- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088831671
作品紹介・あらすじ
私が死ぬまでを撮ってほしい──病の母の願いで始まった優太の映画制作。母の死後、自殺しようとした優太は謎の美少女・絵梨と出会う。2人は共同で映画を作り始めるが、絵梨はある秘密を抱えていた…。現実と創作が交錯しエクスプローションする、映画に懸けた青春物語!!
感想・レビュー・書評
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本作で「このマンガがすごいオトコ編第2位」。昨年の「オトコ編第1位」に次いで快挙。だそうだが、私は心配でならない。Z世代は早々に、この若い漫画家を消費し尽くそうとしているのではないか?
年一回出す、このような長編読み切りを最大の賛辞で迎えるのは危険な気がする。本来ならもっと楽しんで描けばいいのに、細かいところに拘って疲弊するような気がしてならない。
確かに、いいアイデアだと思う。実在の身近な人の死を扱うドキュメンタリーを、「作品」としてブラッシュアップする。当然賛否両論が出るけど、それさえも作品化の材料にして仕舞う。というアイデアである。漫画の役割のひとつは「世界の戯画化」だから、こういうマンガもアリだと思う。
手塚治虫ならば、1週間に一本「ブラックジャック」で扱うようなアイデアだ。もちろんあの頃、こんな手軽な映像機械やSNS現象はなかったから手塚治虫が発想することも出来なかったのではあるが‥‥。
もっと気楽に頑張っていってほしい。この作品の中にあるように、疲れた中年になんてならない様に。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
巷の評価に反してチェンソーマンは私の好みではなかった。そんな藤本タツキの「このマンガがすごい!」第2位作品。フィルムのコマのように前編1ページ4コマで動きの無いページや真っ黒ページなど挑戦した作品。話は鬱な内容だが撮る人が見たい現実を残すのが映画、本当の現実では決してない。
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恩田陸さんの『中庭の出来事』を彷彿とさせる作品でした。どこまでが作品でどこまでが現実か分からない。コマ割りも独特で、小説のように行間を読むことをさせようとしているのかなと感じました。
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59冊目『さよなら絵梨』(藤本タツキ 著、2022年7月、集英社)
鬼才・藤本タツキの長編読み切り。
「映画制作」というモチーフを扱うことで、作中世界における現実と虚構の境目を曖昧にぼやかす。
読者に安定感を与えず、絶えずゆらゆらとした浮遊感、ないしは不安感を与えるような構造になっており、読後感は唯一無二。
主人公の自主制作映画は、不謹慎だと観客から罵倒される。これには著者の前作『ルックバック』に寄せられた的外れな批判を思い出さずにはいられない。
「ファンタジーがひとつまみ足りないんじゃない?」
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「感想?ラストが悪かった......胸糞悪かった」とラストのひとつまみのファンタジーがレビューされるのも著者の思惑のうちで、それに対する著者の応答は例えばp.70の2コマ目の右のセリフだろう。多様な読みと解釈で楽しませる「さよなら絵梨」という漫画であり、映画だ。1度目の文化祭の映画も含め、わたしの感想はp.54に書かれている。
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寺山修司の「田園に死す」を思い出した。
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なんとも言えんおもしろさ。
オリジナリティ!
70点 -
世にも奇妙な物語で映像化してほしいと思う面白さだった!!!
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やっぱこの人の感性ってスゴい