はとの神様

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 75
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713978

作品紹介・あらすじ

転校してきたばかりの小学5年生のみなとは、学校になじめず、家では病的に潔癖症の継母につらくあたられる日々を過ごしていた。ある日の放課後、街中で会ったのは同級生の悟。悟は妙に大人びて、いろんなことを知っているクラスの物知り博士だった。ふたりは、偶然つかまえた迷子のレース鳩を、飼い主のもとに届けに行き、そこでオランダ人の父を持つ美しい少女・ユリカに出会う。ユリカはふたりに「この街が大嫌いなの」と打ち明け…。坪田譲治文学賞受賞作家が描く、小さくて大きな冒険。

感想・レビュー・書評

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  • 青春小説といえばそうだけど、
    全然爽やかじゃない。

    舞台は1980年代だけど、
    結局、今の時代の問題と何も変わらないんだよな。
    子供って辛いなあ。
    大人には大人の苦労があるけど、
    自分でどうしようもない子供の辛さが染みる。

  • 稚内から消えたライちゃんとユリカの行方が気になる

  • 【あらすじ】
    転入したての5年生、みなと。父の仕事の都合で各地を転々、病的に潔癖な継母との毎日に、何かを待ち続けていた。同級生・悟は物知り博士。父が鳩レースにのめり込み、母と離婚していた。そんな二人が鳩を拾う。持ち主のオランダ人に届けにいき、同い年の娘ユリカと出会った。居場所のない者同士、響き合った三人は、自分たちだけで鳩を飛ばしに遠く稚内を目指す。少年たちの冒険と成長を描く傑作長編。

    【感想】

  • 児童向けのような装丁と紹介がされているけれど、とてつもなく色々な人生の要素が緻密に織り込まれた、大人のための物語だと思う。ある女の子の家で飼われているレース用の鳩をひろった、共に不幸な境遇を生きる2人の男の子の物語が、小学生時代と三十代半ばの二部構成になっている。成長とともに、なぜか昔憎んでいたものの方へと引かれていってしまう。そして、時間とともに一歩一歩それらを過去へと変えていく後半の現実味がすごい。構成が素晴らしく、訴えかけるものが多すぎて、感想が書けない・・・。

  • 潔癖症の継母をもち、気が弱い「みなと」、レース鳩の会社の社長の息子である「悟」、ハーフで目立つことを嫌がる「ユリカ」。この3人が、稚内で鳩を放すために大冒険!読めば爽快になる小説。

  • レース鳩に関わる、少年2人の人生の話。
    ひたすら時系列に事実を並べている印象で、やや面白味に欠ける。
    でも丁寧に書かれていることは判るし、人生を軽んじていないことにも、好感が持てる。

  • 資料ID:21101831
    請求記号:

  • はとにもレースにも興味は全くもってないけど(笑),所々に名言が散りばめられてると思う。

    それがただのかっこいい名言じゃなくて,なんていうか,人間臭くていい。とおもう。

  • 図書館の新刊コーナーにあったので、じゃけ借りしてみた!
    鳩レースを題材に、子ども達の成長・友情などを描いた小説。
    後半は、主人公たちが大人になってからのお話。
    小学生ならではの悩みとか、ずるさとか、純粋さとか、
    形は違えどこんな風なことあったよなー。
    角度をかえてみたら違って感じたり、大人になったら自然と気付くこともある。
    そういうことを思い出して、懐かしくなった。
    読みやすくって一気に最後まで読みました。


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  • 「鳩レース」のお話です。
    前半は主人公の小学生時代、後半は大人になってからの物語。

    鳩たちの帰還を待つ間、「祈る」みなとと「祈らない」悟。
    鳩レースに対する姿勢も正反対な二人ですが、よきライバル関係の二人。

    私自身、これまで鳩に愛情を持って接したことなどなく、レース鳩とドバトの区別があることも知りませんでした。
    でもこの小説の中の鳩に関する描写がとてもリアルで、鳩の世界に興味がわきました。

    「神様なんて、いない。でも、いまぼくは祈っている」

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著者プロフィール

1972年栃木県生まれ。茨城大学大学院人文科学研究科修了。映画館の映写室でアルバイトをしながら小説を執筆し、2002年『プリズムの夏』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。07年には『空をつかむまで』で坪田譲治文学賞を受賞。他の著書に『ブックのいた街』、『はとの神様』、『ナツイロ』、『シグナル』、『潮風に流れる歌』などがある。

「2018年 『サニー・シックスティーン・ルール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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