にじいろガーデン

著者 :
  • 集英社
3.55
  • (85)
  • (186)
  • (223)
  • (36)
  • (11)
本棚登録 : 1707
感想 : 210
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715781

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 子どもをつれて19歳の少女と駆け落ちするアラフォー女性。やがて少女が子供を産み、4人での暮らしが始まる。お母さんふたり、こどもふたり。序盤はテンポが悪く読みにくかったがだんだん面白くなってきた。色々と考えさせられる。主人公がなぜ同性愛に目覚めたのかはよくわからない。正直後味はあんまり良くない。

  • まーちさん、hi2515さんといったレポ先駆者がいらっしゃいます。
    ストーリーはそんなに詳しく述べませんが・・・・
    世間一般の常識からはちょっとかけ離れた、ある家族の物語でした。

    草介という子供がいるバツイチ主婦泉と
    留学していて1年学年高校をダブっている女子高生千代子。
    ふとしたことで知り合った二人は、
    なぜかお互いに魅かれあい、
    ついには草介も連れて、理想郷で暮らそうと旅に出ます。
    三人が辿り着いたところは、
    マチュピチュ村と草介が名づけたほどの山奥の一軒家でした。
    あまり人の来ないその村で
    泉と千代子は、レズという事実を隠さずに生きていこうと、
    レインボーフラッグを高々と掲げて生活を始めました。

    そのうちに、千代子の妊娠が発覚。。。
    父親は泉と知りあう前に千代子が付きあった相手ですが、
    泉は千代子と二人の子供として育てようと決心しました。
    そうして生まれた女の子宝も交えて、
    マチュピチュ村での生活は
    満ち足りた楽しい家族の時間として、ゆっくりと流れていきました。
    広い住みかを民宿のような「ゲストハウス」にし、
    宿泊客と夕食をともにしたりと、のどかな毎日です。
    そんな中、千代子の病気が発覚して家族たちは大慌てに・・・・。

    4章からなる話は、
    泉、千代子、草介、宝、のそれぞれの視点で語られています。
    語り手が変わっても、常に物語の根底に流れているのは、
    お互いを思いやる温かな気持ち。
    どうしたらこんな「家庭」が築けるのでしょうか。
    不思議に思いながら読んでいきました。
    家族というものを、考えさせられる作品でした。


    ※小川糸さん、お得意のお料理メニューも
    物語の中にチラホラと盛り込まれ、
    森の中のゲストハウスのキッチンは、
    「食堂かたつむり」を思い出させます。

  • 「虹色ガーデン」小川糸◆泉と千代子、年の差レズビアンカップルでお互い子供がいるという、世間の目を考えるとなかなか難しい一家は、それでも前を向く。同性愛云々を考えさせるというより、ごく普通の家族小説。喧嘩をしたり子供に手を焼いたり、そこに性別は関係ない。これが当たり前になると良い。

  • 四人家族が、マチュピチュみたいな風景の棚田がある村でゲストハウスを営みながら暮らしていく話。
    両親は千代子と泉でレズビアン。
    千代子の子の宝と泉の子の草介。
    泉は前の旦那との子供で、千代子は高校生の時に試しに付き合った彼との子。
    千代子が嵐のように泉と草介を巻き込んで世界を変えていったような感じ。
    ラストが急。「つるかめ助産院」もそうだったけど、最後がいつも唐突。

    何故か連続して同性愛の本を読んでいて、人を好きになるっていう純粋な気持ちの美しさをみた気がする。そこに肉体関係が始まるとまたややこしくなるんだろうなぁ。

  • 2015.06.20

  • 気持ちがわからないと思いながら読み進めるも
    ボスの言葉、そうすけの思いに涙が溢れるのにとまどった。変なの。

  • よしもとばななの雰囲気がただよう感じ。

    だけど、なんかいろんなことが唐突で、ちょっとついて行けなかった。
    泉と千代子が結ばれるのも、子供が生まれるのも、いつの間にか成長して大きくなったり。平凡の中のイベントが如何にもこうにも、イベント続きに感じてしまって。草介の事故とかも、もっとフラグあっても良かったよなぁ。
    もう少し上手にきりとったらよかったのになぁ。

  • 途中、よしもとバナナだったっけ?なんて思いながら読んだ。
    泉と千代子は同性婚。←法的には結婚できてないけど、
    カカとママとしてそれぞれの子どもを育てながら家族になっていく。
    小さい頃の草介をもっと見たかったな。
    別れた旦那さんは草介に会いたくないのかな。
    出番なしだったけど。
    同性の恋愛感情はまったくわからないけど、いたわりあう家族は良かった。
    ラストはちょっとツライ。
    ハワイとか、ロミロミとか、虹とか、書きたかったのかな。

