桐島、部活やめるってよ

著者 :
  • 集英社
3.30
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感想 : 997
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713350

感想・レビュー・書評

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  • 初めての朝井リョウさん作品。
    桐島本人の視点がない斬新な書き方で、桐島を取り巻くそれぞれの心の揺れ方を繊細に描いている一冊。

  • 期待してた以上によかった。みずみずしい。
    けど映画のラストもやっぱりよかったよね。カタルシスがあった。

  • (2016-01-14)(2019-12-24)

  • 2011/4

  • 桐島が部活を辞めてから、周りの人たちに起こるいろいろな変化。
    高校生のくだらない会話や雰囲気がリアルで、懐かしい気持ちになった。

  • 高校の頃って、
    全部こんな感覚だった気がする。
    描かれている空気感とか
    あーー、こんなだったよなーって。

    今となっては
    つまんないような、些細な世界が
    すげー大事だったり。

    自分が成長したなんて
    たいして思わないけど
    あそこの頃から一歩でも多く
    自分で前進してきてると
    自分がうれしいかも。

    そう、その基準になるものの
    ひとつが高校生活の生き方かもしんない。
    それに気付かせてくれる方法はいくつか
    あるのかもしれないけど
    この本は直裁的だった。

  • バレー部のキャプテンの桐島が部活をやめるらしい。動揺する同じリベロの風助。そんなことは関係ないクラスのカースト上位の宏樹。クラスメイトに片思いするブラス部部長の亜矢。バレー部の新たなキャプテンになった孝介の彼女の実果。そしてカースト下位と自認する映画部の涼介。それぞれの高校生活をそれぞれの視点から描く。

    うーん若い!朝井さんの本はほんと高校生とか大学生の自意識にもだもだしてしまう。しかし実果だけ異様に重い。それで一本書けそう。

  • 桐島くんは登場しない。桐島くんがバレー部を辞めたことがクラスメートや同級生たちの高校生活に大小・微小の波紋を起こす。

    こういう書き方はありだよな。

    性欲より部活をとった菊池くんの今後に期待したい。

    あと竜汰がブラバン部長の亜矢のことが実はタイプだったと、これはなんかうれしかったな。

  • 現在高3、18歳の私。初読は中2。
    今再読して、中2の頃とはまた違う想いを抱いた。あの頃は分からなかった焦燥感や苛立ち、逆に、今だからこそ分かる煌めき。高校を卒業して読み返したらまた変わるのかな。私も、体のことが理由で大好きだった部活を辞めた経験がある。そんなところからも共感してみたり。

    この本は、物語の粗筋よりも、描かれた登場人物の心情表現の印象が強い。んー…批判的な意見もあるようだけれど、そこに注目してみると、言葉に出来ないいろんな気持ちが、ぎゅっと詰まってると思う。

    朝井さんの言葉の重ね方は独特な部分もあるけど、私は好き。再読して、さらに大事にしたい一冊になった。

  • 高校という環境におけるヒエラルキーの各階層の憂鬱がとても上手に表現されている。映画が面白くて手に取ったが、原作は登場人物の独白で進むのに驚いた。映画は全く反対で行間や表情で全てを表現している感じだった。原作はゾンビもない。
    とにかくリアルな高校生の憂鬱に共感、特に前田に共感した私は「下」ってことか。
    くだらないけどそれが全てって時期は確かにあると思う。
    原作を映画が補完している感じ。原作でも語り尽くされていない。映画も多様な捉え方を許すつくり。

  • ④/180

  • 「桐島、部活やめるってよ」

    バレー部のエース桐島が部をやめる。

    ただそれだけのこと。

    だが、それによって
    高校生が生きる小さな世界が
    小さく小さく回り出す。

    バレー部
    映画部
    女子ソフト部
    帰宅部…

    桐島とは面識もほとんどない人間が
    それぞれにとって
    何か大切なものを見つけていく。

  •  私が高校生だった頃とはだいぶ違う、現代の生々しい高校生活。この時期特有の悩み、迷い、イライラやあきらめなど、クラス内のいろんな立場の5人の視点から順に描かれているが、どれも共感できた。
     リアルすぎて息苦しいほどだったが、最後はそれぞれ自分で切り抜けていく意欲が見られてよかった。

