カモフラージュ

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087711813

作品紹介・あらすじ

2019年8月28日、第3回「日本ど真ん中書店大賞」<小説部門>大賞を受賞!

あなたは、本当の自分を他人に見せられますか――。
恋愛からホラーまで、松井玲奈が覗く“人間模様”。鮮烈なデビュー短編集。

・「ハンドメイド」
いつもよりカバンの重い日が好きだ。お昼の弁当に加えてもう二つ、
に彼と食べる用の弁当を作る。食べる場所は決まって“ホテル”で――。
その他、「ジャム」「いとうちゃん」「完熟」「拭っても、拭っても」を収録予定。

感想・レビュー・書評

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  • 「ハンドメイド」夜にホテルで彼と食べるお弁当を作る。
    「ジャム」ホラー的。お父さんをはじめ後ろにはもう一人の人がいる。
    「いとうちゃん」メイドになりたく上京し、メイド喫茶で働く”いとうちゃん”。体重が気になる。
    「完熟」水辺で一心不乱に桃を食べている女性に出会った。大人になっても忘れない。
    「リアルタイム・インテンション」仲良しYouTuber三人組。企画で”本音ダシ鍋”というのを食べながら本音を吐いてゆく。
    「拭っても、拭っても」男性にふられた”ゆり”。心に傷を負うが、その男性のあるクセが問題で。
    の食に関わる六編。
    食に関わるといいながらも、いろいろな角度、視線で描かれてて、予想以上に楽しめました。彼氏を思うもの、子供目線のもの、男性目線のもの。ビー玉やら絆創膏とか彼女が捉えたもの、感性が良かったと思います。幅が広い人なんだなあ。元アイドルってことで読むか読むまいかかなり迷ったけれど、次作が出れば読んでみたい。

  • さまざまなジャンルの短編六編のうち、半分が書き下ろしだなんてスゴい才能の持ち主だと思う。

  • 松井玲奈『カモフラージュ』刊行記念インタビュー | 小説すばる - 集英社
    http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/trialread/201904-2/

    東京新聞:表の顔に隠された本心『カモフラージュ』 女優・松井玲奈(れな)さん:Chunichi/Tokyo Bookweb(TOKYO Web)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/book/kakuhito/list/CK2019041402000193.html


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    油断していると、次々予想を裏切るメニューが出てくるような短編集。
    ――島本理生(作家)
    明太子スパゲティをこのうえなくおいしそうに書ける人。信頼せざるを得ないのである。
    ――森見登美彦(作家)


    あなたは、本当の自分を他人に見せられますか――。
    恋愛からホラーまで、松井玲奈が覗く“人間模様”。鮮烈なデビュー短編集。

    ・「ハンドメイド」
    いつもよりカバンの重い日が好きだ。お昼の弁当に加えてもう二つ、夜に彼と食べる用の弁当を作る。食べる場所は決まって“ホテル”で――。
    ・「ジャム」
    僕のお父さんは一人じゃない。お父さんの後ろには、真っ白な顔のお父さんたちが並んでいる――。悪夢的奇想、ホラー怪作!
    ・「いとうちゃん」
    メイドになりたい。その一心で上京した十八歳の“いとうちゃん”は、メイド喫茶で働き始めるものの、ストレスから体重が増加してしまう。痩せ方がわからず、周囲にも疎まれ不安を募らせていくが――。
    ・「完熟」
    何もない退屈な田舎での夏休み。年上の雰囲気を身にまとう女に僕は出会う。彼女は水辺で一心不乱に桃を食べていて……。そんな昔の記憶が、大人になった僕のフェティシズムを刺激する――。
    ・「リアルタイム・インテンション」
    巷で人気の仲良しYouTuber三人組。本音を吐露してしまうという“本音ダシ鍋”を食す企画の生配信で、事件は起きる。
    ・「拭っても、拭っても」
    広告代理店に勤めるアラサーのゆりは、半年ほど前まである癖(へき)を持つ男性と付き合っていた。その彼に理不尽にフラれたことが心の傷になっていて――。失恋と再生の物語。
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771181-3

  • 松井玲奈さんの『累々』を途中まで読んだことがあって面白かったのでこちらも読んでみました。純粋に、文章が上手い、才能があってすごいなぁと。アイドルとして先に世間に知られていた人だから、どうしても「元アイドル」として括られてしまうのだろうけど、それも失礼なんだろうな。どれも違った雰囲気の短編が6篇。累々の方が好きだったのでそちらを再読したい。

  • 松井玲奈ちゃん、可愛い顔してけっこう抱えてる?と不安になる。こんなほの暗い話ばっかり、、、と思ってしまった。
    人からもうひとり人が出てきて、庭の天使の置物に廃棄する話が衝撃的。
    芸能界っていろいろあるのだろうか…。

    図書館の期限がきちゃって最後の話は読んでないけど、レビュー見る限りその話を読めば良かった。リベンジするかな。

  • 元SKE48の松井玲奈デビュー作です。

    全6編の短編集です。読む前から評判高かったので、自然にハードル上がってましたが、軽々越えちゃいましたね。

    恋愛からホラーまで、いろんな表情を見せる作品に読後感の満足度◎ですね。

    「拭っても、拭っても」は切ないなかに、新しい光を感じつつ、明日も頑張れるなぁっとふと思わせたり、「完熟」では桃がエロい。
    全編を通して、食べ物が描かれているのが、軸になってるのかなぁ?
    「いとうちゃん」でのバターたっぷり明太子スパゲティ食べたい(笑)

  • デビュー短編集。
    バラエティに富んだラインナップ。
    よかったのは「いとうちゃん」と「拭っても、拭っても」。
    メイドになりたくて上京したいとうちゃんの、ちょっとコミカルな展開が、たのしい。
    トラウマに対する繊細な心境と、さりげない救いがよかった。

  • いや、もうびっくり、びっくりしすぎてのけぞりましたよ。
    なめてました、ほんと、ごめんなさい。松井玲奈さん、すごいです。
    10年後、松井玲奈という作家の誕生をリアルタイムで見ていたことがきっと私の自慢になる、そう思う。

    ちょっと切ない恋の物語やらホラーやら官能的な夫婦の瞬間やら、今まで私が知っている松井玲奈のイメージとは全く違うものたちがわらわらと飛び出してきて、もうほんとびっくり箱のようでしたわ。
    それぞれに「食べる」ということをいろんな角度からいろんな色で剝きだしているようで、これは本当にすごい短編集だね。
    いやぁ、ほんと、作家松井玲奈として今後もどんどんびっくりさせてほしいです。

  • 「ハンドメイド」「ジャム」「いとうちゃん」
    「完熟」「リアルタイム・インテンション」「拭っても、拭っても」
    6話収録の短編集。

    元SKEアイドル、現女優の松井さんですが、それとは関係なく一作家の作品として楽しめた。

    全てに共通しているテーマは食べ物を絡めた上での人間の表と裏の顔。

    文章は癖がなく、とても読みやすい。

    狂気を孕ませながら描いた「ジャム」は斬新な発想で悍ましさにゾゾッとする。

    潔癖な彼氏を持ち、自らも潔癖の強迫観念に囚われて行く女性を描いた「拭っても、拭っても」が好み。

    全て読み終えて本のタイトルに納得する。

  • 川上弘美を読んでるみたいだった

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著者プロフィール

役者。1991年7月27日生まれ。愛知県豊橋市出身。著書に小説『カモフラージュ』『累々』(ともに集英社)がある。


「2021年 『ひみつのたべもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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