- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087718027
作品紹介・あらすじ
寛文六年、豊後国・竹田藩で城代一族二十四人殺しという凄惨な事件が起きた。
一人逃げ延びた城代の次男・次郎丸は復讐のため、江戸で剣の腕を磨き、名を変え、義理の叔父で下手人である現城代・玉田巧座衛門がいる竹田の地を十四年ぶりに踏んだ。長い時を経て再会した巧座衛門は、兇行を目の当たりにした当時の印象と違い、みすぼらしい容姿で、高位にありながら地位や名誉に関心がない変わり者と周囲から噂されていた。
そして次郎丸は竹田小町と評判の巧座衛門の娘・英里と出会い、予期せず惹かれていく。恋か復讐か、千々に乱れる心を抱きながらも、煮え滾る復讐心を支えに必ずや叔父を討つと心に誓うのだが……。
赤神 諒(あかがみ・りょう)
1972年、京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。私立大学教授。法学博士、弁護士。2017年「義と愛と」(のち『大友二階崩れ』に改題)で第9回日経小説大賞を受賞しデビュー。他の著書に『大友の聖将(ヘラクレス)』『大友落月記』『計策師 甲駿相三国同盟異聞』『立花三将伝』『太陽の門』『仁王の本願』などがある。
感想・レビュー・書評
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仇討ちのはずが、、、はぐれ鴉、、、はぐれてないかも。
1番かっこいいのがはぐれ鴉だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「大友二階崩れ」読もうとして、そのままになってた。姫ダルマ、愛媛以外にもあったんだ。「富とか身分とか、面倒くさいものを全部取っ払った裸づき合いが温泉の醍醐味」まさに温泉巡りの最中で、大変面白く読めた。アンコールワットのように樹木の根っこに抱かれた竹田城思い出した。確かにあり得そう。
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隠しキリシタンの話。時代ミステリ小説ということらしい。面白かったよ。
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骨太な物語。面白かった。
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一行目:またひとつ、血の花が咲いたらしい。
いやいや、大変面白かった。
冒頭から一家惨殺のシーン。藩城代の息子、次郎丸は、大好きで慕っていた叔父巧佐衛門の凶行を目撃。信じられないまま、逃げ延び−十四年後、才次郎と名を変え、剣術指南役として故郷に戻ってくる。仇討ちのために…
だが、そこで目にしたのは、はぐれ鴉と呼ばれ、人々に慕われる巧佐衛門の姿だった。
何故あのような凶行に及んだのか。叔父の人柄を知るほどわからなくなる才次郎。その結末は…
ミステリ要素が強く、謎が何層にも深く、最後の最後の巾着の中身で、やられたー!状態に。
熟考していれば、謎は解けたかなぁ。くやしい。 -
幼い頃に一家を叔父に殺された主人公が、復讐を誓って故郷に戻ると、その叔父ははぐれ鴉と呼ばれ、質素で民中心の生活を送っている。なぜ主人公の家族は殺されなければならなかったのか。謎解き要素もあり、面白かった。
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「大友二階崩れ」など大友サーガが印象的な赤神諒氏の作ということで、お手並み拝見といった風情で読み始めたら、なんだか謎解き要素がありつつ、ストーリーの進行役となる山川才次郎の若者らしい初々しさと世間知らずなちょっととぼけたところなど、くすりと笑わせる場面などがあり、意外や読み物として楽しみながら読み進められた。主人公である“はぐれ鴉”こと玉田巧左衛門や他の登場人物も魅力的で、途中しつこいほどの伏線とその回収過程に飽きてくる場面もあったものの、登場人物に支えられて読み進めることができた。ぜひこれは映像化を期待したい作品だ(はぐれ鴉は豊川悦司、才次郎は中川大志、はぐれ鴉の娘英里は池田エライザとか?w)。
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幼き日に叔父玉田巧佐衛門により一族郎党皆殺しにされる様を見た次郎丸。逃げ延びたのち才次郎と名を変え剣の腕を磨き復讐のため舞い戻る。優しかった叔父が一体なぜあんな暴挙にでたのか?そしてこの地に深く根ざす謎が。
面白かったです。先が気になり引き込まれるスピード感のある文章で一気に読み進めてしまいました。でもまああれだなあ、九州の藩で南蛮人との混血の美女ヒロインでそれっぽい謎の歌があって、で周りのみんなが何やら隠し事っつったら・・キリシタンだろ。それはさすがに察しの悪い自分でも読める・・・と思ったら、そもそも竹田の地がもうそういう土地で有名なんですね。寡聞にして知りませんでした。恥ずかしい。
ただそういう歴史背景に疎い自分でもとても楽しめました。 -
竹田市にふるさと納税して、赤神さんにサインを入れて頂いた