  • 2015.07.27

  • 高校生に限らずイケてるグループとイケてないグループって確かにあるかもしれない。桐嶋ってイケてたはずなのにそのレールから外れちゃったみたいだけど、菊池宏樹みたいな奴がいてよかった。好きなこと、大切なことに折角出会えたのに詰らない理由で諦めたり手を離してしまうことってあると思う、若い時は特に。でも個人的には何があっても自分から手を離しちゃダメだと思う。好きなこと、好きな人、これだって思えることにどれだけ出会えるかっていうとそんなにない気がする。転職したり離婚したりすることもあるけど、もともとそれを前提に選んだりはしない。部活やめるってなんかそれを象徴してるかもしれない。宏樹が桐嶋にちゃんと伝えてくれるといいな。

  • 共感できないわけではないが年が違いすぎるのかなと思った。対象年齢外だった。

  • 真剣にやれて楽しいと思えることがあれば、輝けるんだってこと。辛いことや、いったん離れたとしても、それでも、また輝けるはずだって。勇気をもらいました。

  • 作者よりも年齢的には若いためか、大まかな話しの筋なんかを除いて、もっと細部の日常的な部分の会話なんかに着目して読むと、「あぁ、古いな」と感じてしまったのが正直なところだった。古いと言っても、数年前に本作に出てくるそういえばアレ流行ってたよねという程度のものなのだが。ともかく、今の高校生であれば昼休みだと学校によってはスマホを持ってLINEやパズドラなんかをしているし、音楽の趣味も本作の人物達と比較して移り変わっている現状。恋愛関係のアッサリとしたものやスクールカーストの上位と下位、その中間に基点を置き下に落ちず上に上がれるようにといった場面は自分も見てきた景色、日常がよく描かれていた。
    純粋な世代という考えを抜きにして読んでみると、それぞれ何らか悩みや問題を抱えた人を視点に複数の交錯を経て無意識的にも刺激を与えたり受けたりするという面白い構造、仕組みになっていると感じた。ただ、どこかで見たような、聞いたような、そういう要素が多く感じられたし、”宮部実果”の節は特殊で異物感があって物語に必要な要素なのか? と思ってしまった。

  • 映画と違う物語。今時の青春もあんまかわらないんだなと思った。

  • もっと若い頃に読んだら、感化されてるのかも?
    なんか、盛り上がりきれなかった。

  • 桐島が出てこない。
    あさのあつこの本のような、もっと現代的ような。
    桐島の退部をキッカケに、周りの人が影響を受ける様を描いたもの。それぞれちょっと消化不良のような気もする。一番最後のストーリーが一番良かったかな、というか落ち着く。

  • 2014/06/09

  • 以前、映画は見ていたが今回初読。
    映画のときはよくわからないまま終わったが
    この本を見てスクールガーストについて理解できた気がする。
    高校生もいろいろ大変やなって思った。

  • 学生時代特有の、人に順位をつけたり、弱いものを見下すかんじが、読んでて苦しくなった。本の後、映画を見てみたら、またまた。おもしろいんだけど、ちょっと、どきっとする作品。

  • 高校生5人の視点でその日常を描いている。それぞれの話が絡み合っており、「桐島が部活をやめる」というエピソードが何かしらからんでくる。ただし、桐島本人は出てこない。ストーリーはあってないようなものだが、クラスの中の階層分化など、高校生の日常の描写としてはリアルでよくできていると思う。特に、菊池宏樹が映画の撮影に夢中になっている前田涼也たちに「ひかり」を感じる描写が印象に残った。そういう感覚、わかる気がする。

  • 第22回小説すばる新人賞受賞作。

    バレー部のキャプテン・桐島が、突然部活をやめた。そこから、部活も校内での立場も全く違う5人それぞれに起こった変化をそれぞれの立場で描く。とは…?瑞々しい筆致で描かれる、17歳のリアルな青春群像。

    深く考えずにさらっとよめた。
    さらっと読めたけど、心に何か残るようなものがなかった。ただ、高校生達のそれぞれの立場の心理描写がよく書けていて、自分の高校時代を思い出すような作品だった。桐島が出てこないところもよかった。

  • こういう感覚が薄れていくのをすごく感じた(^^;;

  • 資料ID:98100036
    請求記号:913.6||A
    配置場所:工枚普通図書

  • 2015/1/18読了

  • ちっぽけな高校の中だけが人生のすべての高校生活。
    誰もが粋がり、誰もが不安で、何かしらをよりどころにしてサバイブしている。
    言いたくないけど、確かに上と下があるんだよね、生徒のレベルに。頭がいいとか、性格がいいとかの前に。目立つ、要領の良さか。

    この時代が過去になったとき、みんな、苦笑いしながらこの本を読むといいね。時代は変わっても高校生であるという危うさはみんな同じだろうから。

    bitterな後味。



    bookoff ¥200

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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