赤と白

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715019

感想・レビュー・書評

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  • 豪雪で停電になった新潟県のある市で火災が起こった。発見された遺体は2体。登場する女子高生はみな家庭環境や親との関係性で苦しい空間に身を置いている。小さな世界で友情や愛情がすべての中でもどかしいすれ違いが結果、悲劇を生む。どこかでこの少女たちを助けてあげられる術が無かったのかな。まだ年端もいかない少女たちが背負うには苦しすぎた。

  • 各々が抱える事情。
    親しいからこそ知られたくない事はあるだろうが、隠し続けることが出来ないなら話すべきなのかもな。
    明らかに間違った言動なのに、すぐに注意出来なかった結果なのかもしれないな。

  • 読みやすくてサラサラっと読めた。
    読後感が良くないってあったけど、読んでる途中の方が気持ちが沈んだ。
    女子高生の友だち間のすれ違いってアルアルだけど、弥子も小柚月も毒母に追い詰められて、いつ止むのかわからない大雪に追い詰められて、2人の感じが息苦しさがたまらない。
    新潟の雪はたまらない。冬は殆ど太陽が見えないし、積もった雪に大変な思いをさせられるのに溶けてしまえば、あの苦労はなんだったんだろう?と虚しくもなる。
    京香がもっと絡むのかと思ってラストまできたけど、逆にあっさりとした絡みで、そんなハズレもまた楽しかった。

  • 雪深い田舎町に暮らす高校生の小柚子と弥子は、幼い頃からの親友だったが、互いに好きだからこそ言えない秘密を抱えていた。
    2人にとってかつて親友だった一家が再び町へ帰ってきたことで、次第に2人の関係は変化していく。

    田舎町と思春期、どちらにも存在するある種の呪いのようなものが執拗に丁寧に描かれていて、ヒューマンホラーとして背筋がゾッとした。
    どうして思春期って「何もかも壊れてしまえ」「みんな死ね」って衝動を持ちやすいんだろう。人間の心って不思議。
    健全な青少年、が逆に嘘っぽく感じるのはわたしがねじ曲がった人間だからなのかしら……。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 後味悪いけど、おもしろかった。
    母親に愛されないって、辛いことだなぁ…

  • いや怖……っ

  • 重い。最後までひたすら重い。それなのに、ページをめくる手が止まらない。

    表向き明るく振舞っているけれど、家庭に問題を抱える小柚子と弥子。仲がいいからこそ打ち明けられず、それ故にすれ違っていく2人。親友にとって自分が一番でなければ許せない、あの年頃特有の傲慢さ。あー、何か分かる気がすると、そこだけは共感できる。

    とにかくどうしようもない親しか出てこない。病気の兄に臓器提供させるため、叔父の世話をさせるためにつくられた子供って何だ。
    そして嫉妬と狂気に満ちた苺実。
    ミステリーでもホラーでもないけど、地味に恐い話だった。

  • 文学

  • 赤と白
    櫛木理宇さん。

    人それぞれ。
    いろいろなことを抱えて生きている。
    高校生。
    抱えているものが、重すぎる。
    学校では普通に過ごしているけれど、
    家庭状況が重すぎる。
    抱えて頑張って抱えて。
    重すぎて壊れる。
    悲しい。
    けれど、生きていく。
    生きて欲しい。

    引き込まれて先へ先へと。読み続けました。
    うん。
    おもしろかった。



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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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