- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088654638
感想・レビュー・書評
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本書の存在をメイプルマフィンさんから教えてもらい、探し当てた。どうして知らなかったのかと思うくらい傑作だった。集英社さん、今すぐに再発行の戦略を立てるべきです!
メイプルマフィンさんは古本にもなくて電子書籍で読んだそうだが、私はラクマで手に入れた。実は今現在はAmazon古本でも出品されている。
帯がついていた。
大文字ゴシックで「萩尾望都 最新作!」
編集部は、もうそれだけで売ろうとしたようだ。その戦略、間違っている。そもそも掲載誌がレディース雑誌の「YOU」なので20代の若い女性ウケを狙って「ホラーテイスト」の装丁にしたのが間違い。内容は全く違うでしょ?萩尾望都をよく知らない世代に向かって、内容とは違うカバーにしたら、そりゃ売れないでしょ。絶版にもなるのは当然。
‥‥帯の説明文の方は内容を的確につたえている。
あの世とこの世の間に建つ「あぶな坂HOTEL」。
生と死の間を彷徨うように、自分たちではどちらにも進めないまま、客はこのホテルに集まる。導かれていくのはどちらの世界か‥‥!?
「心の中のずっと押し込めてきた感情が、ゆっくりと溶け出す時‥‥。」
「ポーの一族」の世界観に繋がる萩尾望都の世界だ。一冊の中に4篇の短編を入れてあり、その中で多くの人間の人生を凝縮しているので、まるで演劇のような作りになっている。コメディあり、ヒューマンドラマあり、サスペンスあり。実に多彩なドラマを見せている。さすがというべきだろう。
編集部は、今こそ本作をテレビ局に売り込むべきだ。作り方は、今冬ヒットした「ミステリという勿れ」を真似して作る。謎解きは番組の中盤で明かされて、そのあとに真のテーマが立ち現れる。という構成である。腕のある脚本家ならば、本作でワンクール作れるはずだし、それが無理でも、NHKの夜のドラマ(4話)のように原作を脚色して作れる筈だ。編集部はそれが決まったら、このコミックを新しい装丁で大々的に売り出すと同時に、新シリーズを再開させる。実際、未だホテルオーナーの藤ノ木由良の正体も、支配人の甘糟さんの正体も、明かされていないのだ(途中で打ち切りになったのは明らか)。
そうすれば、原作はそのあと文庫本にしても売れてゆくし、コンテンツの第二次利用で儲けることができる筈である。「YOU」が無理ならば、集英社の有志編集部の皆さん、独自に頑張ってみませんか? -
kuma0504さんのレビューを読んで、どうしても、絶版中の、この漫画が、読みたくなり、アマゾンを利用したことが無い私だったが、何とかして、手に入れた。
確かに、くまさんのおっしゃるように、装丁で、この漫画は、損をしているように思った。表紙の絵より、中身の絵の方がずっと美しいし、あぶな坂HOTELの短編四作品と、おまけの天使のはなし、どれも、萩尾望都氏に相応しく、質が高く、内容が深く濃ゆい。死と生の間を移ろうひと達が集う、
あぶな坂HOTEL。とても濃密なドラマが展開される。読後の満足感が、ハンパない。☆を5つ付けたいところだが、表紙絵が気にいらないので、ひとつ減らしました。読めて良かったです!
kuma0504さん、熱いレビューを、ありがとうございました! -
あの世とこの世の堺に立つホテル。
美しいオーナーとお客の話。
萩尾望都さまは、すごい。
ある意味、手垢のついた題材で、ステレオな展開であるのに、斬新。丁寧につむいだ物語は、その編み目だけで充分見るに価するものになる。って、編み目だけじゃないんだけどね。でも、編み目が素晴らしいのよ。
あの世とこの世の堺なので、それなりにダークな展開もあるんだけど、そこはモー様なので、エレガント。
このエレガントさって、和三盆の甘さだな。
スキーにいって遭難した兄弟の話に涙。
ホント、最近兄弟ものに弱いわ。
モー様を読む時間って、至福。
モー様は、短編なら短編の至福を。長編なら長編の至福を与えてくれるところが神。
毎回いってるけど、モー様が読める今に生まれて、本当に本当によかったよ(感涙) -
再読。ありがちな設定でも名手 萩尾望都は読ませてしまう。
「女の一生」「3人のホスト」は特に感銘を受けた。後者は舞台劇で観たい気がする。 -
由良さんは美人ですね。おまけの「天使のはなし」がけっこうお気に入りだな。
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舞台にしたら良さそうなワンシチュエーション短編集
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女の一生、必読
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(2008.04.10読了)(2008.04.05購入)
【目次】
あぶな坂HOTEL -あぶな坂HOTELの人々-
あぶな坂HOTEL -女の一生-
あぶな坂HOTEL -3人のホスト-
あぶな坂HOTEL -雪山へ-
天使のはなし
(2012年5月1日・記)
私のレビューで読みたくなったとのこと、嬉しいです。
2008年刊行なので、「ここではない、どこか」シリーズ...
私のレビューで読みたくなったとのこと、嬉しいです。
2008年刊行なので、「ここではない、どこか」シリーズを描いていた頃。私はなんとなく新生ポーの一族の前駆形のような気がしました。
こんな夜中に、失礼いたします。萩尾望都氏の、あぶな坂HOTEL、アマゾンで、手に入れました。今、読み終えたところ。すご...
こんな夜中に、失礼いたします。萩尾望都氏の、あぶな坂HOTEL、アマゾンで、手に入れました。今、読み終えたところ。すごい傑作短編がそろっていて、読後の満足感が、とても大きかったです。でも やはり、表紙絵が 気にいらない…!
そこだけが、内容と、違和感ありました。でも、読めて良かったです。中身の絵が美しいし、ドラマ感が、すごく良かったです。くまさんのレビューのおかげで、この作品を知ることができ、手に入れようという気持ちになりました。ありがとうございました!
Amazon利用したことがなかったんですね。
一回使ったら、古い本なら...
Amazon利用したことがなかったんですね。
一回使ったら、古い本ならば、Amazonで買った方が安価で手に入れることできる本が多くあって便利です。