- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088927046
感想・レビュー・書評
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楽しみながら最新知識が身につく歯科医療マンガ、最終巻!歯科衛生士・咲の家族に降りかかる口内異常の原因とは?!さらに歯守リンゴと遊馬医師の因縁もついに決着!歯科医と歯科衛生士の正しい協力の形あってのドラマがここにある。
咲の母が襲われた口内の痛み。田名井歯科で反対側を治療したばかりなのになぜ?歯科衛生士の母が何度も歯にトラブルは体裁が悪く、娘に言えないまま痛み止めに頼ろうとしたり、別の歯科へかかったり。孫に使うんですとアスピリンを買おうとして止められたりも(15歳未満の服用は禁止)。取り繕いたい気持ちはわかるけど、ヒヤヒヤしながら読んでた。ここで発見されたのが歯科とはパッと繋がらない有名な病気!高齢者の方は特に要注意だし、知っておきたい情報だと思う。
最後の事例は、咲の兄で脳神経外科医でもある大地の物語。欧米での医師活動も視野に入れるため、八重歯を矯正したいと門をたたいたのが遊馬デンタルオフィス。そもそもセラミック矯正は造語で、矯正歯科治療とはまったく別ということ。このあたりの話は知らなかったので、マンガで見てかなり驚かされた。芸能人の方がされていたりするけど、リスクを知ってやってるのかな…。
リンゴが見抜いた大地の違和感。それは「舌がん」だった。田名井から大地の勤務している病院の口腔外科へと紹介され、手術へと挑む。がんの切除やその後の治療経過など、細かい内容まで描いてあることで、直面する病気の大きさを肌で感じさせてくれた。早期発見、早期治療。まさに「病気の種は患者さんの毎日にある それに気づけるのが最良の医療なのかもしれません」という田名井の言葉に尽きる。そして、患者側も「やりたいことをやらないと!今が一番若いんだから」という気持ちで、日々の暮らしの違和感を医師に伝えることが大事なんだよね。
終盤で語られた遊馬がリンゴを敵視する理由。歯科業界が抱える闇、問題点があるとしても、ルールを無視する歯科医を信用できるはずがない。「“正しい診断をするのは最後に患者を診た医師である”」とは、医師が言い訳に使う言葉じゃないよね。病変を見逃すことは人である以上は仕方ないとはいえ、最後に患者を診た医師であろうとし続ける意志がなくなったら、医師と呼べる存在なのか?田名井歯科へ嫌がらせをして患者の治療を滞らせるとか、遊馬──次は法廷で会おうってなった(笑)