こちらはタイトルのお話ではなく、同時収録されているお話「何ひとつ捨てきれず」のあらすじと感想になります。
【あらすじ】
中学生の優美には、憧れの先輩がいた。親友と二人で彼がつけている香水を買ったりして盛り上がる日々だったが、彼は卒業。
卒業式の日に想いを告白し、親友はフラれてしまう。優美は臆病で告白することもできなかった。
好きな思いを抱えたままだった優美は高校生になり、バイト先で偶然先輩と再会し・・・
(ここからネタバレ)
なんと先輩のほうから「好きだ」と告白されてつきあうことになった二人。
だけど、優美は先輩が他の女の人としゃべっているだけで不安になり、自分の想いを何一つ打ち明けることができない。
つきあってるんだけど、今一つ優美の気持ちがつかみきれない先輩は「オレのこと好き?」と優美に聞きます。
先輩に聞かれた優美は、勇気が持てず、その言葉をはぐらかしてしまう。
そして、あるとき先輩が前に付き合っていた彼女と話しているところを目撃した優美は先輩と話し合うことになりますが、ここでもやっぱり自分の気持ちを言葉にできない。
結局先輩とは別れてしまうことになります。
別れてから何年経っても優美の想いは止まったまま。
自分の気持ちを伝えるチャンスはあったのに、できなかった。
すれ違いざま、彼がつけていた香水の香りに気づいて振り向く優美。
だけど、それは先輩じゃなくて・・・
<三度目の正直はない>
苦い恋の想いを抱えたまま生きていく。恋に臆病だったあの頃の自分より、せめてもう少し強くなるために。
【感想】
成就する恋の話、ハッピーエンドが大好きですが、切ない恋のテイストもまた好き。
うまくいかずに終わった恋のその先を妄想するのは楽しい。