ブーリン家の姉妹 1 下 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087605617

作品紹介・あらすじ

姉のアン・ブーリンに疎まれた妹メアリーはやがて、宮廷の外に新しい生活を求める。そこには「平凡な男」、スタフォードとの出会いがあった。一方、前の妃を追い出したアンは、栄華の極みを得る。しかし、男の世継ぎを産むことに執着した彼女は、破滅の途をたどり…。のちのエリザベス1世の母、アン・ブーリンと妹メアリーの哀しくも激しい物語は息を呑むクライマックスへ。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいるだけで気が滅入りそうなくらい気性の激しいアン。
    途中までは王がまだアンに惹かれていたので機嫌をとったりベッドで仲直りできた。
    しかし王の男子が産まれないことへの焦りだったり、自分の加齢を意識したり、若くて盾付かない優しい侍女の存在に気づいてからの心変わりの早いこと!
    あっという間にブーリン一家に暗雲が立ち込め、あっという間に散ってしまった。
    王が自分の権力の強大さに気づいてしまったから、怖い、怖い。

    ブーリン一家にとって代わるシーモア家もすぐに暗雲が立ち込めるのが分かっているのでなんとも重い。

    この時代の貴族じゃなくてよかった!
    首が何個あっても足りない。

  • アンが王妃に上り詰め、断頭台に送られるまでが描かれている後編。
    アンは王妃になったものの、移り気な王は別の女性に気を惹かれて・・・世継ぎの男の子を生むために、魔女の所業にまでも手を出すさまは壮絶。
    王妃でいることも楽ではないというか、かなり無理をしてなければいけないという姿が辛辣につづられている。
    こちらを原作にした映像も見たけれど、断然書籍が良いのでぜひこちらをお勧めしたい。

  • 叔父や父の言いつけの通り王を誘惑し、王妃の地位を手に入れたにも関わらず、自分の力ではどうにもならないのに、「男児を産む」ことができないために見放され使い捨てられるアンの姿が哀れだった。

    一方、宮廷に嫌気がさしたメアリーが、叔父たちに利用されるだけの持ち駒から解放され、望み通り「ただの人」ウイリアムと田舎の領主夫妻として生きていけるようになったのが、読者としては救いになった。

    尊大で気まぐれで、妻の妊娠中に他の女性に言い寄るヘンリー王とは対照的に、身分は低くても誠実で男らしく家族を大事にするウイリアムが印象的だった。権謀術数に明けくれたり、軽薄で遊び好きな貴族の男性ばかりが登場する中で、理想の男性像として描かれている。

    史実にどこまで沿っているかは分からないが、姉妹の愛憎のドラマとしては十分楽しめた。

  • 少しでも英国史を学んだら、愛人アン・ブーリンを王妃にするために離婚を認めない教会と縁を切って自分で英国国教会を作っちゃったヘンリー8世の話は、覚えてるんじゃないだろうか。英国史上、最大のスキャンダルである。
    この物語は、その愛人のアンと妹メアリーたちの側から描かれている。
    どのくらい史実に基づいて描かれているのかは不明だが、「あー、この時代の貴族や王族に生まれなくてよかったー」と思う。
    王の寵愛がよそに移っちゃったら、自分の首の心配をしなくちゃいけないなんて!ブルブル
    世継ぎは産まなくちゃいけないけど、妊娠してる間に確実に浮気され・・・。

    本文には描かれていないものの、ヘンリー8世は、伴侶に飽きると次の愛人を王妃にしようとして、アンを含む2人の王妃を断頭台に送っている。
    グリム童話の青髭はヘンリー8世をモデルにしているとも言われているらしい。

    小さい頃、お姫様にあこがれたもんだったが、実際には陰謀うずまく政治の駆け引きの世界なんだよな・・・怖い・・・

    で、これまた描かれていないけれど、ヘンリー8世の死後、女王になった最初の王妃の娘のメアリーは、カトリックに戻そうとして、人を殺しまくって、ブラッディー・メアリーと呼ばれてるし。
    この辺の歴史は、下手なゴシップ紙よりもすごいよなあ・・

    この作品の作者は、この他にもキャサリン王妃やエリザベス1世を主人公にした本を書いているらしいのだけれど、日本語訳されていないのかなあ?読んでみたい。

  • かなりスローペースで読みました。最後が面白かったです。

  • 16世紀のイングランド。メアリーとアンの姉妹の愛憎劇が描かれた作品。
    子供に恵まれない国王のヘンリー8世は、メアリーが気に入り妾として側におく。
    それを妬ましく思った姉のアンは、自分が妃になりたいと王の気を引き現王妃を退かせ、妹を蹴落とし王妃の地位を手に入れる。
    後にくエリザベス1世の母となるアン・ブーリンの欲にまみれた生涯を、妹メアリーの目線で語られる。
    自らの欲のために実の妹をこんなに恨んだり利用したり敵対心を抱いたりしてしまう心情が理解できないが、その異常さがよく描かれており、すさまじい。
    姉妹の国王に翻弄される日々と、自由に恋愛できない時代の様子に引き込まれ夢中に読んだ。
    結局女性としての幸せとは何かを考えさせられる作品だった。

  • ラストへ向けてのスピードがかなり早い!

    少しやり過ぎた昼ドラの様な、誰かの秘密を盗み見ている様な気分。

    心から、私は庶民で良かったと思います。

  • 家の利害と自分の利害。それが同じだったときと、食い違ってきたときの扱いの酷さ。
    あの家族会議が、一番怖かったです。

    アンにしろ、メアリーにしろ、ヘンリー8世の愛よりもハワードの愛を得ることのほうが、困難だったのか?
    閨閥のアイテムとしての、女性の生き様ってかんじでしょうか?アン・ブーリン。

    映画原作だけど見てません。
    表紙の女性は、どっちがアンで、メアリーなんでしょうね。

  • 望みのものを手にいれたとたんに転落していくアン。
    ダメすぎるヘンリー王と対照的なウイリアム。
    後半はアンの描写が薄くなっていくのが、未来を予想させます

  • 上巻の何倍もドロドロとしてて読み応えあったし面白かった。処刑された二人の王妃の娘同士にも戦いが引継がれていくところ、アン王妃の娘が王位について黄金時代を築いていくなんてところがなんて数奇な運命なんだろう。

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