山の郵便配達

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 99
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087733433

作品紹介・あらすじ

山をゆく、川を渡る。歩いて、さらに山を越える。愛犬だけをお供に、数日がかりで重い郵便袋を背に村から村へと手紙を届けてきた老郵便配達。彼にも引退の時が来て、初めて息子をつれて最後の旅に出る。-美しい自然のなか、仕事と人生と親子の情愛の深さをしみじみ伝える感動の道行(「山の郵便配達」)。83年全国優秀短編小説賞、荘重文文学賞、湖南省第一回青年文学賞を受賞。いずれの短編も、現代の中国のひとびとが生き生きと登場して、とにもかくにも面白い。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作は映画化されていたはず。うちにもDVDがあったような・・・。旦那が大好きな映画だったことを思い出し図書館で見かけたので借りてきた。

    短編集で、いずれも文革以前、以降、急速な近代化に伴い世代間ですれ違う価値観や地方格差的な問題が埋め込まれている。
    二泊三日かけて山の中を歩き郵便を配達する父の後を継いだ息子、昔は女が出ることは許されなかった湖での漁を楽しむ若い女たち、都会に逐電していく娘、などなど。

    柔軟にならなければ生きていけないのは若い世代も親世代も同じみたいだ。

    • 美希さん
      >nyancomaruさん☆

      勧められた当時あまり映画というもの自体好きじゃなかったので寝てしまった記憶があります。
      いまならきっと観れる...
      >nyancomaruさん☆

      勧められた当時あまり映画というもの自体好きじゃなかったので寝てしまった記憶があります。
      いまならきっと観れるはず・・・。
      2013/01/12
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「映画というもの自体好きじゃなかった」
      本を読むより受動的な感じがするからかな?
      まぁこの作品は、チョッと地味ですが、何となく懐かしい感じが...
      「映画というもの自体好きじゃなかった」
      本を読むより受動的な感じがするからかな?
      まぁこの作品は、チョッと地味ですが、何となく懐かしい感じがして日本人受けすると思います。
      彭見明の他の作品は未紹介のようですが、映画を撮った霍建起は、「ションヤンの酒家」と言う作品が公開されていて、結構ジーンとくる作品でした。。。
      2013/01/17
    • 美希さん
      >nyancomaruさん☆

      まさにそうなんですよ、受動的すぎて想像力が入り込む余地がないのが読書好きで妄想癖が激しい私には物足りない感じ...
      >nyancomaruさん☆

      まさにそうなんですよ、受動的すぎて想像力が入り込む余地がないのが読書好きで妄想癖が激しい私には物足りない感じで。
      今は映画も大好きですが。(特に地味な作品)

      「ションヤンの酒家」チェックしてみますね。
      2013/01/17
  • 山をゆく、川を渡る。歩いて、さらに山を越える。愛犬だけをお供に、数日がかりで重い郵便袋を背に村から村へと手紙を届けてきた老郵便配達。彼にも引退の時が来て、初めて息子をつれて最後の旅に出る。ーー美しい自然のなか、仕事と人生と親子の情愛の深さをしみじみ伝える感動の道行(「山の郵便配達」)。83年全国優秀短編小説賞、荘重文文学賞、湖南省第一回青年文学賞を受賞。いずれの短編も、現代の中国のひとびとが生き生きと登場して、とにもかくにも面白い。
    原題:那山那人那狗
    — 目次 —
    山の郵便配達
    沢国
    南を避ける
    過ぎし日は語らず
    愛情
    振り返って見れば

  •  自然描写の美しいこと。中国湖南周辺の情景へと引き込まれていく感じがする。
     中国の田舎暮らし、朴訥とした人物に、欲にまみれず、自然に逆らわず日常の生活を重ねていく「山の郵便配達」「沢国」に骨太い人間をみせてくれる。
     「南を避ける」は、今や広州ではなくて、海外だろう。世代間の価値観の違い。金に走る前の中国の美がある作品。
     

  • 中国の近代史をよく勉強しておけば、もっと面白かったと思う。

    急速に近代化する国を背景として、複数の短編集の中に価値観の変化や格差が見て取れた。

    短編の中で、一番はやっぱり山の郵便配達だと思う。
    教科書か何かで読んだ当時は何も感じなかったけど、
    山あいの朝や夜の情景がとても美しい。
    父を中心とした、親子の心理描写にはラストで涙してしまった。

  • 中国、北京などを舞台とした作品です。

  • そう言えば持っていた。思い出しました。

  • 父から息子へ、郵便の仕事を受け継ぐ。父のかわりに、息子を導いてゆく犬。2泊3日かけて、村から村を訪ねてゆき、また戻る。一日40kmの移動を犬と一緒に過す。村の人々の想いも、つながってゆくのでしょう。短編集の中の1編。他の作品もおもしろく、中国という国の、普通の人々の暮らしを知ることができる1冊。1998年中国

  • 程よい短編集。ただ、おもしろいのは2本だけ。

    買わずとも、立ち読みでいいかも。ただ、そのおもしろい2本(1本目と、心臓病の彼女と結婚することになった人の話し)はかなり質が高い。

  • 1980年ごろの中国湖南省あたりの農民・漁民を主人公にした短編集。これといって劇的なストーリーがあるわけではなく、ただただ彼らの生活を描く、素朴な作品集。そんな雰囲気がなんかいいですね。

  • 映画になった作品の原作。
    原作の方は短編の作品だが、静かな空気の流れる様子が綺麗で、読んだ後になにかほんわかとします。

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