- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087717266
作品紹介・あらすじ
さようなら、友だちと遊びまくった日々。
世代を超えて愛される、シーナ・サーガの少年時代!
小学校を卒業し、ついに中学生になった椎名少年の
楽しくもフクザツな心のうちを鮮やかに描き出す。
累計470万部突破の私小説シリーズ、シーナ・サーガの真骨頂!
「自分の子供の頃はどんなだったのだろう。ということがいきなり気になってしまった。子供心にも謎の多い家でそだったからだ。とくに『岳物語』の主人公が、六年生になったあたりで書くのをやめたのがずっと気になっていて、自分はその年齢の頃に、いったい何をして何を考えていたのだろうか、ということがえらく気になった。自分がいた「私小説」の世界はどうもいろんなところが暗くくすぶっている」(あとがきより抜粋)
【著者略歴】
椎名誠(しいな・まこと)
一九四四年東京生まれ、作家。「本の雑誌」初代編集長。流通業界誌編集長を経て、七九年『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー。八九年『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞、九〇年『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。「怪しい探検隊」シリーズ、『岳物語』『大きな約束』『三匹のかいじゅう』など著書多数。
感想・レビュー・書評
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著者の私小説シリーズ。
著者の小中学校時代の話。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久々の椎名誠。
私小説の中で、この作品は椎名さんの家族を知るのに貴重な本。
今回は、後半涙が出てきた。
愛犬ジョンが行方不明になって、椎名少年が一人で一生懸命に探すところが
愛犬への愛情がにじみ出てきて、椎名少年の純粋な心が58歳の自分に伝わってきた。
そのほか、あとがきに書いていたことは初めて知った。
『予知夢』の事が書いてある。
ある日、長いこと合っていなかった母親が自分の腕で苦しんでいて、今にも
死にそうな場面の夢を観た。
その朝、早くに兄弟に電話して実家に向かう。
そのあとに母親の訃報の連絡が入った。
こんな事って現実にあるんですねえ。 -
文書が読みやすく、話の進め方のテンポも良いので、どんどんページをめくりたくなります。
椎名少年と周囲の情景、空気といったものを、その時代を体験していない私でも、ありありと想像することができる巧みな表現力が素晴らしいです。
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ジョンとの別れが切ない。本当にバカかかあだ。
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自身の小学生の頃を題材とした私小説です。
とは、言いつつもフィクションは入ってい
ないとあとがきでも語っているので、本当
に子ども時代を回顧した思い出ばなしなの
でしょう。
今後は中学生、高校生と成長して、最後は
あの「哀愁の街に霧が降るのだ」の時代へ
とつながっていくのかな、と思ったのです
が違うらしいです。
さすがに多感な思春期を克明に描くのは気
遅れするのか、この物語はこれで終わりの
ようです。
あとがきで自身の家族と一緒にニューヨー
クで過ごす夜が出て来ます。
「人生の中で今夜はかなりいい夜なんだろ
うな。これこそ私小説の個人的なクライマ
ックスなのだろうな」と感じたそうです。
そんな風に思える人生は素晴らしいです。
しみじみと家族のことを考えるきっかけと
なる一冊です。 -
椎名さんの小学校高学年から中学時代をモデルにした私小説。父親が亡くなり、踊りの教室を始めた母親と年の離れた長兄、叔父さんとその息子、弟、そして愛犬ジョンと猫のハチ。昭和の千葉の海沿いの町の少年時代を描く。
まるで兄弟のようだった愛犬のジョンの最後がすごすぎて、唖然としてしまう。すごい母親だ。 -
思わず「イキオイヨク」「フハフハ」「タノシミ」「ヨロコビ」などが頭の中で飛び跳ねてしまう。
そーゆーの好きだけど。
読み終えたとき、ついつい自分の子ども時代、昭和の風景、家族や親せき、近所の人たちのことをしみじみと考えたくなった。 -
椎名さんの育った家での出来事。
椎名さんのいつもの本とは少し違う感じ。