銀の匙 Silver Spoon (4) (少年サンデーコミックス)
- 小学館 (2012年7月18日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091237729
感想・レビュー・書評
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"逃げて来たことに負い目はあっても、その逃げた先で起こったこと、そこで出会った人… それらはどうでしたか?否定するようなものでしたか?"
"逃げ道のない経済動物たちとは違うのですから、生きるための逃げは有りです。有り有りです。"
作者の実体験をベースにした農業高校のリアルで特殊なスクールライフストーリー第4巻。
「肉になった豚丼を買う」という決断をした八軒。豚丼で作ったベーコンが話題になり、またいろんな人が集まってきた。
それを食べたからといって「生き物を食うってこんなもんだよね」と割り切ることはできない八軒だが「考え続ける」っていうのも1つの答えだよな〜と思わされた。
自分の今の生活でも、家族のこととか仕事のこととか今悩んでも結論が出なかったり、結局身動きとれないばかりだから、「割り切れないから葛藤し続ける!」って思っちゃえば、モヤモヤするだけじゃなくてちょっと前向きに悩める気がするな〜。
そして、進学校での競争に耐えられずにエゾノーに来たことを、今もコンプレックスに思っている八軒に、校長がかけた冒頭の言葉。
そうだよな〜。生きてく環境を変えられる・選べるっていうのはすごくすごく恵まれたことだから、本当に無理なら逃げればいいよね。我慢して心身が死ぬよりいいよね。って自分にもいい聞かせて、子どもにも伝えたい。
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鋼の次は銀なのね。
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4巻まで一気読み。おもしろかった!
農業高校ってこんななんだとか、農業、特に畜産業に従事している人の(ほんの一部でしょうが)生活を見れてよかった。
ユーモラスとシリアスが入り混じった荒川さんらしさがたっぷりの作品です。 -
完全にコンプレックスなのですが、荒川節とでもいいましょうか「大地に足のついた」「女(母)の偉大さ」「真に人間的な強さ」をこれでもかと訴えられるとつらいのです。鋼の女性キャラの強さは見ていて自分が卑屈にさせられるんですよね。
なのでその作者さんが「屠殺」という、普段直面することを避けている題材を描かれるときいて、そのせいでこの銀匙そのものを敬遠していたのです。
実際に読んだら1巻から文句なしに面白かったし、この巻収録の「豚丼」の話がからっとまとめられててほっとしました。
コミックス後半から始まってる次のお話は、まだ導入部でちょっともどかしいかんじ。
続きも楽しみです。 -
生命とは何かを別の正面から切り込んだ良書。
荒川弘といい羽海野チカといい、代表作を完成させた直後に、それを超える代表作を生み出すのには、おそれいります。 -
前半、豚丼の件がだいたい一段落するんだけど、なんだか当然といえば当然、意外いえば意外な展開で、その中にいろんな登場人物の味が出ていてよかった。
後半はちょっと意表を突かれる内容だったけど、考えてみればこういうのは当たり前すぎるほど当たり前で、なんだか意表を突かれている自分がおかしかった。主人公がかわいくていい。和む。 -
新刊出ました!やっぱり安定した面白さがありますねぇ。
札幌の大通公園、馴染み深い景色が出てきて思わずニヤリ^^
「豚丼」の事はいくぶんあっさりと決着がつきましたが、
八軒君は今回の事で、また一回り大きくなったようですね~。
「いただきます」という普段何気なく口にする言葉の重みを実感しました。
ハガレン同様、シリアスとギャグのバランスが絶妙。
牛用の○○ジャーがある事にビックリ(笑) -
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「インパクトが違うでしょうね」
内澤旬子の「世界屠畜紀行」はインパクト大でした。なので、心して頂きます。。。「インパクトが違うでしょうね」
内澤旬子の「世界屠畜紀行」はインパクト大でした。なので、心して頂きます。。。2012/08/28
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「生きるための逃げは有りです」・・・・・とても深いです。
「逃げたことを卑下しないでそれをプラスの変えてこそ、逃げた甲斐があるということです。」