- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087717709
作品紹介・あらすじ
首なし死体がすべての始まりだった。
警察組織vs悪魔と呼ばれる男vsカルト教団vs元キックボクサー。
囚われた“彼女"の奪還。愛する人を失った者たちの復讐劇――。
疑いなき信仰心に警鐘を鳴らすセンセーショナルな最新長編。
東京・五日市署管内の路上で、男性の首なし死体が発見された。刑事の鵜飼は現場へ急行し、地取り捜査を開始する。死体を司法解剖した結果、死因は頸椎断裂。「斬首」によって殺害されていたことが判明した。一方、プロのキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内にある製餡所で従業員として働いていた。ある日、同じ職場に入ってきた有川美祈に一目惚れするが、美祈が新興宗教「サダイの家」に関係していることを知ってしまい……。
【著者プロフィール】
誉田哲也(ほんだ・てつや)
1969年東京生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。警察小説として『ストロベリーナイト』をはじめとする〈姫川玲子シリーズ〉、〈ジウ・サーガ〉、青春小説として『武士道シックスティーン』をはじめとする〈武士道シリーズ〉など、幅広いジャンルで話題作を発表し続けている。他の著書に『あなたが愛した記憶』『背中の蜘蛛』『もう、聞こえない』など多数。
感想・レビュー・書評
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すごく猥雑なところのある話ですが、面白かったです。
西多摩郡檜原村で首なし死体が発見されます。
鵜飼刑事らは首なし死体の主をカルト宗教の「サダイの家」からの脱会者の相談にのっていた弁護士であったことを突き止めます。
鵜飼刑事は若い頃「サダイの家」に恋人だった女性教師を殺されています。
そして元キックボクサーの河野潤平は勤め先の餡子工場にバイトで入ってきた少女有川美祈19歳に惹かれ、何度か誘いをかけてもつれなくされ、後をつけてみると、美祈が「サダイの家」に入っていくところを目撃します。
そして数日後、潤平は謎の男女の二人組に拉致されますが、その二人からキックボクシングの腕を買われ、美祈が教祖らから性的暴行を受けていることを聞かされ、「サダイの家」から美祈を奪還する計画に引き込まれますが…。
「サダイの家」は狂ったカルトとしか言いようがなく、潤平たちは首なし死体がゴロゴロする中、カルト宗教から美祈を守ろうとします。
鵜飼刑事も後半、協力して、カルト宗教「サダイの家」を追いつめていきます。
ちょっとB級なミステリーとでも言ったらいいのでしょうか。ちょっとしたユーモアもあり390ページ一気読みの面白さでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶり!
やっと来ました
これぞ誉田哲也!
誉田哲也さんの良いところが詰まった傑作です
面白かった!
ってまぁこれで終わりにするのもあれなんで、じゃあ誉田哲也さんの良いところって何よって話です
・ちよいグロなのになぜか読みやすい
・敵方にもドラマがある
・あんまり懲りすぎないいい感じの裏切りもある
・程良い恋愛要素にユーモア
・ヒーローになりきれない愛すべき主人公
・最後にちょっとだけ救われる
チャラララッチャッチャー
ひまわりめろんは箇条書きを覚えた!
あれこれネアンデルタール人じゃなかったネタバレになる?ならないよね -
首なし死体、カルト教団、元キックボクサー、、、
と、大変期待して読んだが~
ちょっと軽い雰囲気を感じてしまった。 -
新しい従業員の美祈にひとめぼれした潤平は、彼女が新興宗教の施設から通っていることを知ってしまう。
一方警察は、男性の首なし死体の捜査を始めて……。
残酷なシーンがいくつかあり、そこは読んでいてつらかった。
新興宗教の闇もきついものがあり、潤平のまっすぐさが救い。
ヤクザやキックボクサーがいるため、アクションシーンが多め。
うまくいき過ぎる感はあるが、前向きなラスト。 -
『ストロベリーナイト』の作者、誉田哲也の作品。
初読みです^ ^
すごく読みやすくて、頭に映像が浮かんできました。
これは……
映画やドラマになりそう!!
