Good old boys

著者 :
  • 集英社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087710212

作品紹介・あらすじ

弱小少年サッカーチームで楽しそうにボールを蹴る子どもたち。一方、彼らをサポートする父親たちは、それぞれに悩みを抱えていて……。8組の父と子の心のふれあいと成長を描く、胸打つ家族小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史はあるものの、市内屈指の弱さの牧原スワンズで、歴代最弱と呼ばれる4年生チーム。
    勝ち点1すら取れたことがないものの、楽しくサッカーをしていたが……。

    1章ずつ少年少女たちと家族を描いていく、連作短編集。

    〈勝つサッカー〉を教えない監督の元、とにかく毎週を楽しむばかりの子供たち。
    もどかしさを感じる保護者もいるが、楽しく仲良くサッカーにいそしむ姿には、ほっこり。

    サッカーとの向き合い方だけでなく、家族としての在り方など、多様な家族の問題も絡められ、だんだんとチームが深堀されていく感。

    大人に強制されるのではなく、自分たちで勝ちを目指し、考えていく子供たち。
    爽やかなスポーツ+家族小説で、最後はぐっときた。

  • 少年サッカーを通して親子の絆を描いたんですね。
    暖かさを感じます。
    子どもは小学生。
    未来を感じますね。

  • 子どもスポーツは、試合ばかりで、上達していく楽しみが損われている気がする。
    遊びから入り上手くなりたいって気持ちが膨らむのを、ゆっくりと待つ余裕が大人にほしい。

  • 弱小 サッカーチームのメンバーが8人。それぞれの父親の物語。全部で8章あり、それぞれの父親の悩みであり、生活でありが綴られている。
    私も野球少年を持つ親として、わかるわかる!って思うことも、自分に置き換えて反省しなければならないこともあったりした。
    本多孝好の描く物語だから、それなりに感動を与えてくれたが、もう少し小説としての面白さが欲しかったかな。
    まあ、肩の力を抜いて何かの合間に気楽に読める小説。

  • 弱小サッカー少年団の親達が主人公の短編小説。
    大きな事件が起きるわけではないが、一人一人が家庭、社会生活、仕事にそれぞれ悩みを持っており、子供や周りの大人達を通じて少しずついい方向に向かって行くお話。
    子供を持つ親としては共感できる場面ばかりで、ずっと泣きっぱなしの心が温かくなる物語だった。
    やっぱり本多孝好さんの作品は好きだ。

  • こうやって、それぞれの視点で物語が語られていくのって好きですわ〜
    仲良さそうで、気楽な家族に見える人が、実は引きこもりからの立ち直りの最中だったり、兄と弟の父親が違ってたり、日本に馴染めず居場所がないと思っていたり、他の人には見えないものが見える人であったり。

    本多さんのお話は、悪意がないから好き。すれ違いはあってもそのひとつひとつに原因があり、悪人はいなくて、良かれと思ってやったことの結果がすれ違いになるって書き方だから、リアルだなーと思う。

    ショウパパについて、自分の考え方を押しつけてくる感じがして嫌いだったけど、奥さんとの会話の中で、良かれと思ってやってきた結果なんだと感じて、一気に親近感持ってしまった。
    そんな二人の会話が好き。

    「どこで間違えたかな」
    「なんで失敗したんだろう」
    「間違いも失敗もないでしょ。間違いなら改めればいい。失敗なら諦めればいい。どっちもできないでしょ? どこかの子と取り替えるの? 子育ては終わりって放り出すの? それとも今から、もう一人作ってみる?」
    「私たちは間違えてもいないし、失敗してもいない。だから、改める気もないし、諦める気もない。私は食べてもらえなくても毎日ご飯を作って、お父さんは無視されても毎日働いて家族を養うのよ」
    「今のが子供の話ならね」「ちなみにどっちの話だった?」
    「チャーハンの話だよ」「決まってるだろ」
    「やっぱりそうよね」

    二人で一緒に戦ってる。そこが好き。

  • 弱小の小4サッカーチーム
    そのメンバーと家族、それから監督の話
    チームメンバー1人ずつに物語は進む

    本多孝好らしいちょっと不思議な世界あり
    淡々としたストーリーあり
    美しい描写のクライマックスあり

    終盤にいくに連れて
    熱量の上がる弱小チームの
    サッカー描写もまた素敵

    久々に本多孝好の作風を満喫

    低体温な流れの中に
    温かな人間性がある
    やっぱり本多孝好の作品が好き

  • 照英さんの帯が目に留まったので読んでみました。
    世間の父親の視点って色々あって、悩み事が人それぞれあるんだって考えさせられました。
    おそらく同じような悩みとかあれば感情移入できるんだろうなって思いました。

    頑張れ!日本のお父さん!

  • 私は女だし、子供もいないけど、ぼろぼろ泣いてた。いい話がいっぱいだった。
    子どもとの向き合い方、家族の在り方を、男親の視点から描いた素敵なオムニバス。

    子どもの名前の表記にこだわりを感じていいなと思った。日本語のうまいところだよね。

    最近オムニバスばっか読んでるな笑
    こういう、他人の人生をなぞるような、自分とは違う人生をみせてくれるような物語が、好きなんだろうな、きっと私は。

  • 弱小サッカーチーム。
    普通であればその選手である子どもたちの目線が少なからず入りそうだが、タイトルの通り全て父親目線。
    それぞれの章のタイトルは子どもの名前。
    決して父親本人の名前が出てくるわけではなく、〇〇パパのように、子どもの名前+パパと呼ばれている。
    にも関わらず、その父親のパーソナリティがリアルに描かれていて感激を覚える。
    それぞれの章で、自分の子どもの名前だけが漢字で表されるのが、いかにもサッカーチームのパパ同士の関係性を表していると思った。

    個人的には、読み進める中で次の章のタイトルの子どもはどういう漢字を使われているのか想像して楽しんでいた。「ハルカ」という女の子は「春香」か「はるか」とかかなぁ、と思っていたら、見事に外れた(笑)

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。‘99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている。その他の作品に『正義のミカタ』『MOMENT』『WILL』『魔術師の視線』『君の隣に』など。『dele』では原案と脚本を担当し、山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化された。

「2021年 『チェーン・ポイズン <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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