ぎざ耳ウサギの冒険 シートン動物記 (集英社文庫)

  • 集英社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605587

感想・レビュー・書評

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  • この本には「ぎざ耳ウサギの冒険」「黒いくり毛」「あぶく坊や」「ビリー」が収録されていますが、犬の話の「ビリー」は「動物記〈第5〉」で既読です。

  • 4話収録。『ギザ耳ウサギの冒険』時には我が子を蹴飛ばして叱る厳しくも温かいモリー母さん。冷たい川の中で力尽きていく最期が辛い。
    『黒いくりげ』人を背に乗せないどころか時には仮病を使う賢いじゃじゃ馬。さっさと逃げていく場面は痛快。人間がなんでも飼いならせると思うのは大間違い。
    『あぶく坊や』クマと戦える程強くなってもリゼットの指笛で飛んできて両手を差し出すあぶく坊やが憎めない。クマの命さえ奪えるほど強いとは猪って結構危ないのだな。
    『ビリー』一気に英雄になったビリーだがその後もちゃんと活躍できたのだろうか。

  • 入院中に同室の方から借りた作品。
    有名な小説だけど、初めて読んで動物の描写が凄いなと思った。意外と読みやすい。

    ●ぎざ耳ウサギの冒険
    大蛇に子ウサギのぎざ坊が襲われる描写がけっこう生生しい。犬への仕打ちもなかなか…。母ウサギから子ウサギへ生きるための術を教えるため訓練をするシーンがあるが、この母親はウサギの中でもとても聡明(?)なウサギなんだなぁと思った。野バラの茂みや水は友達、とあってなるほどと思った。母ウサギモリーの最期が悲しい。

    ●黒いくり毛
    黒いくり毛のじゃじゃ馬っぷりがすごい。でも最終的には自由になれたようで良かった。この話は他と比べ短編だからか特に可もなく不可もなく。

    ●あぶく坊や[すごく長い]
    子ども時代のあぶく坊やから大人になり、家族を得て守るべきものができたイノシシの人生譚。けっこう残虐な描写あり。人間との関わり合いのシーンもイノシシならではといったところ。背中を掻いて、や、両の前足のおめかしとして黒ずみを塗ってもらう描写がかわいい。
    因縁の熊との死闘も文章ながら迫力が伝わってきて、とてもハラハラする。

    ●ビリー
    おばかさんな子犬から立派な猟犬となった話。
    やってきたブルドッグの老犬オールドサンダーへの仕打ちがひどい。クマの顔に襲いかかったビリーすごい!ブルドッグの最期はまぁ自業自得かな、と。犬同士の階級?と、奔放なビリーのギャップ加減がまた良い。

  • シートン動物記の三冊目。
    いのしし=レイザーバックの生き生きした活躍が見物の「あぶく坊」や、バカ犬ビリーの素敵なお話「ビリー」が個人的にはツボでした。
    シートンの本はどれも毛色が少しずつ異なりながらも、読者の心をつかんではなさない何かを持っているような気がします。

  • 本巻は、物語の色が濃くなります。もちろんシートンさんですから、自身が調査したこと、取材したことを元に描かれています。
    久しぶりの動物記、自分が随分長い間、草の香りや土に触れていなかったと気づきました。生きるとはなんなのか、ゆっくり噛み締めた一冊です。

  • むかーし昔、アニメのシートン動物記は大好きでよく見ていたのですが、本を読むのは初めてでした。
    決して過剰に書かれているわけではないのに、シートンの動物への愛情がひしひしと感じられて、ぎざ耳坊やのお母さんが命を落とすところは、電車だったのにも関わらず涙しそうにもなりました。
    ただ、愛玩ペットとしてねこかわいがるだけではない、動物のありのままの姿に対する尊敬と理解、そして真の愛を持ったひとでないと描けないような場面がたくさんあって、そんな彼に比べれば、私はにわか動物ファンというか。修行が足りないというか。もっと、大きな心で動物と自然界と接しなくては、という気持ちになりました。
    イノシシは、これまでそこまでの思い入れもなかったのですが、感動しました。こんなに雄々しい生き物だったんですね。クマとの対決シーンは、そこいらの少年マンガバトルを遥かに上回る決戦でした。
    勝者がいれば敗者がいて、メリットを手にする者がいればデメリットを抱え込む者がいて、どちら側から見るかによってまったく状況が変わる、というのは動物界に限ったことではありませんね。
    人の振り見て我が振り直せとはよく言ったものですが、動物たちから教えられることもまた、たくさんあるのではないかと思います。

  • 08mmdd読了

  • 「燃えさかる炉と黄金」
    08/09/17−読了−

  • 生協で購入 未読

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著者プロフィール

1860年イギリス生まれ。アメリカの博物学者。詳細な自然観察をもとに、『私が知っている野生動物』をはじめ、数多くの動物物語の傑作を書く。1866年6歳の時に父親の事業の失敗で家族とともにカナダへ移住、奥地の森林地帯で開拓生活を送り、野生の動植物に深い関心を抱く。インディアンの生活と文化に学んでウッドクラフト運動を始め、アメリカ・ボーイスカウト連盟の初代チーフ・スカウトを務めるなど、生涯、野外活動の実践的な指導者、普及者であった。またトロント、ロンドン、パリで絵を学び、画家として活躍。1946年アメリカ西部のニューメキシコ州サンタフェで86歳の生涯を閉じる。

「2023年 『二人の小さな野蛮人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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