カルト教団の内部では一体何が起きているのか…(´ºωº`)
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東京・五日市署管内の路上で、男性の首なし死体が発見された。
刑事の鵜飼は現場へ急行し、地取り捜査を開始する。
死体を司法解剖した結果、死因は頸椎断裂。「斬首」によって殺害されていたことが判明した。
一方、プロのキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内にある製餡所で従業員として働いていた。
ある日、同じ職場に入ってきた有川美祈に一目惚れするが、美祈が新興宗教「サダイの家」に関係していることを知ってしまい……。
(Amazon 作品紹介より)
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幼少期からの信者からしてみれば教団の教えは当たり前の事で、何かがおかしいと気付いた頃にはもう抜け出せない…。
宗教の印象です。
人間は弱いもので、神を崇める、救いとなるという事に関しては、信仰も必要なことなのかなと思いますが…。
家族内において、学校内において、社内ににおいて、洗脳されていない場所なんてないと思っています。
全て『善』だから問題ないとも言い切れない。
『普通』や『当たり前』が通じないのも育ちが違う個々の集まりだからです。
信仰による救いがあるからこそ生きていける人もいる。
なので、100%否定はできないですが…。
「漫画や小説にだって、人の心を癒したり、救ったりすることはできる。(中略)聖書は、そういう娯楽の、最古の古典だと思えばいいんだって……」
(本文より)
このセリフ、何だか納得してしまったのです。
心を動かす作品は自分の行動にも少なからず影響を及ぼしています。
昔何かで、ビジネス書や哲学書などは一冊の著者に洗脳されないよう、似たジャンルを数冊読む方が良いと知りました。
私の中の聖書は小説ですね^ ^
読書中はいつも癒されています。
作家さん達に改めて感謝♡
小説はエンタメですが、聖書は色々な解釈のできる神からのお告げです。
「神の言葉が絶対」の人への影響力は恐ろしいくらい。
戦争に発展する程重要な事です。
小説のエッセンスとして宗教はよく使われますが、中でも「カルト」は刺激が強め。
私の興味を爆上げします。
この話に出てくる宗教の幹部は完全に『悪』。
私利私欲にまみれた欲望の塊。
水を売るインチキ商売のカルト教団。
邪魔者は消します。
『サダイの家』で育った美祈は、教団施設の外には悪魔しかいないと教えられる。
成長し、教団に疑問を抱いた美祈はバイトを希望し、製餡所で働く。
外は悪魔ばかりではないと知り、美祈の心情も気になるところ。
同時に、そんな美祈に惚れた元キックボクサーや、教団幹部のヤクザ、刑事が同時に動く。
首無しの遺体が発見された殺人事件。
「サダイ」との関係を探る刑事。
装画の印象とは違い、現代の殺人事件です。
そこまで胸糞悪い性描写は出てきません。
(私がちょっと物足りないと感じるくらい笑)
教団に腹は立ちますがね。
面白かったですヽ(*´∀`)ノ -
首なし死体から始まる捜査。
目を覆いたくなる描写はあるが、スッと次へと進む展開の早さに重たい気持ちは残らない。
サクサクと読み進められるのは、流石だなと思う。
警察組織の中に必ずいる悪とカルト教団を仕切り思うがままの奴。
そこを探る刑生組対課の鵜飼。
だが鵜飼の存在よりも製餡所の従業員である元キックボクサーの河野潤平の個性が、際立っていた。
これは、愛する人を失った鵜飼の復讐劇ではあるが、カルト教団に囚われた河野の彼女を思う気持ちの方にちょっとした微笑ましさを感じた。
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久しぶりの誉田作品。
帯の文章をみて気になってた作品です。
『首なし死体がすべての始まりだった。
警察組織vs悪魔と呼ばれる男vsカルト教団vs元キックボクサー。
