しをちゃんとぼく 2 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.45
  • (6)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088910338

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 不死者のギャグ漫画2巻目にして最終巻……なぜだ、こんなに面白いのに……。
    巻数が続くと新キャラ依存になって、ギャグの質が落ちるマンガが結構多いから面白絶頂で終わってよかったのかもしれないけど、2巻の新キャラ(1巻でも出てきた)名義の者さんが4回しか出てないだけだしなあ。

    まさかネオゴッドのアジトが完成するとは思わなかった。ただ、小屋だけど……。


    1巻から気になっていた「チャルニア」に対する解説が少し出てきた。このマンガの作者は色々なことを知っているなあと感心する。


    唯一残念と言えるのは、このマンガがWEB上で最終回を迎えた後の数回、おまけマンガが描かれていたのが載ってないことです。

  • 久しぶりに声を出して笑いながら読んだ。一度Webでも読んでるんだけど、それでもやっぱり笑う。
    笑うし、時々ちょっと良い話が挟まってじーんとする。
    道化師とか、死刑執行人とか語を操りし者。
    しをちゃんに優しかった人たち。
    死を失ったために、注意力も失ったしをちゃん。
    しょっちゅうグロいことになるしをちゃんに慣れちゃってる僕。
    しをちゃんと僕、の2人に比べると、ちかもとさんがまともな人間のような気がしてくるが、DIYで世界征服をたくらむ彼も別にそんなに普通じゃない。最後までヘルメット脱がないし。


    しをちゃんは死を失いし者なんだけど、何度も彼がが失っているのが「死」ではなく「生」だと錯覚してしまう。既に死んでいるのだと。
    1巻で海に落ちた時も「…救急は生きてる人間のためのものだもんな…」って思ってしまった。
    死なない彼は生きている、ものすごく生きている…はずなんだけど。
    死なない人間って生きてるのかな?

    ただ、Webで読んだ時から、この結末と言うかオチと言うか正体というか、最終話があんまり好きじゃなくて。
    なんか「へーそうだったんだ!」とかそういう感じでもないし、感動とかもないし、よくわかんないし納得もしないし、いっそもっと完璧に謎のままで良かったんじゃないかなあ…

    それと、画が思ったよりきれいじゃない。
    思ったより、って言うのも変なんだけど。読んでる最中は面白いから何も感じてなくて、中断したりしてふと絵だけ眺めてみて「あれ?思ったより整ってないな?」みたいに感じる。読んでる真っ最中と、本を閉じてる時、私の頭の中でこの漫画はもっときれいな画なんだ。たぶん。

  • T長先生、好い漫画をありがとうございました
    まさか、この(2)で終わってしまっているとは思ってもいなかったので仰天しましたが、その分、(1)よりもじっくりと良さを噛み締められるように読みました
    他の漫画読みに、この『しをちゃんと僕』の良さをしっかりと伝えられるか、「絶対に大丈夫」と言える自信は、申し訳ない事にないんですが、なるべく頑張ろうと思います
    端的に言うと、「深い」漫画です、皆さん
    スプラッタ、まぁ、優しい目で見ると、スプラッタと言っても良い表現が連発しているので、人によっちゃ、「不快」かもしれませんが、私は「深い」と感じました
    当たり前の話ですが、誰だって痛かったり、苦しかったりするのは嫌です。怪我や病気を避けられるなら、避けた方がイイに決まっています
    しかし、痛みを感じられるのは、生きている証拠です
    そんな生きている感覚に憧れる、それは不死者である者の独特な感性なのでしょう
    ポンコツ系な主役であるしをちゃんの言動には、妙に考えさせられます
    『創世のタイガ』も、「生きる」とは何か、ってのを考えたくなる漫画ですが、こちらも同じくらいに、自分の生き方と真面目に向き合いたくなるかもしれません
    しをちゃんが、単に自分の体質を嘆くだけの漫画ならば、私の心も震えません
    生きている者の中で、しをちゃんの一番の友達である「僕」が、彼の奇行に戸惑い、驚き、慣れていきながら、友達の個性をあるがままに受け入れていき、優しさや慈しみ、スルースキルを学んでいく事で、人間として成長していく過程が、独特な間で描かているからこそ、読み手はこの奇妙な世界に引き込まれるのでしょう
    考え方は人それぞれでしょうけど、「生きる」ってのは、人との繋がりを作っていく事じゃないか、と私は思います
    他人と関わらずに、自分だけの世界に閉じこもっていると、「生きている」って実感が湧かないような気がします
    確かに、しをちゃんは不死なので、生命活動的な意味では「生きていない」かも知れませんが、多くの友人が出来ているのですから、「生きている」と認める事も出来るんじゃないでしょうか
    彼の生活には、「生」と「活」が足りています
    そんな彼の過去や秘密が、この(2)でも次から次へと明らかになっています
    色々なエピソードがあり、どれも印象的ですが、見た目のインパクトも凄かったってのもあり、私的に推したい、しをちゃんの過去編は、第53・54話「不死者の本」だ
    いきなり、斧を頭にブッ刺して、しをちゃんが出てきたおかげで、本来であれば、彼に日本語を教えた恩人との出会いと別れにグッと来る流れなのに、頭に入ってこない、そのやるせなさが却って良い
    諦め癖が付いていた男は、しをちゃんと暮らす間に、何が何でも執着したい物が出来た。欲がある、それもまた、人間らしさだ
    示し方は独特だけど、しをちゃんなりの弔いと感謝の仕方なんだろう、これも
    しかし、このエピソードのインパクト値を呆気なく塗り替えたのが、最終話「再回」だ
    ある意味、納得かつ受け入れられる、しをちゃんの正体(?)だ
    神と言うよりかは、観測、記録、再生、そして、繰り返す役目を担っているんだろう。誰が、彼にこの役を任せたのか、それは定かでないにしろ、少なくとも、彼は壊れず、諦めない、と信じているのは間違いない
    同じ事が繰り返される歴史の中で、しをちゃんが新たな変化を起こしてくれるのを期待し、その時を待っているのか
    ともあれ、全てを忘れて、新たに始める、無自覚でこれが出来ているのなら、やっぱり、しをちゃんは人間なのかもしれない
    全体的に大満足の本編とオマケなのだが、あえて、これが見たかった、ってのを言っても良いなら、僕が結婚相手=妻を親友に紹介するくだり
    僕が自分の人生を捧げ、死が分かつまで共に、と決めた相手なのだから、しをちゃんのぶっ飛び加減も受け入れられる、度量の大きい美人に違いないな
    恐らく、結婚式でも、しをちゃんは頑張るあまりに、色々とやらかし、僕たちの良い思い出を作ったんだろうな、と妄想が広がるぞ
    この台詞を引用に選んだのは、良い子や、と心が温かくなったので
    友達に、ちゃんとお礼が言える、当たり前で簡単な事、だけど、それだけで人間関係が良好になる
    この年齢で、大人でも出来ないこれが出来ている僕は、間違いなく、出来る大人になるな、そして、良い子を育てるはずだ
    改めて、良い漫画をありがとうございました、T長先生
    次回作、首を長くして待ちますね
    どんなものを読みたいか、を聞かれたら、ラブコメ、と即答したいデス。とよ田みのる先生の『金剛寺さんは面倒臭い』のような、人と人外の恋物語を、T長先生らしいストーリーで読んでみたいデス

全3件中 1 - 3件を表示

T長の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×