- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091793553
作品紹介・あらすじ
珠玉の短編で綴る少年青年漫画の歴史!
選者にいしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこ(五十音順)の6氏を迎え、日本の少年青年漫画を彩った幾多の短編の中より選び抜いたアンソロジーを編年体でお送りします。第6巻は90年代から2000年代へ!青山剛昌、藤田和日郎、松本大洋、真造圭伍などの知る人ぞ知る短編を収録!
【編集担当からのおすすめ情報】
いしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこが選んだ珠玉のアンソロジー。一筋縄ではいかない選者達がこれでもかと選んだ短編達。他ではなかなか見られない少年青年漫画の多様性をお楽しみください。
感想・レビュー・書評
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珠玉の作品群。
特に好きだったのは、
松本大洋「日本の家族」
独特のタッチと、言葉を抑えた作風が好き。
終わり方も秀逸。
途方に暮れてしまう圧倒的な侘しさよ。
なんてモノクロの似合う作品なんだ。
江口寿史「岡本 綾」
ありふれているテーマながらも
面白くうつくしい作品で唸ってしまう。
子供の表情の書き分けを見ると、
これは小説にはできない表現だと思ってしまう。
とり・みき「我が良き狼」
コミカルと精緻な描写の書き分けが凄い。
筒井康隆の作品のコミカライズ版だというが、
筒井康隆の空気を見事に真空パックにしている。
原作も読みたい。なんて切ない話だ。
真造圭伍「休日」
立場の違う同級生が一緒に休みを過ごす。
他愛ない一日のことながら、視点のリアルさが
温さも鋭さも持っていて胸が詰まる。
漫画を読むことを禁止され、その流れで大人になってしまったけれど、大人になってから漫画を読むとこんなに楽しい世界をまだ知らないのは幸せだなと思わさせられる。
文字だけでは表現できないものを持ち併せ、でも映画より創造の自由が残されている…漫画とは、なんて素敵なところにあるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
80年代、私が少しマンガから遠ざかっていた時期も、マンガは着実に変化していた。まず「鋼の人」、吉田戦車は「戦え!軍人くん」のころから注目していた。シュールな笑いが新鮮だった。岡崎京子「初恋・地獄変」、羽仁進と寺山修司の映画を思い出すタイトルだが、中身も負けてない。よしもとよしとも「青い車」久々に読んだがやっぱり泣ける。村野守美「甚平」、構成が巧く心が温かくなる。江口寿史「岡本綾」、とり・みき「わが良き狼」は、二人とも熊本県出身。実験精神にあふれて楽しい。あだち充「リリーフ」、名人の落語みたいと言う評がぴったりだ。その他、青山剛昌「プレイ・イット・アゲイン」、松本大洋「日本の家族」、藤田和日郎「瞬撃の虚空」、真造圭伍「休日」という80年代を代表する漫画家の作品を収録。