町田くんの世界 7 (マーガレットコミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088440378

感想・レビュー・書評

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  • 全7巻。
    町田君の生き方考え方は憧れるけど、私には出来ないなぁ~。
    態度が悪い人に会うと、イライラしちゃうので…。
    皆が知らない他人でも、誰かの大切な人と思って接する世界って理想ですね。
    心がささくれだった時に読むと良いかも。

  • 全7巻完結。ほしよりこ「逢沢りく」と違って、絵柄は極めてオーソドックスな少女マンガ。ボーイミーツガールに至るまでの、ゆっくりとした学園ものなのだが、これがなんと玄人受けする第20回(2016年)手塚治虫文化賞新生賞を受賞している。何故か。りくと同じように、主人公の町田くんは一歩間違えれば極めて危険な人物として描かれているからである。

    成績も中以下で運動神経もない町田くんは、老若男女を問わず周りからは愛される。町田くんはちょっと知り合ったおばあさんに「あなたに恋をあげることはできません。でも、愛ならあげられます。愛は知っているんです」と臆面もなく言うことのできる危険な少年だからである。詐欺師が言えば天才的な「人たらし」だけれども、町田くんは有言実行の高校生だ。本気で、全力で、不器用だけど一生懸命に、周りの人すべてを家族を愛するように愛するのである。だから、始末に負えない。

    愛とはなんだろ。ホントに優しいとはなんだろ。愛と恋はどう違うんだろ。ホントはとっても難しいこの課題、この「天然人たらし」を通じて、7巻かけて描ききっている。2015-2018年別冊マーガレット連載。

    因みに、石井裕也監督作品「町田くんの世界」は失敗作だった。

  • 最高でした。
    しかし、この感動と感謝を表現するには、「最高」って二文字が適切じゃない事に対する悔しさは、誰でもない、私自身が特に噛み締めています。
    もし、(1)~(6)までの感想を読んでくださっている方がいたら、「やっと、書けたのか」と呆れるでしょうか。それとも、「もう、書けたの!?」と驚くのでしょうか。
    私も、正直、どっちか、判断に迷いあぐねるところですが、2018年の5月に発売された漫画を、2021年に読み、今、感想を書いているんですから、漫画読みかつ感想書きとして、どうなのか、とは自問自答しております。
    でも、本当に、最終巻である事を受け入れる覚悟が、中々に決まらなかったんですよね。自分の33歳の誕生日ってキッカケがあったからこそ、何とか読めました。
    安藤先生に申し訳ない気持ちでいっぱいになりつつ、誕生日に、こんなにも「最高」に収まりきらない作品を読めた私は幸せだ、と確信できました。
    この(7)でも、町田くんは町田くんのままでした。自分が知らなかった感情と向き合い、受け入れ、前進しても、彼は彼の良さを失ったりしませんでした。
    それだけの事を素晴らしい、と思わせてくれる、町田くん。彼には、幸せになって欲しいですね、猪原さんと一緒に・・・いえ、猪原さんだけじゃなくて、もっと、大勢の人も、これから、幸せな方向へ進ませられますよね、彼なら。
    こうやって、最終巻の感想を書いていると、安藤先生は、やはり、羽海野チカ先生と互角に殴り合える怪物に成長したな、と思います。『昏倒少女』や『透明人間の恋』で、ガヅンッとぶん殴られ、安藤ゆきって漫画家に惚れたのは間違いじゃありませんでした。
    もっと、もっと、安藤先生が成長してくれるのが楽しみです。こんな風に、漫画家が脱皮していく、それに言いようのない至福さを感じられるから、漫画読みは辞められませんって(笑)

    この台詞を引用に選んだのは、『町田くんの世界』で安藤先生が漫画家としても、一人の人間としても、間違いなく、成長している、と思えるものだからです。
    安藤先生が、このような考え方を持っているからこそ、町田はじめ、と言う至高のキャラの口から出た時、この台詞には揺るがない説得力、いわゆる、言霊が宿るんじゃないでしょうか。
    小説や漫画の主要なキャラには、書き手の人間性が強く投影される、この説は本当かも知れませんね。
    前に進めなきゃダメなんだ、とプレッシャーをかけるつもりは、もちろん、ありません。
    後悔に囚われ、前に進めている自信が、今イチ、持てないので、私は。
    なので、止まるにしても、時間を無駄にせず、どうやったら、前に進めるか、自分の心で悩み、考え、足掻いてみるのも大切、とだけ言わせてください、せめて。
    「いくら謝っても、過去は変わらないよ。時間は決して戻らない。進むんだ。だから、俺たちも進むんだよ。過去の自分とは違う。後悔した分だけ、進むんだ。そして、そんな君の心は、絶対、君の中にしかないよ」(by町田一)

