- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087607604
感想・レビュー・書評
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エリカ&パトリックのシリーズ10作目、後半。
30年前の事件で容疑者だった十代の少女。
その年頃ならではの一途な友情関係にあったのだが、今は40代となって、別人のようになっていました。
30年前という時代の限界で、明かせない問題というのもあったとは。
地元に住み続けているヘレンの息子のサムと、女優マリーの娘イェシーは、ふとしたことから親しくなります。
問題のある家族関係も、えぐるような描写力で、ぐいぐい描かれていきます。
そして、300年前の出来事は。
異母妹が嫁いだ教区牧師館で女中のように働かされていたエーリンは、魔女裁判にかけられてしまいます。
この成り行きもリアルなため、やはり避けられないのか…と、ため息が出るよう。
パトリックが勤める警察の署長はうっかり人種偏見をあらわにしたために、移民である恋人母娘の逆鱗に触れて追い出されます。
そりゃあね自業自得、まったく、どうしようもないね!というキャラなのですが。
事件の深刻さや、その中で浮かび上がる底知れない闇に比べれば、まあまだ…許されるギリギリ?
主役カップルはというと、パトリックのいささかうるさい母親の再婚が決まって、その準備に忙しい。
エリカの妹アンナはこれまで一度ならず悲惨な経験をしてきたが、ここへ来てパートナーのダーンとの仲も安定し、一緒に式を挙げることに。
こういったところがシリーズ最終作らしく、いいまとまりになっています。
登場人物が多く、社会階層の(今回は年代までも重層的に増やして)あらゆる面に触れながら、大きな渦で巻きこむように怒涛の展開へ。
一段と迫力があり、圧巻でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大人には分からない若者の思考、やってきた難民を恐れる住民たち。新たな事件が起きる、何故か分からないまま。
合間に描かれる日常にホッとする。事件の真相が解かっては来るけれど、犯人も分かるけれど、悪人としてひとくくりに出来ない人たちばかりだった。
警察官にも良いことや悪いことが起き、普通の人と変わらない日常の中で警官という仕事をしていると思うと何だか安心する。 -
複雑に絡み合う現代、過去の事件。そこへ1670年代の出来事がどう関わってくるのか最後まで分からなかったが、ほんとに最後の最後にこう来るのか…。魔女狩りの犠牲者の呪い?呪うのならあの最低な当人たちをと思うのだが、子孫が対象なのか…?同性愛や難民の問題もあり日本で起こる可能性だってないとはいえない。時々差し挟まれるエリカたち家族の有り様が微笑ましくこうありたいと思う姿です。
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はっきりゆうと主役二人のキャラは前から嫌い。けどまあ話は好きなんだわ。