左岸

著者 :
  • 集英社
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感想 : 244
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712353

感想・レビュー・書評

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  • いつも本を読み終わってから、
    しばらくは現実に戻れなくなります。

    今回もそんな感じ。
    いまだに、ぼやんとした気持ちでいます。


    東京、福岡、パリ。
    さまざまなところを旅して。
    いろんなものを見て、聴いて、触れて、感じて。

    始めは、若々しいパリっとした気持ちでいたけど。
    最後には、
    なにか大きなしこりが胸の奥底にあるような。
    凝り固まっているような。
    そんな気持ちでいます。

    恋もたくさんして、
    そのたびに苦しい気持ちになって。
    あぁまたか・・・と絶望的な気持ちになったりして。


    後ろから誰かに抱きすくめられたいような、
    そうしないと、このしこりが取れないんじゃないかと不安になるような、
    でも、一人で生きていくのかもしれない、というような。

    そんな思いでいます。

    あぁ伝わるかな。



    雨の日の図書館で最後読み終わりました。
    やっぱり泣いてしまったなぁ。
    スルスルと、涙が出てきました。

    なんとも分厚かったが、いい本でした。


    次は、
    右岸です。

    • 円軌道の外さん

      沢山コメントありがとうございます!

      てか、気持ちが伝わる
      いいレビューですよね(^_^)


      読んでて自分自身も
      な...

      沢山コメントありがとうございます!

      てか、気持ちが伝わる
      いいレビューですよね(^_^)


      読んでて自分自身も
      なんとも言えない
      切なさを感じました(≧∇≦)


      図書館って
      例のあそこですか?(笑)

      そこの図書館行きたいやけど
      いまだに行ったことないんです(^_^;)

      結構おっきいですよね♪

      品揃えいいですか?

      2012/07/03
    • maiさん
      ありがとうございます。

      私は、感情を文字にあらわすのが苦手で。
      ついついニュアンス的なものになってしまうんですが。
      擬音語が多かっ...
      ありがとうございます。

      私は、感情を文字にあらわすのが苦手で。
      ついついニュアンス的なものになってしまうんですが。
      擬音語が多かったり…笑

      図書館は、例のあそこです!
      どうなんでしょう・・・予約することが多いので品ぞろえ的なことは分かりませんが。
      でも、前住んでいたところのものと比べたら断然充実していますし、
      中の読書スペースも、川沿いの緑がよく見えて気持ちいいですよ。
      隣がギャラリーみたいになっているので、
      地域の方の写真店とか、書道展とか建築学科の卒業制作とか。
      いろいろやっているのもよく見に行きます。
      いいですよ!
      私は大好きです。
      2012/07/04
  • 茉莉と言う一人の女性の人生を描いた作品。
    ちょっと不幸な、でも平凡な主人公で、よくこれだけの作品になったなぁ~、と思うくらい普通。
    詳しい感想は主人公の幼なじみ・九の物語を読んでから。

  • 辻仁成さんと再びコラボ。幼少期から大人になるまでを描いている。主人公は茉莉。兄惣一郎、幼なじみの九と仲良しであったが、兄が自殺してから家族間が変わり、17才で駆け落ちする。途中、九に告白されるも別々の人生を送る。だが、ラストでお互いに似たような人生を歩んでいたことを知る。

  • 「物事には準備する時間は与えられてないんだ」その言葉のままに幼い女の子、茉莉が様々な出来事に翻弄されながら大人の女性へと成長していく、数十年にも及ぶ物語。茉莉は幼い頃に自殺した兄を始め、人生の節目で大切な人々を失っていく。失くした人たち、失った時間を折に触れて思い出すが、茉莉にできることは何もない。人生にただ流されていくしかないのだ。

    これは一人の人生が詰まった物語でありとても読み応えがあったが、幼い少女が女性へと成長していく様が見事に描かれていた。私の好きな著者特有の憂いの余韻を残すしっとりとした文章を追っていくうちに、私も茉莉の人生に寄り添って生きているような気分になった。
    もっと早く読んでいたかったし、数年後、数十年後にもまた読みたい。きっとそれぞれに違う感じ方をするだろうと思わせる、深い物語だった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「準備する時間は与えられてないんだ」
      と心に思っているのは良いコトですよね。だからって時間に追われるようにして生きたくはありませんが(この本...
      「準備する時間は与えられてないんだ」
      と心に思っているのは良いコトですよね。だからって時間に追われるようにして生きたくはありませんが(この本未読)。。。
      どーでも良いけど、Françoise Saganと何か関係有るのかな?と勝手に思っています。
      2013/08/02
  • 『落下する夕方』に通ずるところがある、透明なぬるま湯でゆっくり溺死するような恐怖を感じる作品。

    自他共に認めるように一見排他的で自立しているように見える茉莉は、結局残像から逃れられず、肉体ばかりが大きくなって年相応のロールプレイをしているかのよう。精神が『惣ちゃん』の妹であることから逃れられずに。だから、遠くへ、行きなさい。(このメッセージの解釈には個人差があるだろうけど、私はこう。)

    『でもね、あたしはあなたに意見されるとが好いとうと。わかっとうことでも、あなたの口から聞くとが好いとうっちゃん』。

    小さな女の子、ではなく、小さな妹、から抜け出せない茉莉が哀しくて、愛しい。

  •  超長編だった・・・P.500超えで、4段の本。。。
     右岸から読み始めるべきだったかもなぁー
     江國香織はちょっと合わないかもしれない。ラストも感動するところかもしれないけど、正直読み切るのに精いっぱいだった^^;

  • なんだろう…。
    主人公の茉莉的には悲しいだけの物語ではないはずだけど、私はすごく悲しくなった。というか不安になった。
    茉莉の幼少期からの様々な人との関わりや自分自身の内面が書かれて茉莉の人生を深く辿る大きなお話なのだが。
    親が旅立つのは仕方ないし、経験済みなので乗り越えられる思いもあるが…今そばにいてくれる恋人も、ある日急に居なくなったり…裏切ったりすることがあるかもしれない…。もういい大人だけど、その時に私は茉莉のように冷静に受け入れられるのだろうか。
    今しあわせなのにそんなふうに考えてしまう私は自分に自信がなさすぎるのかな。
    辻仁成さんの右岸…読もうかどうしようか迷うなぁ。

  • 若いころの無知・無鉄砲。母は母なりの必死さで子を育う一方で、自分の人生を生きたいと願った喜代。その姿は自分の母親と重なり、ようやく自分の母を少しは個人として理解できる気がした。その都度その都度相手の男を全身全霊で好きになり、それ以外の可能性は考えもしない茉莉が、時と経験を重ねるごとに失望し、慎重になって行く様子は私が今味わっている人生の様相と被って胸にしみた。オカルト云々の話はいらない気がするが、それを差し引いても私個人にはずしんとくる作品だった。

  • お兄ちゃん子だった茉莉の幼少期からの大河。ずっしり。サラサラとした濃密さ。死後も声が聞こえる身近な故人たち。風変わりな茉莉がいつの間にか大人になる。福岡、パリ、東京での暮らしや、画家のモデルをしたり、バー勤めから自分の店を持つ仕事模様。幾つもの恋。母娘間が独立したような子育て。娘の成長が感慨深い。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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