    もう一つ、この最終巻でグッと来た台詞を紹介させてください。
    町田くんが、人を好きであるのは、今さら、言うまでもありません。
    しかし、町田くんが、猪原さんに対して抱いた「好き」は、他の人に対して感じる感情とは、明らかに別種です。
    それに戸惑いながらも、「好き」な人たちと関わり合う事で、その感情が「恋」である、と自覚を果たしました。
    恋をした、と自分の心を理解した事で、町田くんに、ある変化が起きました。
    そう、欲が芽生えたのです。しかし、欲と言っても、ドロドロとはしていません。むしろ、キラキラした欲です。
    自分がその人を本当に好きで、自分を好きになってくれた人の心が欲しい、自分だけの所有物にしたい、と望むことは決して、間違いじゃありません。
    もちろん、手に入れる方法を誤らない、ってのが大前提ですけども。
    こうやって、自分の心と欲を伝え、猪原さんに告白するのは、ある意味、町田くんらしいな、と思ったのは私だけじゃないのでは?
    兎にも角にも、幸せにしてくれて、ありがとう、町田くんと猪原さん。
    そして、幸せな大家族になってね。
    「・・・・・・心。俺は、猪原さんの心が欲しい・・・心は、誰に渡すものでもないんだって、頭ではわかってるのに。人の心はその人のだけものだって。なのに、俺は猪原さんの心が欲しい。猪原さんが好きだから」(by町田一)

  • 最終巻!改めて町田くんの周りにはいい人ばかりだな、と。でもそれは町田くん自身がいい人だから、彼の温かさの周りに人が集まってくる。そして彼を好きになる。
    町田くんが猪原さんに恋をして、それが今まで彼が家族や友人に与えていた愛と異なることに気づく場面はよかったな…ついこの間フロムの『愛するということ』を読んだから愛は与えるもの、という町田くんの言葉がしっくりくるなー

  • 町田くんの物語もいよいよクライマックス!猪原さんへの恋心を確信した町田くんの戸惑い。誰かに嫌われたくないと初めて感じたこと。これまでは町田くんが愛を与えた人々の物語だったけど、最終巻は恋を知ったことで欲しい・与えられたいという願望を抱いた町田くん自身の物語。

    「人の魅力なんてさ 言葉にできるものだけじゃないって町田くんが一番知ってるんじゃない?人が好きなんでしょ」
    あのヤンチャだった氷室くんがこんな言葉を伝えられるように…と親心になってしまう。栄さんも見事なサポート!そばで見守ってくれた人たちだからこそ、真っ直ぐに言葉を手渡してくれるんだなと。

    迷子の女の子の話もよかった。「知らない人なんてしらない」と他人を悪く言う女の子に、
    「そうだね 知らない人だって思うとね 家族だって思うと大事にしようと思わない?あの人もあの人もこの人も君にとってのママやパパと同じように 誰かに大事にされるべき存在なんだ ママやパパにとっての君のように」
    まさに町田イズムの真髄がここに!ここから与えるだけで完結してきた愛という感情から、相手から与えられたいと願う恋という感情へと進むのも町田くんらしい。心はその人のものなのに、それでも欲しい──矛盾した感情ごと受け止めるのもまた愛なんだろうね。

    ラストに向けての盛り上がりと、ここでまさかの伏線回収!最後の最後まであたたかい物語でした。

  • 途中の巻を飛ばして衝動買い。
    そして即読み。

    この本に出会って良かった、
    人の優しさ、気持ちのあたたかさに
    たっぷりと浸れた。

    相手を否定せず、尊重するってことを難しく考えすぎしまうから
    少しの思い違いを頭と心が自分にとって都合悪い解釈をしちゃって
    付き合い方、話しかけ方に気後れすることがある。

    町田くんを見習って
    素直に相手を見よう。
    マンガを読むことが好きだから繋がった縁。
    この先も大切にしていこう。

  • 町田くんの世界、完結です。
    派手さや刺激はないですが、最後まで優しいお話でした。
    映画化するそうで……町田くんは、地味目な雰囲気イケメンの人が良いなあ。猪原さんはきつめの美人希望。

  • 最初から最後まで、“町田イズム”(笑)で、とても良かったです。
    当初、全巻を図書館で借りて読むつもりだったのですが、3巻まで読んだ時点で、これは手元に置いておきたい!と。
    古本ですが、全巻購入しました。
    疲れた時、心がギスギスしている時に読み返したいです。

  • 町田くんの天然人たらしが・・・

    炸っっ裂・・・!

    爆裂。

  • 町田くんの鈍さは相当だと思ってたけど、自覚してからは普通に臆病になったり押したりするんだなぁ、人好きだからそれは出来るんだなぁ、と思ったりしました。

    猪原さんの下の名前がなかなか出てこなかったのはそのせいか!と最後でやっと名乗って分かりました。
    母は「別れても有効」って言ってたけど、もう別れない関係性が出来たなって思えて、猪原さん良かったねと思います。

    すごく平和なお話でした。

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