親愛なる殺し屋様 4 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088803715

作品紹介・あらすじ

ヤシロさんの手紙を受け、恐怖に震える悪名高き妖会党の議員・妖ヶ内! 敏腕SPを配置し、殺し屋から身を守ろうと七転八倒!! だが、当のヤシロさんは手紙を送った覚えがない。ヤシロさんを騙った真犯人を疑う真友は、お見合い(!?)を投げ出し、事件に参戦! やがて衝撃の事実が明らかに…!! 感動の完結巻!!

感想・レビュー・書評

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  • 結論だけ先に言うと、この『親愛なる殺し屋様』、一切の反対意見が挙がらず、満場一致で私の中で殿堂入りが決定
    同じく、殺し屋を題材にしている、『職業・殺し屋』(西川秀明)とは作品の傾向や与える印象の質こそ違うが、単純な面白さの度合いだけを見れば、確実に肩を並べている
    コミカルにもシリアスにも対応できる、地力の高さを感じる絵柄と、笑わせつつも泣かせる、人間味のあるストーリーとのバランスが非常に好かった
    加えて、ヤシロさんの殺し屋らしくない個性、これがまた、斬新だった、と思う
    ここまでターゲットの事を親身に考え、相手の事を真摯に理解しようと努力を惜しまず、その時が来たのならば、一切の容赦をせず、全身全霊、本気の中の本気で殺す殺し屋が、これまでの作品にいただろうか? いや、いなかった
    そんなヤシロさんの印象を高めたのは、彼と楽しく文通をした、もしくは手紙を蔑ろにしていたターゲット達の豊かな個性でもある。全員にヤシロさんに命を狙われるだけの理由があり、なおかつ、最期を迎える瞬間にインパクトがあったのだ
    また、この『親愛なる殺し屋様』が、ここまで面白くなったのは、この完結巻の表紙をヤシロさんと共に飾っている、麻田麻友の存在が大きかった、と言っても過言ではない
    二人のラブコメ未満のドタバタがあったからこそ、話に深みが生まれた
    完結に納得し、受け入れてはいるが、ヤシロさんと麻友さんの追いかけっこをもっと見たかった、と言うのも紛うことなき本音だ
    あと、ヤシロさんに手紙を届け、ヤシロさんからの手紙をターゲットに運ぶ、謎の郵便配達人も重要なキャラだったろう。彼に関しては、もっと掘り下げて欲しかったな
    この巻に収録されているのは、ムジヒ将軍と妖ヶ内の話、読み切り二編、書下ろしであるが、やはり、完結巻だけあって、厚みは充分。特に、最終回は今までの感動回を上回るモノがあった、と言える
    加えて、最後の最後で登場した、最悪の「契約優先」がモットーの仕事人・山羊のキャラも強烈だった
    人を殺す、それは間違いなく、悪だ。命を奪う事は救いなんかにならない。世間一般的に考えれば、殺し屋のヤシロさんは悪人なのは間違いない。しかしだ、そんな裏の世界に生きる者が多くの者の人生を救い、幸せを与えたのも事実だ。誰も救えない善人と誰かを救える悪人、どちらが人間的な価値が高いだろうか・・・・・・
    まだまだ生きるつもりではあるが、もし、その一瞬が近づいたのなら、ヤシロさんのような人の手で、私の人生に幕を引いて欲しいな、と思わされた
    次回作の主人公も、ヤシロさんと同じくらい、読み手の人生観に刺激を与える個性の持ち主である事を期待していよう
    この台詞を引用に選んだのは、麻友さんに惚れるに十分な、道を逸れてしまった人の目を覚まさせる力が十二分に漲った喝なので。ヤシロさんがムジヒ将軍にかけたあの台詞にしようか、と迷ったんですが、先にも述べた通り、麻友さんがいてこその『親愛なる殺し屋様』だよな、と思ったので。感情ゆえの矛盾を抱えてこその人間、だからこそ、人生を左右する決断を誤ってはいけない

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