- Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088798295
作品紹介・あらすじ
再婚した母。離婚して以来、「彼氏」と暮らす父。そんな家族に囲まれて生活する高校生のまゆこはいま思春期の真っ只中。まゆこの「家出」から始まった、さまざまな人生が交差する心に染むランナウェイ・ストーリー。
感想・レビュー・書評
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中心的な主人公とその周囲の人びとが各小話ごとに主役交代していく連載形式は、『青い花』/『放浪息子』の後期から引き続き。今作はその形式に特化している分、小話ごとのテーマ性の強さとか面白みは増している感もある。彼/彼女たちのコンプレックスとか嫉妬とか後悔とかそれらの克服の物語を通じて、恋愛や家族のあり方、性的指向の多様性を描いている。
あと、キャラクターの性格や描き方には以前よりも幅があるように感じる。こちらは『青い花』の「若草物語」からの発展かと思うけど、中高年が過去を回想するだけでなく今現在の生に思い悩む主人公としてたびたび登場していることはとくに印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あー志村先生の全てが好き!!!!
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親って、子供って、兄弟って、家族って…いろんな家族の中でのいろんな想いが、主人公を入れ替えながらそれぞれの視点で描かれていきます。結構キツい状況もあるのだけれど、優しい絵柄と、どこか「仕方ないよ」「大丈夫だよ」と包んでくれるようなムードで、優しい気持ちにさせてくれる作品。誰のどんな物語が描かれるのか、今後が楽しみです。
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先の松田青子さんのエッセイを見て購入。
久しぶりの志村作品、このふわっとした全肯定、いつもながらたまらない。 -
ぞくぞくしました……
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なんか、うん・・・。
う~ん・・・。 -
5巻まで読了
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絵が力みのないうまさで見やすい。
親の離婚が共通の友達グループ。
どろどろしがちなテーマをさらっと描いているので読みやすい。
たくましい女子を描きたいのかな。
読み切りから連載に発展したということなので、2巻以降から話に深みが出てくるのかな?と予想。 -
表紙キャラクター「まゆこ」の家出を発端に、周囲の人物をひとりずつ描いていく作品です。
エピソードごとに主人公が変わるオムニバス形式をとり、各ストーリーの完成度は安心の質を誇ります。
一方でキャラクター同士が否定的な言葉をかけあう場面が多く、また、全体的に性に振り回される人物が多いので、そういったものが苦手な方には気分良く読める作品ではありません。
特に、まゆこはある性癖を持つキャラクターですが、好みに該当する人物を愛しているというよりは見下しているように感じられ、好感は持てませんでした。
好みが別れる面がある作品です。
作者の作風を理解した上で手に取ることをお勧めします。 -
志村貴子さんの作品初読み。柔らかい印象の作風なのにヘビーな話をしている。オムニバス形式で「どうなるの?!」と思うと次の話になります。
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とても面白かったです。まゆこの思春期特有のモヤモヤした感情と父親の不倫相手のゲイの男の人との距離感がよくまたほど良い感じに色気が出ていたと思いました。
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登場人物の区別がつかなくて、誰の話か理解するまでに時間がかかるので困りましたww
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あれ、登録してなかったっけ……。
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流石志村貴子先生面白い。
突拍子もない設定から始まるオムニバスストーリー。
主人公のまゆこが不憫可愛い。 -
連作短編集。これだけたくさんの単行本を連発しているのに、それぞれが面白いから志村貴子さんはすごいな……!
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離婚した父親がゲイでかつ同棲しているところに家出しに行くというありそうでない非日常から話は始まります。彼氏もデブとかその辺りから話が展開するかと思わせつつ友人たちのエピソードに移っていきます。
地味目な女の子が不倫する話が生々しくて印象に残りました。 -
オムニバスの短編集。
ちまちまと志村貴子さんをようやく読み始める。
綺麗事じゃない、人の関わりが描かれているなぁとぼんやり思った。
でもそれなのに、ひとつひとつの短いお話がどれも本当にまとまりがよくて、読後感が良い。
時系列が入れ替わるのも、キャラクターの視点ひとつでこうなるんだって発見するように読めるから楽しい。 -
2巻まで既刊
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わりとネガティブ要素を扱っているのに読み終わった後のスッキリ感が癖になります。
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また同性愛ものかと思ったが、それだけではない様子。不倫少女がなんかいい。
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衝撃的!まゆちゃん!肉のお布団気持ちいい~!となるところ、かわいい。
お母さんの素敵な笑顔の話もほっこり。 -
志村先生の漫画はいつも性がテーマ。でもいやらしくない。かと言って小難しさもない。普通に重くて、普通に軽い。普通に酷い目に会うし、普通に救われる思いもする。潔癖になりすぎるところがある自分には丁度良いパンチ。
放浪息子と同じく、繰り返し読みたくなる一冊。なんか色々丁度いいんだよなぁ。続きは楽しみだけど、今秋って…! -
やはり志村貴子はすごい,どの作品読んでもその度に感心させられる。
ポッチャリマシュマロからゲイからおじさんからおばさんから美人から冴えない娘から出てきて,それでいて青春の群像劇だとかなにそれしゅばらすぃ。 -
父のゲイカミングアウトにより離婚した家庭の女子高生から始まるオムニバス形式の漫画
普通の思春期とかじゃない。デブホモの父。母の再婚相手もデブ。そして彼氏もデブ。そして主人公が変わる変わる。ほとんど親が離婚してる。そして娘は不倫しちゃう。もうむちゃくちゃ。各人の葛藤がよく描かれてる。 -
えーと…ちょっと気持ち悪い。けど、羨ましい。けど、みんなかわいい…。
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主人公の女の子が、父の再婚相手に面と向かって「あなたのせいで私は傷ついた」といったようなことを告げるシーンがあって、このことの意味を考えていた。お互い過去には触れずになんとなく許しあうこともできたはずなのに、主人公はあえてその道を選ばなかった。明確に相手を傷つけることで、自らの復讐を果たしている。ただし、ハンムラビ法典のように、相手から受けた傷以上のものを返さないように十分配慮しているのがポイントだ。なるほど復讐というものは、正しく使えば、行き場のない加害者の罪悪感と被害者の遺恨に一つの着地点を与え、健全な対等性を取り戻してくれるものなのかもしれない。
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繋がりを持つ複数の人物が次々に中心となって描かれる群像劇。どの人物も、もう一つ何かが足りなくて完全な幸せとなり得ていない中で、でもそれなりの満足を感じて生きているような、とてもリアルな状態が描かれているように思う。どの人物にも共感や感情移入ができないが、それでもその状況を許容する心情だけは理解出来るのである。味わい深いと言っていいのだろうなぁ。デブは嫌いだけどさ。