沙羅は和子の名を呼ぶ

著者 :
  • 集英社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087744309

作品紹介・あらすじ

とろけそうな夏。春の終わりの雨の日。そこにたしかに、「あなた」はいた。表題作他、全10編を収録。珠玉ミステリ短編集。

感想・レビュー・書評

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  • どこか夢見がちな非現実味を帯びた短編・掌編集。ミステリ寄りの「海を見に行く日」は見事な完成度。「商店街の夜」のようなファンタジーもとても好き。

  • 日常の延長に生まれた、少し不思議な短編集。
    表題作は世にも奇妙な物語にぴったり!

  • 不思議な物語10編。

    話に自分が溶け込んでいく感じがした。
    ミステリーのような、異世界のような、梅雨時のような。

    本の楽しみって、冒険にわくわくしたり、感動だったり、涙だったり、謎解きだったり、ドッキリだったり。
    不思議な世界に溶け込んでいけるのも、そんな楽しみの一つ。

    よかったです。

  • 廃墟となった病院で麗音と出合った優多。ふわりと浮かぶ蝶。建物の中の不思議な空間。―――『黒いベールの貴婦人』
    過去の甘い思い出を元に喫茶店を開いた叔父。その店に繰り返し現れる幽霊がいた。繰り返し、同じ場面を。―――『エンジェル・ムーン』
    留学した従姉妹の部屋に住む知世子。そこに突然現れた変な男の子。ベランダにとまった鳩。…氷づけにされた、夏。―――『フリージング・サマー』
    バンコクを訪れた麻理子。あることを決めていた彼女の前に、天使が現れた。―――『天使の都』
    娘が久しぶりに電話をよこした。旅行の予定先を聞いて、母は自分の若かりし日の旅での思い出を語る。―――『海を見に行く日』
    一晩の宿を、と戸を叩いた山奥で旅人は美しい女性と出会い、夫婦になる。その家は橘の香りに包まれていた。―――『橘の宿』
    おばあちゃんの心の詰まった大切な庭。花盗人に罪はないとは言うけれど…。―――『花盗人』
    どこにでもある寂れた商店街。そのシャッターにある日、ペンキで絵が描かれた。そして起こる不思議な出来事。―――『商店街の夜』
    一卵性双生児の真奈と加奈。初めてのデートなのに相手の隣にいるのは…家にいるはずの…真奈?―――『オレンジの半分』
    古い社宅に引っ越してきた元城家。娘の和子の前に沙羅という女の子が現れる。まるで実の家にいるように現れる、和子にしか見えない女の子。―――『沙羅は和子の名を呼ぶ』

    純粋なミステリというよりは、ホラーミステリ・・・ファンタジーミステリかな?SFっぽい気もするけど…。それぞれ短い(特に「花盗人」は4ページだ!)話なので、すぐ読める短編集ですね。
    1番好きなのは「黒いベールの貴婦人」かな?麗音がかわいいv
    「オレンジの半分」の恋する乙女心もかわいいんですけどねー。青春だなぁ…。
    ちなみにこの話は、既刊「掌の中の小鳥」と少しだけ関連があります(最初は気付きませんでしたが;)知らなくても普通に読めますけどね・・・でも分かった時ビックリでした(笑)
    全体的には切ない話が多い気がします。んで、初夏~夏~秋の話が多いように思うんですが…私の気のせいかしら?

  • 2000年1月読了。

  • 女怖いの話がいくつか。恩田的雰囲気とも言おう。

    それはそれとして置いといて、基本的に海を見に行く日にやられた。油断した。やっぱ俺はこの人が大好きだ。

  • 2011.7.27 初読 市立図書館

    短編集。「商店街の夜」が好き。
    表題作はちょっと怖かったな。

  • うーん…。
    表題作がイマイチ入り込めなかった。

  • 少し現実離れしたお話が10篇収録された短編集。
    タイトルから勝手にイメージしていたのとはちょっと違った作品でした。
    オカルトというかホラーっぽいものがあったり、後味があまりよくないお話があったり、うーんというものがあったり。
    10篇がそれぞれまったく違う雰囲気のお話です。
    加納朋子さんの作品、めちゃめちゃ気に入ってしまうものと、そうでないものの差が、私には結構あるんですよねえ。

  • ホラーのようなミステリーのような短編たち。どれも最後はほっこりするようなものばかり。不思議はすごく身近なものなんだろうね。「商店街の夜」のように。表題作は、結果的に和子側のがある意味幸せであるということに皮肉を感じたな。だって、誰も殺すハメになってないでしょう?

  • ちょっと怖いかなこの短編。とくに表題作。

  • この本はあんまり好きじゃなかったなぁ。

  • ○2007/11/19 
    この人の文章はなんでこんなに読みやすいのか。個人的に好み、というより合ってるのかもしれません。
    コンセプトとも違うでしょうが、日常のすぐ隣で本当に不思議なことが起きる、ってこの本全体に共通しているようで良いですね。
    "どうして<空っぽ>という言葉に、空という文字をあてるのだろう?"というフレーズがすごく気に入りました。
    個々の話をまたいつか読み返したいです。

  • もしかしたら・・・あの時違う道を選択していたら・・どうなっていただろう?
    どちらにいてももしかしたら・・と思うものかもしれない。

  • 一樹の娘・和子は空想の少女・沙羅の話ばかりする。ある日、和子が姿を消し…。ありえたかもしれないもう一つの人生を綴って、せつなさが胸をしめつける表題作等、ファンタジー風味のミステリ集。

  • 一樹の娘・和子は空想の少女・沙羅の話ばかりする。ある日、和子が姿を消し…。
    ありえたかもしれないもう一つの人生を綴って、せつなさが胸をしめつける表題作等、
    ファンタジー風味のミステリ集

  • 沙羅は和子の名を呼ぶ不思議な話のテーマ 10の短編集
    「黒いベールの貴婦人」「天使の都」「沙羅は・・」癒されるような感覚

  • 図書館で借りた本。
    どことなく文章の感じが恩田陸に似てるかもしれない。
    でも話の内容は覚えていない…。
    かけらすら。どうしましょう。

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    <br clear="left">
    表題作、<ruby>沙羅<rp>(</rp><rt>さら</rt><rp>)</rp></ruby>は<ruby>和子<rp>(</rp><rt>わこ</rt><rp>)</rp></ruby>の名を呼ぶ ほか9つの この世ならぬ者がこの世と関わる物語。
    この世ならぬとは言っても、川上弘美さんワールドに登場する異世界の者ではなく、いまはこの世にいなくなってしまった、いまにもこの世から消えそうになっている、そしてこの世にいることさえ許されなかった者たちなのである。
    この世に強く心を残したままこの世にいられなくなった魂は、いつでも何とかして想いをこの世で形ある者に伝えようとしているのかもしれない。彼らを見ることのできる者ははたして幸せなのだろうか それとも不幸せなのだろうか。
    この物語では少なくとも不幸せではなさそうである。見ることができなければ気づくこともできなかった物事に気づけただけでも幸せだったのかもしれない。

  • 10の短編からなる不思議な物語。謎解き可能な謎もあれば、幻想からくる不思議な謎もあり。『黒いベールの貴婦人』は、少女と主人公の青年の10年後が楽しみだな、と。地元図書館(05/05/06)

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加納朋子の作品

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