  • 目覚めるといいのに。

  • 内容紹介
    三十代半ばの高橋泉は、別居を続ける夫との行き詰った関係に苦しんでいた。
    仕事帰りのある日、泉は駅のホームで女子高生の島原千代子と出会う。
    千代子は自由な生き方を認めない両親との関係に悩み、命を絶とうとしていた。
    心の痛みを分かち合ううち、ふたりは恋に落ちる。お互いをかけがえのない
    存在だと気付いたふたりは、泉の一人息子・草介を連れて、星がきれいな山里
    「マチュピチュ村」へと駆け落ち。泉と千代子の苗字をかけあわせた“タカシマ家"の誕生だった。
    やがて千代子は、泉と出会う前に関係を持った男性の子どもを出産。
    宝と名づけられた長女が加わり、一家は四人になる。
    ゲストハウス開業、念願の結婚式&ハネムーンツアー、千代子の闘病、そして……。
    喜びと悲しみに彩られたタカシマ家十六年間の軌跡を辿る、新たな家族小説の誕生。

  • 泣けたわ。

  • あらすじ知らなかったからまさか同性愛の話だと思わなかったけど、とても心に残る話だった。

  • それぞれに子どもを持つ、レズビアンのカップル。血の繋がりのない母二人、子二人の一家が、家族として成長していく姿を描いている。

    唖然とするくらいふわふわした前半は、レズに目覚めるくだりも唐突すぎてリアリティに欠ける。そして後半は一転して深刻になり、不治の病やら自殺未遂やら、取って付けたような展開に。
    マイノリティにスポットを当て、血の絆より強い家族愛を描こうとしたのだろうけれど…。表面をさらっと撫でただけで、作者自身がこの重いテーマを消化しきれなかったのかな、という感じ。

  • こんな家族が世界中にあればいいのにと思った。

  • 確かに温かく、優しい気持ちにあふれた素晴らしい作品です。でも、ふと現実に帰ったとき、こういう一家が我が家の隣に引っ越してきたらやだなぁ気持ち悪いなあと感じるワタシが確かに存在します。
    これからのこの世界で、LGBTを受け入れるのか(つまりワタシは受け入れられていないということか?)、それが良いことなのかを問われると、ワタシは困ってしまいます。
    レインボーフラッグの持つ意味をこの作品で初めて知りました。登場人物が順番に一人称で語る書き方、新鮮で心地よく感じました。

  • 小川さんらしい、心温まる系のお話でした。
    目次だけ見て、駆け落ち、結婚、ハネムーン…というハッピーハッピーな話かと思ったのだけど、女性の同性愛カップルと家族の、いいことも悪いこともな人生の物語でした。

  • 御伽噺のように美しい愛情に満ちたストーリーに、あたたかく力強い家族の絆と切実で現実的な問題。
    そして、悲劇。
    家族って血じゃないって思うけれど、
    強い絆で結ばれた家族でもやっぱり本人にしかわからない想いがある。
    泉と千代子の関係はとても素敵だけど、
    草介の想いを考えると涙が止まらなかった。
    千代子にはわかってたんじゃないかなぁ。
    あんなラストって、あり?
    あまりにも、な展開に憤りすら感じたけれど、
    タカシマ家のこれからに明るい未来が待ってると信じたい。

  • 小川糸さんの本は優しいネ。
    陽だまりにいるような暖かさがある本でした。
    同性愛の両親とその子ども達との視点で物語が進んでいくから、全員の気持ちも良く分かって、全てがクルッと回って腑に落ちる。
    だから、読み終わったあともオールスッキリ!笑
    難しいテーマだけに考えさせられるコトもたくさんあったなぁ。
    全てに対して偏見は持ちたくないと思ってる時点で、偏見の目で見てるってコトに繋がるし、気にしないになるとそれは無関心になっちゃう。
    言葉はホントに難しいネ。

  • 何があっても、受け入れて許すことが大事よ。

    虹色憲法
    自分には決して嘘をつかない。
    一日に一回は、声をあげてげらげら笑う。
    うれしいことはみんなで喜び、悲しいことはみんなで悲しむ。
    絶対に、無理はしない。
    辛かったら、堂々と白旗をあげる。

  • 小1の息子がいる女性が高卒ほやほやの女性と出会って恋に落ちる。なぜか娘が生まれて4人で暮らすストーリー。同姓同士の愛には障害が多いんだろうな。

  • 最初は少しメルヘン的な印象が強かったものの、後半で様々な難局も出てくる中で、家族という単位の大切さを感じることができた。各章ごとにメインの人物がかわるのも面白かった。「あぁ、あの人が感じていたこんなことは、実際はこの人はこう思っていたのか。」みたいに、多面的に納得感が深まった。読了して思えば、一定の時間軸をいろんな登場人物の視線で繰り返し記すことにより、一つの深みがある物語を作られており、読み始めに「なんか薄い話だなぁ」と思ったのはある意味必然か。
    自分の、家族の人生って、こうありたいなぁと思える話でした。

