてて読むのを止めた本。
読む場所を選ばないとね・・・。
音響技師の青年、高瀬が主人公。
遠距離恋愛で、とっても大切なピナコがいるのに、女優にも惹かれていく。
でも、大切の度合いが違うんだよね。
メールを送り間違えてしまうところで、ベタなんだけど、ピナコに感情移入し、また高瀬に感情移入し、涙が出てきた。
電話で言葉を伝えるよりもメールの方がいいと思っていた高瀬が、職場の「おとな」達にも背中を押され、30秒抱きしめるために行動するところでは、主人公の変化がなんだか嬉しかった。
最後はハッピーエンドを予測させるさわやかな読後感。
この小説はパソコン通信の設定だが、携帯メールが当たり前の現在なら、どんな展開だったろう?!とかいろいろ考えてしまった。
私は、電話と手紙世代なので特に、今、恋愛世代だったら、きっと、全然違う人生を歩んでいたかも?!
で、どちらかというと、女優に年齢が近いので、そちらにも共感する所があるのですが、「旅人の木」の様に癒しを与えてくれる高瀬は、心のよりどころとして、必要だったんだろうな。
そこを浮気とか言われてしまうとつらいかも・・・。 -
主人公はテレビカメラマン
ある番組で共演した女優と親しくなっていき、
彼女の悩みを聞いてあげるようになる。
これは恋なのか…?
だが、主人公には恋人がちゃんといる。
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あーこの気持ち分かる・・・と妙に主人公の男の子に共感。
文中に出てくる恋人同士が交わすメールの文章にいちいち泣きそうになったり微笑んでしまったり。
読みながら自分も恋してる気分を味わったり。