悲愁中宮 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087492477

作品紹介・あらすじ

平安時代、権力をほしいままにした藤原一族の中宮定子は、関白・藤原道隆(道長の兄)の娘で、一条帝の皇后となった。幸せそうに見えた定子の運命は、父の死を境に、道長の老獪な陰謀にかかり、あえなく散った…。政略結婚の悲劇をまざまざと描いた、直木賞作家による長篇ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 15歳で道長の愛人となり、産んだ娘の養育をちらつかされ、定子に出仕してスパイもどきをするようになった…という設定の架空の女性、左京の視点で語られる物語。なお、この話の一条帝は、あまり思慮深いお人柄を割り当てられていない。

    照る中将と光る少将の出家について、全編を使って説得力のある解釈がされているのにハッとした。

    清少納言はほとんど出てこないし(『枕草子』の中のエピソードはチョイチョイあり)、和歌もほとんどないけど、全然不自然じゃないのがむしろ不思議。


    「大活字本シリーズ」上下本で読んだ。ちょっと味気ない。造本とか装幀とかって結構大事なのね。

  • 定子があまりにも不憫だった。身分が高いから幸せなわけじゃない、後ろ盾がないとこうも落ちぶれて肩身の狭い生活をしなければならないのか。道長のやりかたが卑劣で、平安時代の女性の不幸さがわかった。

  • 平安時代の女の哀しさが伝わってくる。高貴な立場、裕福な家柄に生まれても自分の人生を描くのは周りだという現実。それが当たり前だと思っていたのだろうけれど、姫君でないほうが幸せなんだろうなぁと、後の世の女としては思ってしまう。

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