昭和歌謡大全集

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 166
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087801200

作品紹介・あらすじ

孤独なコンピュータおたくの若者達と、カラオケ好きのおばさんの、際限なき殺し合いを描いた村上龍の最新長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 少し話題に出たので手に入れてみた古本だが、村上龍のテイストがありながらも深みは無く、因果や理屈を排除したただただ殺し合いのアート作品という風情で、高橋源一郎の世界観を思い出す。

    どうしてこういう作品になるのかと少し調べると、プレイボーイ向け連載ものだったという事で納得。読者を選んだ小説はその週刊誌のターゲット層にはハマるのだろうが、そもそも週刊誌を読まない私は、完全にストライクゾーンから外れた。一応、エンタメとして楽しめそうな設定ではあるが、これなら高見広春の『バトル・ロワイヤル』とか、ニート軍団の悪巧みなら阿部和重の『シンセミア』の方が余程楽しんで読める。同じ村上龍でも『コインロッカーベイビーズ』の緊迫感や本気度は微塵も無い。更に言うと章題の昭和歌謡タイトルも何一つピンとこないという始末。読み手の相性によるが、私にとっては、若干期待はずれだった。

  • たまにはくだらない本が読みたいとつぶやいたら、誰かに教えてもらった本。くだらなかった。6人のおばさんと6人のオタクの戦争。最後は調布市を焼き払う。

  • 快作。
    あり得ない話。あり得ない設定。荒唐無稽。破綻していて、痛快。
    「半島を出よ」のイシハラ、ノブエが登場している(こちらが前作)とのことだったので読んだのだが、思い切り、ぶっとんだ話だった。
    「半島〜」の中で、はみ出し者たちのパートが一番ムチャクチャで面白く、ことに物語の最後を左右していくわけだが、その萌芽がここにあった。でも、「半島〜」が世界をある意味救うのに対し、こちらは破壊する一方だ。
    そうきたか、と思った。
    ミドリたち(おばさんたち)も、思い切り身勝手で、自由だ。
    ドラマ『監獄のお姫さま(工藤官九郎)』に似ている、との指摘があるのを見かけたが、あちらはオバサンたちに愛があるが、こちらも愛がないとは言わないが、むしろ、ならず者たちも含めて、どの登場人物も、等しく「クズ」である、と言っているように思える。みんな、自分の中では、ちゃんと筋が通った理屈を持ってはいるのだが、他人の共感を得られるものではなく、理解されない。人の思いなど、そんなものかも、と思ったりする。そして、そここをが「いい」。

    書いていて楽しかったんじゃないかな(^^;。
    やっぱり、村上龍が好きだ。

    付記:この本が映画になっていると知った。調べてみると、イシハラは松田龍平だった。あり得ない(^^;。

  • 村上龍の作品の中でも群を抜いてありえん話。
    何でも屋でトカレフ買うところとか、「貧者の核」を自作するところとか、マジ最高!

  • 初めて読んだ村上作品。

    少年対おばちゃん。

    むちゃくちゃで、衝撃的

    なのに、舞台が独り暮らししていたところなので

    妙にリアル。

  • これまたむちゃくちゃな話でした。
    読み終えた場所はおばちゃんだらけの定食屋でした。

  • 映画を観ましたので読みました。
    村上龍を読むのは随分久しぶりで懐かしかったです。
    「半島を出よ」も読もうかな。

  • うーん・・・平成世代だからなぁ
    知ってる歌が少ないしなぁ
    エンタ物として読むならまぁ面白かったけど・・・

  • おばさんとオタクの殺し合い。殺し殺され狂気と歌謡曲。

  • 「半島を出よ」のイシハラ、ノブエがまだ若かった時代の話。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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