桐に赤い花が咲く (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.43
  • (1)
  • (4)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087504651

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 渡辺淳一が推理小説を書くなんて意外性があり。
    医者という視点がよく生きている。
    桑島という勘で事件を解決するという古典的な捜査手法。
    若手刑事の和泉がパートナー。
    この和泉は、あまり役割を果たしていると言えない。
    桑島が ゴルフの練習に行って、骨にひびが入る
    という導入部が おもしろい。

    局部をメッタ刺しにされた若い女性が発見される。
    それが、小室聖子といい、ゴルフの練習所の受付嬢だった。
    桑島は 殆ど思い出せなかった。
    小室聖子のパトロンが、梅原病院病院長だった。
    梅原夫人の冷ややかな対応。

    そこから、犯人像が浮かび上がってくる。
    うまれつきの不具な身体。ふたなり。
    それを小室聖子に笑われて、
    殺人の動機が 特殊で個人的なものだった。
    医者らしい編集による推理小説。

    梅原夫人の立ち位置が、うまく設定してある。
    桑島刑事の勘が あたっていたと言うことなんですね。
    桐の花は 藤色。
    遺伝子組み換えで 赤色にできるのかな。

  • 再読了。

  • 非常に象徴的なタイトル。
    医師免許を持つ作者だからこそ書けるテーマだなぁ。
    トリック自体は目新しいものではないと思うけど、根底にあるものが重い。
    するする読めるけど、後に残ります。

著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺淳一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×