KYOKO

著者 :
  • 集英社
3.40
  • (22)
  • (22)
  • (88)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 277
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087740981

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1995年11月20日 第一刷発行 再読

    トラック運転手でダンサーの女の子のロードノベル。龍氏が相当な思い入れでこの「KYOKO」の映画を完成させたというエッセイを読んで再読。
    ちゃんと時系列的にストーリーがあって、気合入れなくてもページがめくれる。らしくないと言えばそれまでだけど、こんなのも書けてしまうという一冊。

  • 読み終えたあとに、フワッとした気持ちと、泣きたくなる気持ちと、色々入り交じる本でした。

  • 村上龍という作家に皆が抱いてる評価は現在ではかなり低いものであるだろうし、もしくは忘れ去られつつあってもおかしくないのだが、この本に関してだけは、不当な評価はされてはいけない、また忘れ去られるべきではないと思います
    日本人の手によって書かれたロードノベルの中では最高のうちの一冊でしょう

  • 私の単行本の帯には「希望と再生の旅」と書いてあります。
    希望・・・希望・・・誰の希望か・・・誰が再生するのか・・・

    私がこの本を読み終わって、まず感じたのは、他の村上龍作品と根底を流れる考え方は変わらない、ということでした。

    ストーリーを見ると「衝撃的な旅でキョウコは何を手に入れるのか」と書いてあるけど、キョウコにとってその旅は、大事なホセという男を連れて行くというただそれだけのことであり、ただそれだけが大事。

    この、何が一番大切かがブレない主人公の感じが、他の作品と同じです。主人公が女の子であったり、バイオレンス描写が少なくても(というかほとんどない)
    それは変わらない。
    それだけに、とても読みやすかった。


    結局ホセは道中、キョウコの記憶を取り戻し、チャ・チャ・チャを踊りながら死んでいく。キョウコは、ホセがチャ・チャ・チャを踊るのを許してしまい、死期を早めたことを後悔するが、ホセの母親は許す。
    これも何が大事かを知ってる者の行為。


    希望・・・希望・・・
    絶望的な世界や状況にあっても、自分にとって大事な何かを見据え守ることが希望になるのだろうか?なんて思いました。

  • 悪い事 やましい事 って 本気でちゃんとする人には勝てないとはじめておもった

  • ひとつのものしか持たない純粋さ。
    それは最初から持っていたものではなく、全てを捨てるために持たざるを得なかったもの。
    強く美しい彼女に憧れるような、哀しいような。

    でも生きるって、そういう両面を持つってことなのかも。
    全てのものを選り分けて、希望を持つってことなのかも。

  • こんなまっすぐに生きていきたい。

  • 美しい、希望の話。
    一話一話ごとに、何がいいたいのかわかりやすく書いてあるので、とても読みやすい。

    自由という言葉が逆に負担になっている現代。
    私たちは毎日の不安の中で救いを求めている。
    救いとは果たしてなんだろうか。
    その答えは村上龍の「KYOKO」の中にある。

    キョウコは言った。
    「わたしにとって一番大切なものは何かって教えてくれたんだからそうでしょ? どんなことがあってもこれがあれば生きていけるってものを教えてくれたんだから、救ってくれたのよ。」
    キョウコはホセというキューバ人にダンスを教えてもらい救われたと言っている。
    一番大切なもの、救われた、とはつまり、頭がからっぽになって、すべてのわずらわしいものがどうでもよくなったということだ。
    救われるというのは、そういう意味だと村上龍は考えているのだろう。
     自由という言葉が存在するこの自由ではない現代に、一体何人の人がそういった救いを見つけられているだろうか。
    もちろん、私は見つけられていない。だから自由から生まれる不安から一時的に救われることもない。
     見つけなければならない、と思う。何かそうやって夢中になって、何もかも忘れられる、そういった時間を誰もがもたなければならないと思う。そうでなければ、不安に蝕まれるだけの生活となってしまう。
     しかし選択肢もかなりたくさんあるかのようなこの日本では特に、何か「これさえあれば・・・」というものをみつけるのは、意外と難しいと思われる。
    やはりどうしても、現代に生きるために自然と身につけられた現実的な考え方が生活ばかりを考え、邪魔をしたり、それに足を取られてしまったりする。
    けれども、たったひとつ限りなくシンプルに考え行動できるものがあれば、それさえあれば、私たちは生きていけるのではないだろうか。
    誰よりも強くキレイに。

  • 良い作品。

  • 涙が流れた。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上龍の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
金原 ひとみ
村上 龍
村上 春樹
奥田 英朗
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×