- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091670939
作品紹介・あらすじ
先の見えない世界で、光を照らす場所がある
Twitterで話題を読んだ「制服ぬすまれた」の作者・衿沢世衣子が贈る
ミステリック・オムニバスが登場!
生と死の狭間に立つコンビニエンスストア。
その明かりに引き寄せられる人々が最後に買い求めるものは何なのか。
そして、そこで働く青年二人の秘密とは――
【編集担当からのおすすめ情報】
日常に潜む光と闇を、独特の筆致で描き出す衿沢世衣子先生。
誰もが日常的に立ち寄るコンビニエンスストアを舞台に、ミステリアスな人間ドラマが繰り広げられます。
猫好きな方も必見!
感想・レビュー・書評
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本書についての予備知識もなく衝動買いしたのですが、すごくよかったです!
舞台は深夜のコンビニ。1,2話は、ブラック会社で働く疲れきったOL、優柔不断で何かを決めるのがとても苦手な男性…自分を見失った登場人物達がそれぞれ自分を取り戻し…なストーリーかと思いきや、なんかちょっと違うぞ、という予感。
3話から、ちょっと謎めいていたコンビニ店員の正体が明らかになっていく。と同時に、このコンビニがどういう位置付けなのかも。どういう人々がどういう理由でそのコンビニを訪れるのかも。シュールなんだけどどこかコミカルで、「闇」が猫の姿となった、一つ目のヤミネコがかわいい!
話が進むほどにヘヴィーな展開になっていくけど、闇にのまれそうな登場人物達が何とか前を向く過程がお見事。衿沢さんの、人との心の距離の描き方がすごく丁度よくて、こちらも救われる。
表紙をはがしたら、コンビニのレシート!よくよく見ると、それぞれのエピソードで登場人物達が買った物だわ。細かいところまで抜かりない。そういうところも好きです! -
生の死の間にあるコンビニエンスストアで起こる出来事と従業員たちのお話。SFの趣がある、不思議で少し優しい素敵な短編集だった。
コンビニって不思議な場所だ。
身近にあって、誰にでも等しく、無機質さを持ちながらも、ずっと私たちを受け入れてくれている。
特に夜、眠れなくて何か食べたくなった時、誰かに会いたくなった時、迎え入れてくれるのはコンビニだ。
そんな、コンビニの誰にでも等しい無慈悲さと包容力みたいなものが感じられる雰囲気が良かった。
村田沙耶香さんの「コンビニ人間」と共にコンビニの書籍コーナーにそっと置いておいてほしい作品だなと思う。
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生と死の間にあるコンビニの話。続編もありそうな。
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生死のはざまをさまよう人が最後に立ち寄るコンビニの話。ふわっと荒唐無稽に描いているようで、死の無慈悲さも感じる。ヤミネコかわいい。面白かった。
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観念的な話かと思いきや、スコシフシギ系のお仕事ものだった!たのし。おもしろし。
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『制服ぬすまれた』にはまって2作目購入。
この『光の箱』は深夜のコンビニを訪れる人たちを見てどんな仕事してる人だろう、とかどんな人なんだろう、とか人間観察での妄想を存分に膨らませたような物語に感じた。
いわゆる生死の狭間の空間にあるコンビニでの奇妙な日常を描いた作品。
不気味だし’死’との距離も近いんだけど、冷たくはなくて妙にのどかで優しい空気。
というか現代社会はストレスやらハラスメントやら通常状態が生死スレスレな訳で、このコンビニのように一歩間違えたら闇、という感覚はあながち遠いものではないのではないか。
1刷
2021.3.16