囚われた“彼女”の奪還。愛する人を失った者たちの復讐劇――。』
新興宗教「サダイの家」に関係している登場人物たちそれぞれの視点で物語が進んでいき絡まっていく内容、面白かったです。
“宗教” 何を信じるか、どう信じるかは人それぞれだが、悪徳商法、詐欺、家庭崩壊、殺人、強姦…ダメなものはダメでしょと言いたくなる。
「意見を言ってみました。すみません……恐縮です」
潤平 -
説明 (Amazonより)
首なし死体がすべての始まりだった。
警察組織vs悪魔と呼ばれる男vsカルト教団vs元キックボクサー。
囚われた“彼女”の奪還。愛する人を失った者たちの復讐劇――。
疑いなき信仰心に警鐘を鳴らすセンセーショナルな最新長編。
東京・五日市署管内の路上で、男性の首なし死体が発見された。刑事の鵜飼は現場へ急行し、地取り捜査を開始する。死体を司法解剖した結果、死因は頸椎断裂。「斬首」によって殺害されていたことが判明した。一方、プロのキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内にある製餡所で従業員として働いていた。ある日、同じ職場に入ってきた有川美祈に一目惚れするが、美祈が新興宗教「サダイの家」に関係していることを知ってしまい……。
信仰宗教の話。
ちょっとタイムリーかな?と思って読み始めたけど お布施で家族離散とかじゃなかったわ。
信仰心がほぼないので宗教にのめり込むっていう事があまり理解出来ませんが 何かにすがりたいという気持ちは理解出来るかな?
人を騙してまでも儲けたいって、得したいってどんな気持ちでしてるんやろう?と読んでいてイヤになってしまったな。
この内容と同じような宗教もあるんやろうね。
本人が救われているんなら 何を信じようといいと思うけど 子供や周りの人を巻き込むのはあかんよね。他の人が自分と同じように考えているとは限らんもんね。
首切られるとか指詰めるシーンとか 想像してしまって頭の中が血だらけやわ。 -
おぞましい。
これは著者に対する賛辞である。
本作のテーマとなっているのは、新興宗教である。
宗教というテーマは扱うことが難しい。
何を信じるかは個人の自由であるし、教義の是非について論じることも立場によって異なるからだ。
また、既存の宗教に対する遠慮もあるだろう。
しかしだ。
教義とは離れたところに問題を抱えがちなのもまた宗教の悪しき側面であることもまた事実と思う。
神は目の前に現れ、常に一つの道を示すわけではない。
基本は人がつないでいくものだからだ。
そうしてみると、表紙のユーディトの絵画は物語を端的に示しており、感嘆した。
物語そのものは安定した進行で、続きが気になってしかたなかった。
けれど、組織とズブズブになっていた「奴ら」の部分がもう少し詳しく読みたかった。
あっさり解決してしまって、そこはメインではないということなのだろうけど、肩透かしを食らった気分。
ハッピーエンドで終わってよかったけれど、途中途中で出てくるおぞましさは、相変わらずだ。
おぞましさを描かせたら、この人の右に出るものはいないのではないか? -
五日市署管内で発見された首のない遺体。
夜勤だった鵜飼は、現場に急行し、その後も捜査を続けるが、特捜が立ち、鵜飼の前に現れたのはかつての同僚で捜査一課の梶浦。
梶浦は鵜飼に何か隠し事があると、気付きつつ、二人で捜査を進めていく。
一方、元プロのキックボクサーで、現在は製餡所で勤める順平は、パートで入って来た美祈に淡い恋愛感情を抱く。
距離を縮める為に、美祈と会話を進めるうちに、美祈が入信している新興宗教団体に疑念を抱く。
帯にもあるが、「警察VS元キックボクサーVSカルト教団VS悪魔と呼ばれた男」まさに勢ぞろい。
他の方のレビューにもあったが、ちょっと登場人物が多く、混乱する部分もあるが、久しぶりに、「これぞ、誉田哲也!」と言うのが、個人的な感想。
ラストの解決シーンは、ちょっと急ぎ過ぎた感もあるが、ページ数が多い割には一気読みし、あっという間に読み終わってしまったぐらい、面白かった。