- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087501773
感想・レビュー・書評
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昭和四十年代の前半期に『SFマガジン』などに掲載された【筒井康隆】の短編七編。相変わらずのドタバタ、スラプスティック、パイ投げ騒動劇が宇宙空間を所狭しと転げ回る。
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よくもまぁ、こんなアイディアが湯水のごとく出てくること。整合性を求めるSFが馬鹿らしくも思えてくる。
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7つの短編。「穴」は、著者お得意の精神疾患を題材にしたもの。誰が正常なのか混乱する(笑)。「夜を走る」ではタクシー運転手の大阪弁が、何故か物語にすごく合っている。「たぬきの方程式」は、著者直筆の漫画でも読んだ記憶がある。落ちの切れ味が一番良かった。
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2011.11.24(木)¥105。
2011.12.6(火)。 -
ずいぶん昔に読んだから、ほとんど思い出せないなぁ。
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手元に置いておきたい。
この本をかいたのが、何十年も前なんだもんなぁ・・・
すごいの一言です。 -
p.240
国境とは、そもそも何か。
それは、工業社会の遺物だ。
工業社会には貿易というものがあり、貿易には税関というものがある。
現在は、工業社会から情報社会に移行しつつある段階だ。そして、情報に税関は無い。情報時代になってしまえば、情報の商取引さえなくなる筈だ。情報に、国境はないのだ。
いちばんややこしいのが、脱工業時代などといわれているこの現代である。工業社会が科学技術を発展させ、いろんなものを生み出した。その生み出したものはコンピューターとか、通信衛星とか、月面開発とかいった、国境を無視するようなものばかりである。その癖、どこの国家も国境を大事に守っている。ところが殆どの人間が、世界はひとつとか人類は平等だとか、またもや国境を無視するようなことを叫んでいて、その方が正しいと信じている。ややこしくていけない。なぜそんなに、ややこしいか。物理的国境と精神的国境が平行していないからだ。だいたい日本人は国境には無関心だ。島国だもんで、海が国境だぐらいに思っている。だからこそ、ヌートリア何て国家の出張所が東京のど真ん中にあっても誰も気がつかない。気がついても面白がるだけだ。そこでおれみたいな困った状態に立たされる人間も出てくるというわけだが、これは何も俺に限ったことではない。まかりまちがえば、誰だって今のおれみたいになることができる。 -
読んでいると、何が狂っていて何が正しいのか、わからなくなってくる。
「自分でちゃんと考えろ」と言われている気がする。 -
短編集。
「穴」「たぬきの方程式」がオススメ。