  • 最初の10ページくらいでもう無理だなと思ったけれど、乗り掛かった船なので読了。
    感想を一言にまとめるなら、「がっかり」。フツーじゃない人々・どこか浮世離れした場所での暮らし・小ぢんまりした店の経営・大切な人の死、どの設定も著者の処女作『食堂かたつむり』の劣化版にしか見えない。登場人物には血の通った感がなく、かれらを取り巻く環境の描写もほとんど為されない。
    読めば読むほど嫌いになっていく作家にお目にかかるのはこれが初めてだ。『食堂かたつむり』が大好きだった一読者としては、あれ以上のものが書けないのならもういっそ筆を折ってくれないかと思うばかりである。

  • 最初は面白そうな設定だなって思ったけど中盤から話が現実的じゃなさすぎてフワフワしていてついて行けなくなった。感情移入が出来ないからか。読むのをやめようかと思ったけどラストが気になるので読んだ。うーん。

  • すっごく読むのが辛かった。
    小川糸さんは比較的好きな作家さんだったけど、この作品は??
    登場人物がみんな脳内お花畑?状態の人たちで、それなりに困難もあるわけだけど、それはあまり感じなかった。
    まわりにいる人もいい人か、嫌な人だけど改心したといった人ばかりで、ほんわか現実離れした感じ。
    でもって、登場人物の2人が病死だったり自殺したりで、それはそれで悲惨なんだけど、泣けてこない。
    なんででしょ。

  • さすがは小川さんの作品と思い、読んでいましたが、最後がねー、どうしたかったんでしょう?
    私には理解できません。
    ハワイがねー???

  • 今にも自殺しそうな少女「千代子」を救うため家に連れて帰ったシングルマザー「泉」
    レズビアンである事を悩んでいた千代子を救おうとして、泉は自分も彼女を愛している事に気づく。
    マチュピチュと名付けた星の綺麗な村の廃屋を改造して、息子と新しく生まれた娘と平和に暮らしていたが・・・。

    一生懸命幸せ探しをするマイノリティの人たち、ラストには幸せになってほしかった

  • ゲイのカップルもステレオタイプに当てはまらない家族も、それら自体に現実味や説得力がないわけではないのに、この小説においては圧倒的にリアリティに欠ける気がした。ただ、そもそも小説とは"作り話"であってみれば、フィクション・おとぎ話としてさえも入り込むことができなかったというのは、単に好みの問題なのでしょう。
    登場人物の気持ちが理解できないというのではなく、部分部分では共感もし感動もする。でもこの作品は、読みながらつい「ゲイのカップルや彼ら彼女らが作った家族が読んだらどう感じるんだろう?」なんてことが気になったり、いや、実際にそうした方が読んだら「そうそう!」ということなのかもしれないわけだけど、つまり私は「この小説世界に遊ぶことができなかった」。

  • オハナはハワイ語で「家族」の意味だそうです。
    H27.2.25読了

  • 概要:今の結婚生活に疲れつつも離婚に踏ん切りがつかない泉、親に自分を否定され自殺を考えていた千代子が出会い、山里へ駆け落ち。泉の息子の草介、さらには千代子が前の男性と関係を持ったときに孕んだ宝も連れ、家族4人での共同生活が始まる。

    駆け落ち先の「マチュピチュ村」では二人の関係を快く思わない人間からの嫌がらせにあいながらも、前向きに試行錯誤を続ける。

    「マチュピチュ村」での居住場所は小学校の分校として建てられ廃校になったまま使われていない建物。そこをきれいに生活が出来る状態までにし、さらにそこでゲストハウスを始める事に。

    中盤は色々な問題や衝突がありながらも幸せな生活を送り、小さかった子供たちもだんだん大人に。

    しかし千代子の死という展開で物語は終息に向かう。
    千代子が死んで間もなく草介もバイク事故を起こし植物状態に。

    残されたのは血の繋がらない泉と宝。それでも二人はお互いを家族と捉え、度重なった不幸で止まってしまった時間を動かし始める。




    感想:最初は二人の駆け落ちの流れや子供の物分かりの良さなどに現実感が無いような気がした。

    けれど読み進めていくうちにレズビアンマザーに対する偏見、それを受けての葛藤、困惑が痛切に伝わってきて何度も涙ぐんでしまった。

    それぞれの章が家族4人分、一人一人の視点からの語りになっていて、特に子供二人の語りにはぐっときた。

  • 現実感があまり無く、メルヘン?
    でも、そのメルヘンさを楽しむのが、この作品の醍醐味

全210件中 121 - 150件を表示

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川糸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×